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情報セキュリティマネジメント 2016年 春期 午前(科目A)30


問題文

AさんがBさんの公開鍵で暗号化した電子メールを、BさんとCさんに送信した結果のうち、適切なものはどれか。ここで、Aさん、Bさん、Cさんのそれぞれの公開鍵は3人全員がもち、それぞれの秘密鍵は本人だけがもっているものとする。

選択肢

暗号化された電子メールを、Bさん、Cさんともに、Bさんの公開鍵で復号できる。
暗号化された電子メールを、Bさん、Cさんともに、自身の秘密鍵で復号できる。
暗号化された電子メールを、Bさんだけが、Aさんの公開鍵で復号できる。
暗号化された電子メールを、Bさんだけが、自身の秘密鍵で復号できる。(正解)

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公開鍵暗号の復号【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

公開鍵暗号では、「公開鍵(public key:誰でも入手して使える鍵)」で暗号化したデータは、その公開鍵に対応する「秘密鍵(private key:本人だけが保有する鍵)」でしか復号(decrypt:暗号化を元に戻すこと)できません。問題ではAさんがBさんの公開鍵で暗号化しているため、復号できるのはBさんだけです。したがって、Bさんだけが自身の秘密鍵で復号できるという記述、すなわち が正しいです。
簡単なイメージ:公開鍵は「誰でも投函できる郵便箱の口」、秘密鍵は「その郵便箱を開ける鍵」です。投函(暗号化)できる人は誰でもいても、取り出して読む(復号)できるのは箱の持ち主だけです。

解法ステップ

  1. 問題文から「誰の公開鍵で暗号化したか」を確認する → Bさんの公開鍵。
  2. 公開鍵で暗号化したデータを復号できる鍵は対応する秘密鍵だけであることを思い出す。
  3. Bさんの秘密鍵を持つのはBさん本人だけなので、復号できるのはBさんだけと判断する。
短く言えば「公開鍵で暗号化 → 対応する秘密鍵で復号」だけ覚えれば解けます。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 「Bさん、CさんともにBさんの公開鍵で復号できる」
    誤り。公開鍵は暗号化に使うのが一般で、復号には対応する秘密鍵が必要です。公開鍵自体では復号できません。
  • イ: 「Bさん、Cさんともに自身の秘密鍵で復号できる」
    誤り。暗号化に使った公開鍵がBさんのものなので、復号に対応するのはBさんの秘密鍵のみ。Cさんの秘密鍵は対応していないため復号できません。
  • ウ: 「BさんだけがAさんの公開鍵で復号できる」
    誤り。Aさんの公開鍵はAさんの秘密鍵で署名を検証するなどに使いますが、暗号化に使ったのがBさんの公開鍵なら復号はBさんの秘密鍵で行います。暗号化に使った鍵と復号に使う鍵のペアが混同されています。
  • エ: 「Bさんだけが自身の秘密鍵で復号できる」
    正解。暗号化に使われた公開鍵に対応する秘密鍵はBさんのみが持つため、復号できるのはBさんだけです。

よくある誤解

  • 「公開鍵で暗号化したものは公開鍵で復号できる」
    → 公開鍵は暗号化(または署名の検証)に使うことはありますが、復号は対応する秘密鍵でしかできません。公開鍵と秘密鍵は役割が逆です。
  • 「署名と暗号化を混同する」
    → Aさんが自分の秘密鍵で処理すれば(署名)、他人はAさんの公開鍵で検証できます。これを「暗号化と同じ仕組みだ」と混同すると、誰が復号できるか誤解します。署名は「発信者の証明と改ざん検出」、暗号化は「秘密保持(誰が読めるか)」が目的です。

補足コラム

複数の受信者に同じ内容を送るときの実務:
  • 各受信者の公開鍵でそれぞれ暗号化して送る方法(受信者ごとに暗号化)
  • よく使われる効率的な方法は「共通鍵暗号(対称鍵暗号:同じ鍵で暗号化/復号する方式)」で本文を暗号化し、その共通鍵を各受信者の公開鍵で別々に暗号化して送る方法です。これにより本文の暗号化は一度で済み、鍵のみ受信者ごとに暗号化します。
実務イメージ:社内文書を重要ファイルでAさん→BさんとCさんに送る場合、システムは本文を一つの共通鍵で暗号化し、その共通鍵をBさん用、Cさん用にそれぞれの公開鍵で暗号化して添付します。
また、送信者の「本人確認(なりすまし防止)」や「内容の改ざん検出」が必要な場合は、送信時に送信者の秘密鍵でデジタル署名を付けます。受信者は送信者の公開鍵で署名を検証します。
PKI(Public Key Infrastructure:公開鍵基盤)という仕組みで、公開鍵が本当にその人物のものかを証明する「電子証明書」が使われることもあります。これは実務で公開鍵を安全に使うために重要です。

FAQ

Q. CさんがBさんの公開鍵を持っていれば復号できますか?
A. いいえ。公開鍵は暗号化に使えますが、復号は対応する秘密鍵でしかできません。CさんがBさんの秘密鍵を持っていない限り復号できません。
Q. もしAさんが自分の秘密鍵で暗号化したらどうなりますか?
A. 「自分の秘密鍵で処理する」のは通常「署名」です。Aさんが秘密鍵で署名すれば、誰でもAさんの公開鍵でその署名を検証できます(本人確認)。しかし、それは機密保持(誰だけが読めるか)を実現する方法ではありません。
Q. 複数人に送る際、毎回暗号化し直す必要がありますか?
A. 受信者が少ないならそれぞれの公開鍵で暗号化してもよいですが、効率化のため共通鍵を使い、その共通鍵を受信者ごとに公開鍵で暗号化して送る方法が一般的です。

関連キーワード: 公開鍵暗号、秘密鍵、公開鍵、暗号化、復号、デジタル署名、PKI、共通鍵暗号、鍵管理、機密保持
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