情報セキュリティマネジメント 2016年 春期 午前(科目A) 問31
問題文
“OECDプライバシーガイドライン”には8原則が定められている。その中の四つの原則についての説明のうち、適切なものはどれか。

選択肢
ア:
イ:
ウ:
エ:(正解)
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データ内容の原則【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
OECD(Organisation for Economic Co-operation and Development:経済協力開発機構)が定めるプライバシーガイドラインの一つに「データ品質(データ内容)の原則」があります。この原則は、個人データ(個人を識別できる情報)を、利用目的に適合した形で「正確で、完全かつ最新に保つ」ことを求めます。選択肢エはこの定義をそのまま述べているため、正解です。
解法ステップ
- 問題の各選択肢がどのOECD原則に対応する記述かを当てはめる。
- 「データ内容の原則=Data Quality(データの品質)」のキーワードは「正確、完全、最新、利用目的に沿う」。これがある選択肢を探す。
- それ以外の選択肢は「収集の制限」「通知・同意」「公開(オープンネス)」「安全保護(セキュリティ)」など別原則の説明であることを確認する。
以上で選択肢エが該当することが分かります。
選択肢別の誤答解説
- ア(安全保護の原則 と記載)
表題が「安全保護の原則(セキュリティ対策)」となっている一方、説明文は「収集には制限を設け、通知・同意を得る」とあり、内容が食い違っています。通知・同意や収集の制限は「収集制限の原則(Collection limitation)」に該当し、セキュリティ(安全保護)の原則は「個人データを不正アクセスや漏えいから守る技術的・組織的措置」を指します。したがって不正解です。 - イ(個人参加の原則)
「個人参加(Individual participation)」の原則は、本人が自分のデータへのアクセスや訂正を求められることを指します。しかし説明文は「方針を公開する」とあり、これはむしろ「オープンネスの原則(Openness)」──データ取り扱い方針を公開すること──に当たります。従って不正解です。 - ウ(収集制限の原則)
説明文は「利用目的を前もって特定し、利用は目的に矛盾しない方法で行う」とあり、これは「目的明確の原則(Purpose specification)」と「利用制限の原則(Use limitation)」の要素を含む記述です。収集制限は「収集を必要最小限にし、合法的・公正な手段で行う」ことを言うため、ウも不正解です。 - エ(データ内容の原則)
「利用目的に沿ったもので、正確・完全・最新に保つべき」という文言は、まさにデータ品質(Data Quality)の定義です。したがって選択肢エが正しい説明です。
よくある誤解
- 「データ内容の原則=単に“正確であれば良い”」と考える誤解
実際には「正確」であることに加え、「利用目的に必要な範囲であるか」「完全で最新か」も含みます。用途に不要な古い情報を残すことも問題です。 - 「通知・同意=安全保護(セキュリティ)」と混同する誤解
通知や同意は収集の正当性(収集制限・目的明確)に関する事項であり、セキュリティはデータを守る手段(暗号化やアクセス制御)です。役割が異なります。 - 「目的は後から変えても良い」と考える誤解
利用目的を変更する場合は、変更の正当性を検討し、必要なら本人への通知や同意を取り直すなどの対応が必要です。
補足コラム
OECDプライバシーガイドラインの主要原則(簡潔)
- 収集制限(Collection limitation): 収集は合法的かつ必要最小限に。
- データ内容(Data Quality): 正確で最新、目的に合致。
- 目的明確(Purpose specification): 利用目的を明示。
- 利用制限(Use limitation): 目的以外での利用は制限。
- 安全保護(Security safeguards): 不正アクセス等から保護。
- オープンネス(Openness): 取扱方針の公開。
- 個人参加(Individual participation): 本人のアクセス・訂正権。
- 責任(Accountability): 管理者が責任を持つこと。
現場での運用イメージ(データ内容の原則の場合)
- 顧客の住所や部署名が変わったら、社内の顧客DBや名簿をすぐ更新する運用ルールを作る。
- 定期的にデータ精査(例:半年ごとの確認)を実施し、古いデータは廃棄または更新案内を送る。
- 外部委託先へ委託する際は「データの正確性を保つ手順」を契約に明記し、具体的な更新フローを取り決める。
こうした運用はISMS(Information Security Management System:情報セキュリティマネジメントシステム)や個人情報保護の規程に組み込むと実行しやすくなります。
FAQ
Q1. データが間違っていたらどうすればいいですか?
A1. まず訂正・更新を行い、訂正の理由や日時をログに残します。訂正により本人へ不利益が生じる場合は通知や謝罪が必要なこともあります。
A1. まず訂正・更新を行い、訂正の理由や日時をログに残します。訂正により本人へ不利益が生じる場合は通知や謝罪が必要なこともあります。
Q2. 「最新に保つ」とはどの程度の頻度で更新すればよいですか?
A2. 分野・用途によります。給与支払先や緊急連絡先は変更があれば即更新、マーケティング用の属性は半年〜年単位で精査する、など用途ごとに基準を設けます。
A2. 分野・用途によります。給与支払先や緊急連絡先は変更があれば即更新、マーケティング用の属性は半年〜年単位で精査する、など用途ごとに基準を設けます。
Q3. 他部署から受け取ったデータの「正確性」は誰が担保しますか?
A3. 原則としてデータを収集・管理する責任者(組織内の管理部門や担当部署)が担保します。委託や共有の際は責任の所在を明確にします。
A3. 原則としてデータを収集・管理する責任者(組織内の管理部門や担当部署)が担保します。委託や共有の際は責任の所在を明確にします。
関連キーワード: OECD、プライバシー原則、データ品質、収集制限、目的明確性、利用制限、オープンネス、個人参加、安全保護、責任管理

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