情報セキュリティマネジメント 2016年 春期 午前(科目A) 問28
問題文
PCとサーバとの間でIPsecによる暗号化通信を行う。ブロック暗号の暗号化アルゴリズムとしてAESを使うとき、用いるべき鍵はどれか。
選択肢
ア:PCだけが所有する秘密鍵
イ:PCとサーバで共有された共通鍵(正解)
ウ:PCの公開鍵
エ:サーバの公開鍵
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共通鍵(対称鍵)暗号【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
AES(Advanced Encryption Standard:先進暗号標準)はブロック暗号で、同じ鍵で暗号化と復号を行う「対称鍵暗号(対称式暗号)」です。したがって、PCとサーバの双方が同じ鍵を持っていないと通信の暗号化/復号ができません。選択肢の中では、両者で共有された共通鍵、すなわち イ が正解です。
補足すると、IPsec(ネットワーク層の暗号化)は実際の暗号化に対称鍵を用い、必要ならば IKE(Internet Key Exchange:鍵交換プロトコル)などで安全にその共通鍵を生成・配布します。
補足すると、IPsec(ネットワーク層の暗号化)は実際の暗号化に対称鍵を用い、必要ならば IKE(Internet Key Exchange:鍵交換プロトコル)などで安全にその共通鍵を生成・配布します。
※用語メモ:公開鍵/秘密鍵を対に用いる方式は「公開鍵暗号(非対称暗号)」で、RSAなどが代表例です。公開鍵暗号は鍵の配布や認証に使いますが、AESのようなブロック暗号そのものは対称鍵で動きます。
解法ステップ
- 問題文で使う暗号アルゴリズムを確認:AES → ブロック暗号(対称暗号)。
- 対称暗号の特徴を思い出す:暗号化と復号に「同じ鍵」を使う。
- 選択肢を照らし合わせる:双方で共有された鍵が必要 → イ を選ぶ。
- 他の選択肢(公開鍵や片方だけの秘密鍵)は対称暗号では不適切と排除する。
簡単な覚え方:AES = 同じ鍵を「両方持つ」。
選択肢別の誤答解説
-
ア: PCだけが所有する秘密鍵
→ 対称暗号では暗号化と復号に同一鍵が必要です。片方だけが持っていれば復号できないため不可です。秘密鍵と言う語は「公開鍵暗号」における用語と混同しやすい点に注意してください。 -
イ: PCとサーバで共有された共通鍵
→ AESは対称鍵暗号なので、暗号化と復号で同一の共通鍵を使います。IPsecのESPなどで実際に使われるのはこの方式です。 -
ウ: PCの公開鍵
→ 公開鍵は誰でも入手できる鍵で、公開鍵暗号で暗号化や認証に使います。AES自体は公開鍵で動くものではありません。公開鍵は共通鍵を安全に配布するための手段(例えば公開鍵暗号で共通鍵を暗号化して送る)として使うことはありますが、直接AESの鍵として「公開鍵」を使うことはできません。 -
エ: サーバの公開鍵
→ ウと同様、公開鍵は対称鍵の代わりになりません。公開鍵は相手の認証や鍵交換の補助に使いますが、AES暗号化そのものには「両者で共有する秘密の共通鍵」を使います。
よくある誤解
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「公開鍵があれば安心して暗号化できる」
→ 公開鍵は相手を特定したり(認証)、共通鍵を安全に渡すために使えますが、実際の高速なデータ暗号化には対称鍵(共通鍵)を用います。公開鍵は暗号化処理が遅く、大量データの暗号化には向きません。 -
「秘密鍵は片方だけ持っていれば良い」
→ これは公開鍵暗号での秘密鍵の役割(署名の復号や秘密保持)と混同した誤りです。対称鍵暗号では両端が同じ鍵を持つ必要があります。 -
「鍵はずっと同じで良い」
→ セキュリティ上、同一鍵を長期間使うのはリスクです。実務では IKE などでセッションごとに鍵を更新(再ネゴシエート)する運用が一般的です。
補足コラム
- IPsecにおける鍵管理の実務イメージ:管理者は手で鍵を配るわけではなく、IPsecのセットアップでIKE(Internet Key Exchange)というプロトコルが自動的に鍵を生成・交換します。IKEでは Diffie-Hellman(DH)という鍵共有方式を使い、公開鍵暗号や証明書(PKI)で相手の身元を確認しつつ、最終的に共通の対称鍵(AESの鍵など)を安全に決定します。
- AESのモードと安全性:AES自体はブロック暗号で、どの方式(モード)で動かすかにより安全性が変わります。近年は暗号化と認証(改ざん検知)を同時に行うAES-GCMのようなAEAD(Authenticated Encryption with Associated Data)が推奨されています。鍵長は一般に128/192/256ビットがあり、業務機密の重要度に応じて選びます。
職場での運用イメージ:多くの企業ではVPN機器やOSのIPsec機能を設定するだけで、現場担当は「どの暗号を使うか(AES)」「どの鍵長を使うか」などをポリシーとして決めます。鍵そのものの配布は自動化されているため、担当者は手作業で鍵を扱うことは少ないです。
FAQ
Q1: AESの鍵はどうやって安全に共有するのですか?
A1: 通常は IKE(Internet Key Exchange)などの鍵交換プロトコルを使います。IKEはDiffie-Hellman(DH)などで安全に共通鍵を作り、公開鍵や証明書で相手を確認します。
A1: 通常は IKE(Internet Key Exchange)などの鍵交換プロトコルを使います。IKEはDiffie-Hellman(DH)などで安全に共通鍵を作り、公開鍵や証明書で相手を確認します。
Q2: 公開鍵は全く役に立たないのですか?
A2: 役に立ちますが用途が異なります。公開鍵は「相手の認証」や「共通鍵を安全に渡すための手段」に使われ、データ本体の高速な暗号化には対称鍵(AES)を使います。
A2: 役に立ちますが用途が異なります。公開鍵は「相手の認証」や「共通鍵を安全に渡すための手段」に使われ、データ本体の高速な暗号化には対称鍵(AES)を使います。
Q3: AESの鍵長はどれが安全ですか?
A3: 現在は最低128ビットが一般的な推奨です。機密度が高ければ256ビットを選びますが、運用と互換性も考慮します。
A3: 現在は最低128ビットが一般的な推奨です。機密度が高ければ256ビットを選びますが、運用と互換性も考慮します。
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