情報セキュリティマネジメント 2016年 春期 午前(科目A) 問29
問題文
攻撃者がシステムに侵入するときにポートスキャンを行う目的はどれか。
選択肢
ア:事前調査の段階で、攻撃できそうなサービスがあるかどうかを調査する。(正解)
イ:権限取得の段階で、権限を奪取できそうなアカウントがあるかどうかを調査する。
ウ:不正実行の段階で、攻撃者にとって有益な利用者情報があるかどうかを調査する。
エ:後処理の段階で、システムログに攻撃の痕跡が残っていないかどうかを調査する。
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ポートスキャン【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
ポートスキャンは、ネットワーク上の「ポート(ポート:コンピュータ上で動くサービスを識別する番号)」に対して接続を試み、どのポートが開いているか、どのサービスが応答するかを調べる行為です。攻撃者が最初に行う「事前調査(リコンナサンス)」の一つです。したがって、選択肢のうち ア の「事前調査の段階で、攻撃できそうなサービスがあるかどうかを調査する」が正しい説明になります。ポートスキャン自体はサービスの有無や応答の有無を確認するもので、アカウント取得や利用者情報の抜き取り、ログ消去といった行為そのものではありません。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを確認:「ポートスキャン」「侵入するときに」→ 何のために行うかを問う。
- ポートスキャンの定義を思い出す:サービスの有無・公開ポートを探す行為。
- 選択肢を比較:
- 事前調査(リコン)に該当するか → 該当(ア)。
- 権限取得や不正実行、後処理に該当するか → 通常は該当しない。
- 最も直接的な目的を選ぶ → ア を選択。
選択肢別の誤答解説
- イ: 権限取得の段階で、権限を奪取できそうなアカウントがあるかどうかを調査する。
→ ポートスキャンは「どのサービスが動いているか」を調べる。アカウントを直接調べるのはアカウント列挙や認証試行(ブルートフォースなど)で、スキャンはその前段階にあたる。 - ウ: 不正実行の段階で、攻撃者にとって有益な利用者情報があるかどうかを調査する。
→ 利用者情報の取得は情報窃取(データ収集)や脆弱性を突いた攻撃後に行う処理。ポートスキャン自体は情報を抜き取らない。どのサービスを狙うかを探すための手段である。 - エ: 後処理の段階で、システムログに攻撃の痕跡が残っていないかどうかを調査する。
→ ログ消去や痕跡隠蔽は攻撃の最後に行う作業で、ポートスキャンは痕跡隠蔽とは関係がない。
よくある誤解
- ポートスキャン=攻撃そのもの、と思う誤解。
→ ポートスキャンは攻撃の「下見」です。ポートが見つかっても、まだ侵入していない場合が多いです。 - ポートが閉じていれば安全、という誤解。
→ 閉じているポートでも別の経路(ウェブアプリの脆弱性やメール経由)で攻撃される可能性があります。 - ポートスキャンは必ず匿名で行われる、という誤解。
→ 多くのスキャンは送信元IPが残るため、検知・追跡の対象になります。
補足コラム
- スキャンの種類:TCP SYNスキャン(半開スキャン)、フルコネクトスキャン、UDPスキャンなどがあります。ツールではNmap(ネットワーク探索ツール)などが有名です。Nmapは「Network Mapper」の略で、ネットワーク調査に使われます。
- 検知と対策:IDS(Intrusion Detection System:侵入検知システム)やファイアウォールでスキャン検知・遮断が可能です。職場では、外部からの異常なスキャンを検知したら、セキュリティ担当者がアクセス元をブロックし、必要に応じてベンダや法務と連携します。
- 倫理と法務:許可なく他者のネットワークをスキャンする行為は、不正アクセス禁止法や契約違反になる可能性があります。必ず許可を取ること。
FAQ
Q: ポートスキャンを見つけたらどうすればよいですか?
A: まずIPを一時的にブロックし、ログを保存してセキュリティ担当へ報告します。繰り返し発生する場合はファイアウォールのルール強化やIDSの設定を見直します。
A: まずIPを一時的にブロックし、ログを保存してセキュリティ担当へ報告します。繰り返し発生する場合はファイアウォールのルール強化やIDSの設定を見直します。
Q: 社内からポートスキャンを行って良いですか?
A: 許可がある場合に限ります。社内でも無断で行うと業務や他システムに影響を与えるため、事前に上長やセキュリティ担当の承認を得てください。
A: 許可がある場合に限ります。社内でも無断で行うと業務や他システムに影響を与えるため、事前に上長やセキュリティ担当の承認を得てください。
Q: スキャンで見つかったポートはすぐ閉じるべきですか?
A: まずはそのポートで動くサービスと必要性を確認します。業務上不要なら閉じるか、アクセスを制限します。業務で必要なら最新のパッチ適用やアクセス制御で保護します。
A: まずはそのポートで動くサービスと必要性を確認します。業務上不要なら閉じるか、アクセスを制限します。業務で必要なら最新のパッチ適用やアクセス制御で保護します。
関連キーワード: ポートスキャン, リコンナサンス, ネットワーク探索, Nmap, IDS, ファイアウォール, TCP SYNスキャン, スキャン検知

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