情報セキュリティマネジメント 2016年 春期 午前(科目A) 問27
問題文
バックドアに該当するものはどれか。
選択肢
ア:攻撃を受けた結果、ロックアウトされた利用者アカウント
イ:システム内に攻撃者が秘密裏に作成した利用者アカウント(正解)
ウ:退職などの理由で、システム管理者が無効にした利用者アカウント
エ:パスワードの有効期限が切れた利用者アカウント
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バックドア【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
バックドアとは、攻撃者がシステムに秘密裏に残す「正規の入り口」や「隠し口」のことです。ここで言う利用者アカウントは、利用者アカウント(ユーザーIDと認証情報の組み合わせ)を指します。選択肢の中では、攻撃者が意図的に作成した利用者アカウントである イ がバックドアの定義に合致します。攻撃の痕跡や後からの不正アクセスを継続するために、攻撃者は正規の管理者に気づかれないようにアカウントを作成することが多く、これが典型的な「アカウント型バックドア」です。
解法ステップ
- 「バックドア」の意味を確認する。→ 隠されたアクセス手段、攻撃者が後で戻るために作るもの。
- 各選択肢が「攻撃者が秘密裏に作ったものか」を照らし合わせる。
- 管理者やシステムの通常の運用(無効化・期限切れ・ロックアウト)はバックドアではないと判断する。
- 最も「秘密裏に作成された利用者アカウント」である イ を正解とする。
選択肢別の誤答解説
- ア: 攻撃を受けた結果、ロックアウトされた利用者アカウント
- ロックアウトは誤ったパスワード入力などでアカウントが一時的に使えなくなる状態です。これは攻撃の結果であって、攻撃者が後で使うために「作成」した隠し口ではありません。よってバックドアではありません。
- イ: システム内に攻撃者が秘密裏に作成した利用者アカウント
- 正解。攻撃者が得た権限を維持するため、管理者に知られないアカウントを置く行為は典型的なバックドアです。持続的なアクセス(Persistence)を目的とします。
- ウ: 退職などの理由で、システム管理者が無効にした利用者アカウント
- 管理者が無効化したアカウントは、正規の運用によるものです。無効化されている限りアクセスできないためバックドアとは言えません。ただし、無効化後も権限が残る設定ミスは別の問題です。
- エ: パスワードの有効期限が切れた利用者アカウント
- 有効期限切れは認証ポリシーの結果であり、攻撃者が「秘密裏に作成」したものではありません。期限切れは管理上の問題や運用ミスの指標になりますが、バックドア自体ではありません。
よくある誤解
- 「バックドアはプログラムだけ」は誤り:ソフトウェアの隠し機能だけでなく、不正に作られた利用者アカウントもバックドアになり得ます。
- 「ロックアウトや期限切れは安全」は誤り:これらは一時的な保護ですが、攻撃者が別のアカウントやサービス口を作っていれば安全とは言えません。
- 「管理者が無効化すれば問題ない」は誤り:管理者による無効化は適切ですが、運用ミスで権限が残っていたり別アカウントで回避されている場合があります。
補足コラム
職場での運用イメージ:定期的なアカウント棚卸し(誰がどのアカウントを持っているかの確認)を行います。例えば、退職者のアカウントは即時無効化・削除し、定期監査で不審なアカウントがないかチェックします。見つかった不審アカウントはまずアクセスを止め(アカウント無効化)、ログを保存してからインシデント対応担当に報告します。
検知と対応の実務的ポイント:
- 不審なアカウント名・備考のチェック、最後のログイン日時の確認。
- 管理者権限のないはずのアカウントに権限が付与されていないかを確認。
- 多要素認証(MFA:Multi-Factor Authentication)を導入して単一アカウントでの侵害リスクを下げる。
- アカウント作成は基本的に管理者操作ログで追跡できるようにし、定期的にレビューする。
FAQ
Q: バックドアが見つかったらまず何をすべきですか?
A: まずそのアカウントのアクセスを直ちに無効化し、関連ログを保存して証拠を残します。その後、インシデント対応方針に従って原因特定と被害範囲の確認を行います。
A: まずそのアカウントのアクセスを直ちに無効化し、関連ログを保存して証拠を残します。その後、インシデント対応方針に従って原因特定と被害範囲の確認を行います。
Q: サービスアカウント(自動処理用のアカウント)もバックドアになり得ますか?
A: はい。正当な理由で存在するサービスアカウントでも、不要・未管理だと攻撃者の足がかりになります。用途と所有者が明確で、最小権限に設定されていることが重要です。
A: はい。正当な理由で存在するサービスアカウントでも、不要・未管理だと攻撃者の足がかりになります。用途と所有者が明確で、最小権限に設定されていることが重要です。
Q: バックドアを防ぐ運用の要点は?
A: アカウント管理の規程化(作成・変更・削除のフロー)、定期監査、ログの保全、MFA導入、最小権限の原則です。
A: アカウント管理の規程化(作成・変更・削除のフロー)、定期監査、ログの保全、MFA導入、最小権限の原則です。
関連キーワード: バックドア、不正アカウント、アカウント管理、アクセス制御、インシデント対応、ログ監査、多要素認証

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