情報セキュリティマネジメント 2016年 春期 午前(科目A) 問11
問題文
BYODの説明、及びその情報セキュリティリスクに関する記述のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:従業員が企業から貸与された情報端末を、客先などへの移動中に業務に利用することであり、ショルダハッキングなどの情報セキュリティリスクが増大する。
イ:従業員が企業から貸与された情報端末を、自宅に持ち帰って私的に利用することであり、機密情報の漏えいなどの情報セキュリティリスクが増大する。
ウ:従業員が私的に保有する情報端末を、職場での休憩時間などに私的に利用することであり、セキュリティ意識の低下などに起因する情報セキュリティリスクが増大する。
エ:従業員が私的に保有する情報端末を業務に利用することであり、セキュリティ設定の不備に起因するウイルス感染などの情報セキュリティリスクが増大する。(正解)
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BYOD(私物端末利用)【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
選択肢エは、従業員が自分で所有するスマホやノートPCなどの私物端末を業務に使う「BYOD(Bring Your Own Device:私物端末の業務利用)」の定義に合致しています。私物端末は会社が設定や管理を直接できないことが多く、セキュリティ設定の不備(例:OSやアプリの未更新、ウイルス対策未導入、画面ロック未設定)によってウイルス感染や機密情報の漏えいが起きやすくなります。したがって「私物端末を業務に使うことでセキュリティ設定の不備に起因するリスクが増大する」という記述が正しいため、選択肢エが適切です。
解法ステップ
- BYODの意味を確認する:私物の端末を業務に持ち込んで使うこと(Bring Your Own Device)。
- 各選択肢が「端末の所有者」と「利用目的(業務 or 私的利用)」をどう述べているかを判別する。
- BYODは「私物端末を業務で使う」ケースなので、それに該当する選択肢を選ぶ。
- リスク説明がBYODの性質(管理不能・設定不備・マルウェア感染など)と合っているかを確認する。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 「企業から貸与された情報端末を移動中に利用する」
→ これは会社が貸与した端末(企業支給端末)の利用であり、BYODではありません。移動中の盗み見(ショルダーハッキング)などのリスクはあるが、端末の所有形態が異なります。 -
イ: 「企業から貸与された情報端末を自宅で私的に利用する」
→ これも貸与端末の私的利用を述べています。貸与端末は企業が管理できるため、私的利用によるリスクはあるが、BYODの定義とは異なります。 -
ウ: 「私的端末を職場で休憩時間などに私的に利用する」
→ 私物端末の利用だが、業務に用いていない(私的利用)ためBYODではありません。セキュリティ意識の低下は問題だが、BYOD特有の「業務データへのアクセス」「設定管理の不在」によるリスクとは焦点がずれます。 -
エ: 「私物端末を業務に利用する」
→ これがBYODの定義に一致し、管理の難しさや設定不備によるウイルス感染などのリスク説明も適切です(正解)。
よくある誤解
-
「私物端末=すべて危険」
→ 全てが危険というわけではありません。適切な管理(MDMなど)や利用ルールでリスクを低減できます。ただし管理が難しい点を理解することが重要です。 -
「企業支給端末ならリスクはゼロ」
→ 企業支給でも利用者の操作ミスや未適用の更新により脆弱性は残ります。所有形態が違えば管理手段も異なる、という点を混同しないこと。
補足コラム
BYOD対策の代表例(職場で実際に運用される対策)
- MDM(Mobile Device Management:端末管理)で端末設定やパッチ適用を強制する。
- MAM(Mobile Application Management:アプリ管理)や業務データを分離する「コンテナ化」:私的なアプリと業務データを分ける仕組み。
- デバイス暗号化、画面ロック、強いパスワード、多要素認証(MFA)の義務化。
- ネットワーク分離(社内・来客・BYOD用のVLANやゲストWi‑Fi)で業務系資産と隔離。
- リモートワイプ(端末紛失時に会社側で業務データだけ消去する機能)の導入。
職場では「BYODポリシー(誰が、どの用途で、どの条件で私物端末を使えるか)」を明文化し、従業員の同意を得て運用するのが一般的です。
FAQ
Q: 会社は私物端末の中身を勝手に見られますか?
A: ポリシー次第です。一般に企業は業務データや業務用アプリのみ管理し、私的データは尊重するようにポリシーを作ります。コンテナ化やMAMで境界を作る運用がよく使われます。
A: ポリシー次第です。一般に企業は業務データや業務用アプリのみ管理し、私的データは尊重するようにポリシーを作ります。コンテナ化やMAMで境界を作る運用がよく使われます。
Q: BYODを禁止すれば安全ですか?
A: 一見安全ですが、禁止しても実際には私物端末を使ってしまう「影のBYOD」が発生することがあります。禁止よりも管理とルール整備のほうが実効性があります。
A: 一見安全ですが、禁止しても実際には私物端末を使ってしまう「影のBYOD」が発生することがあります。禁止よりも管理とルール整備のほうが実効性があります。
Q: 私物端末にセキュリティ対策を入れてほしくない場合は?
A: 会社と話し合い、業務に関与する端末は最低限の管理(更新・MFA・リモートワイプ)を許容するか、代替として企業貸与端末を使う選択肢を求めるとよいです。
A: 会社と話し合い、業務に関与する端末は最低限の管理(更新・MFA・リモートワイプ)を許容するか、代替として企業貸与端末を使う選択肢を求めるとよいです。
関連キーワード: BYOD、私物端末、MDM、MAM、コンテナ化、リモートワイプ、デバイス暗号化、ゲストWi‑Fi、多要素認証、シャドーIT

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