情報セキュリティマネジメント 2016年 春期 午前(科目A) 問12
問題文
IDSの機能はどれか。
選択肢
ア:PCにインストールされているソフトウェア製品が最新のバージョンであるかどうかを確認する。
イ:検査対象の製品にテストデータを送り、製品の応答や挙動から脆弱性を検出する。
ウ:サーバやネットワークを監視し、セキュリティポリシを侵害するような挙動を検知した場合に管理者へ通知する。(正解)
エ:情報システムの運用管理状況などの情報セキュリティ対策状況と企業情報を入力し、組織の情報セキュリティへの取組状況を自己診断する。
🔒 解説は解答すると表示されます
侵入検知システムの役割【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
IDS(Intrusion Detection System:侵入検知システム)は、サーバ(サービスを提供するコンピュータ)やネットワークの通信やログを監視して、不正な振る舞いや組織のセキュリティポリシ(Security Policy:情報の取り扱いや守るべきルール)に反する挙動を見つけたときに管理者へ通知する機能を持ちます。選択肢の中でこの役割に当てはまるのは ウ です。IDSは検知と通知が主目的であり、攻撃を自動で止める装置ではない点が重要です。
解法ステップ
- 各選択肢のキーワードを見る(「インストールされているソフトの更新確認」「テストデータで脆弱性検出」「監視して通知」「自己診断」)。
- 「監視して通知」=攻撃の検出とアラート、これがIDSの定義に一致するか確認する。IDSは「検知(Detection)」と「通知」が中心。
- 他の選択肢が指す機能(更新管理、脆弱性診断、自己診断)は別の道具・仕組みなので除外する。
- 結果、監視して管理者に通知する機能を示す ウ を正解とする。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 「PCにインストールされているソフトウェア製品が最新か確認する」
→ これはパッチ管理や資産管理ツールの機能です。例:ソフトのバージョンを把握し、更新を促す仕組みであり、攻撃の検出・通知が目的のIDSとは異なります。 -
イ: 「検査対象にテストデータを送り、応答や挙動から脆弱性を検出する」
→ これは脆弱性診断やペネトレーションテストの説明です。攻撃を模した入力で弱点を探す能力であり、IDSがリアルタイムに監視して攻撃を検出する役割とは別です。 -
ウ: 「サーバやネットワークを監視し、セキュリティポリシを侵害する挙動を検知して管理者へ通知する」
→ IDSの基本機能に合致します。監視→検知→通知が典型的な流れです。補足として、IDSは通常「検知」までで、自動遮断は行いません(次の補足参照)。 -
エ: 「運用管理状況などを入力して組織の取組を自己診断する」
→ これは自己診断ツールやチェックリスト(セルフアセスメント)の説明です。組織の対策状況を評価するもので、リアルタイム監視や攻撃検知とは役割が異なります。
よくある誤解
-
IDSは検出した攻撃を自動で止めると思い込む
→ 自動で遮断するのはIPS(Intrusion Prevention System:侵入防止システム)です。IDSは検知・通知が中心で、人が対応する前提です。 -
IDSはすべての攻撃を見つけられると考える
→ 誤検知(false positive)や見逃し(false negative)があり、チューニングやログ解析が必要です。 -
IDSと脆弱性診断を同じものだと混同する
→ 脆弱性診断は「弱点を見つける事前調査」、IDSは「発生している攻撃を検知する監視」です。目的とタイミングが違います。
補足コラム
- IDSの種類
- NIDS(Network-based IDS:ネットワーク型): ネットワークの通信を監視します。通信の流れを見て異常を検出するイメージ。
- HIDS(Host-based IDS:ホスト型): 個々のサーバや端末のログやプロセスを監視します。端末内部の異常を検知します。
- 検出方式の違い
- シグネチャ検出(既知の攻撃パターンに一致させる)
- アノマリ検出(通常と異なる振る舞いを「異常」とみなす)
両者を組み合わせることが多く、シグネチャは誤検知が少ない反面未知攻撃に弱く、アノマリは未知攻撃に強いが誤検知が増えやすい特性があります。
- 職場での運用イメージ
IDSがアラートを上げたら、まずログを分析して誤検知か本番の攻撃かを判断します。重大な攻撃ならインシデント対応(CSIRTやIT担当へ連絡、ネットワーク遮断、復旧作業)へ移ります。誤検知が多ければルールの見直しやしきい値調整を行います。 - アナロジー(例え)
- 脆弱性診断は「家の鍵や窓の点検」
- IDSは「泥棒が入ったときに鳴るアラーム」です。点検は侵入前の予防、アラームは侵入時の検知です。
FAQ
Q1: IDSを導入したら何を期待すればよいですか?
A1: ネットワークやサーバ上で起きている不審な通信や攻撃の兆候を早期に検知して通知することです。検知後の対応手順(誰が見るか、どう対応するか)を決めておくことが重要です。
A1: ネットワークやサーバ上で起きている不審な通信や攻撃の兆候を早期に検知して通知することです。検知後の対応手順(誰が見るか、どう対応するか)を決めておくことが重要です。
Q2: IDSとIPSのどちらを選べばよいですか?
A2: 自動でトラフィックを遮断したいならIPS(Intrusion Prevention System:侵入防止システム)。まずは検知能力や運用体制を整えたいならIDSから始めることが多いです。誤遮断のリスクを避けたい業務クリティカルな環境では注意が必要です。
A2: 自動でトラフィックを遮断したいならIPS(Intrusion Prevention System:侵入防止システム)。まずは検知能力や運用体制を整えたいならIDSから始めることが多いです。誤遮断のリスクを避けたい業務クリティカルな環境では注意が必要です。
Q3: IDSの誤検知を減らす方法は?
A3: シグネチャの更新、アノマリモデルの学習データの見直し、監視ルールのチューニング、ログの相関分析(SIEM:Security Information and Event Management)との連携で改善できます。
A3: シグネチャの更新、アノマリモデルの学習データの見直し、監視ルールのチューニング、ログの相関分析(SIEM:Security Information and Event Management)との連携で改善できます。
関連キーワード: IDS、侵入検知、IPS、侵入防止、NIDS、HIDS、シグネチャ検出、アノマリ検出、SIEM、ログ監視、脆弱性診断、インシデント対応

\ せっかくなら /
情報セキュリティマネジメントを
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

