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情報セキュリティマネジメント 2016年 春期 午前(科目A)45


問題文

ルータの機能に関する記述として、適切なものはどれか。

選択肢

LAN同士やLANとWANを接続して、ネットワーク層での中継処理を行う。(正解)
データ伝送媒体上の信号を物理層で増幅して中継する。
データリンク層でネットワーク同士を接続する。
二つ以上のLANを接続し、LAN上のMACアドレスを参照して、その参照結果を基にデータフレームを他のLANに流すかどうかの判断を行う。

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ルータの機能【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

選択肢の中で正しいのは です。ルータ(router:異なるネットワーク同士を中継する機器)は、LAN(Local Area Network:局所ネットワーク)同士やLANとWAN(Wide Area Network:広域ネットワーク)を接続し、ネットワーク層(Network layer:OSI参照モデルの第3層)でパケットを転送します。ネットワーク層では主にIPアドレス(Internet Protocol address:機器がネットワーク上で使う住所)を使って「どのネットワークに送るか」を判断します。したがって、ネットワーク間の中継処理を行うという記述がルータの本質に合致します。
(家庭の例)社内LANからインターネットへ出るとき、ルータは内部ネットワークのIPパケットを外に渡す役割をします。これがルータの代表的な仕事です。

解法ステップ

  1. 設問のキーワードを探す:ネットワーク層、物理層、データリンク層、MACアドレス など。
  2. OSI参照モデル(通信を層で考える枠組み)を思い出す。主な層:
    • 物理層(Layer1):信号そのもの(電気・光)を扱う
    • データリンク層(Layer2):MACアドレスでフレームを扱う(スイッチやブリッジ)
    • ネットワーク層(Layer3):IPアドレスでパケットを扱う(ルータ)
  3. 各選択肢がどの層・どの機器の説明に当たるかを対応付ける。
  4. ネットワーク間の「中継=ルーティング」はネットワーク層の仕事と判断して選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア(正答)
    ルータはネットワーク層で動作し、異なるネットワーク間でパケットを転送します。ルーティングテーブルを使って宛先IPに基づき経路を決定します。家庭用機器ではNAT(Network Address Translation:アドレス変換)や簡易ファイアウォール機能を兼ねることも多く、見た目は1台でも複数の機能が混在します。
  • イ(誤り)
    「データ伝送媒体上の信号を物理層で増幅して中継する」はリピータ(repeater)や中継器の仕事です。物理層(Layer1)で信号の再生・増幅を行い、内容の識別(IPやMAC)は行いません。ルータとは扱う層が異なります。
  • ウ(誤り)
    「データリンク層でネットワーク同士を接続する」はブリッジやスイッチ(switch:同一ネットワーク内のフレーム転送機器)の説明に近く、厳密には“ネットワーク同士を接続(ルーティング)する”とは異なります。データリンク層は主に同一ネットワーク内でMACアドレスを使ってフレームの転送先を決めます。
  • エ(誤り)
    「MACアドレスを参照してフレームを他のLANに流すか判断する」はブリッジ/スイッチの機能です。スイッチはMACアドレスの学習テーブルを使い、フレームを適切なポートに流します。ルータはMACではなくIPを基に判断します(ただしルータはパケットを次ホップに渡す際に宛先機器のMACを使ってイーサネットフレームを作り直すため、MACが完全に無関係というわけではありませんが、判断基準はIPアドレスです)。

よくある誤解

  1. 「ルータはMACアドレスを使って振り分ける」
    → 実際の振り分け判断はIPアドレス(ネットワーク層)で行います。MACは同一ネットワーク内の通信で使われます。
  2. 「家庭の『ルータ』と業務用のルータは同じ働き」
    → 家庭用機器はルータ、スイッチ、無線アクセスポイント、NAT、DHCPなど複数機能を1台で兼ねるため、機能の違いが分かりにくいことがあります。
  3. 「スイッチとルータは単に『つなぐ機械』で同じ」
    → つなぐ対象(同一ネットワーク内か異なるネットワークか)と判断に使う情報(MACかIPか)が異なります。

補足コラム

  • OSI参照モデルを覚えると誤答が減ります。ざっくり整理すると:
    • Layer1(物理層):信号の伝送(リピータ)
    • Layer2(データリンク層):MACでフレーム転送(スイッチ/ブリッジ)
    • Layer3(ネットワーク層):IPでパケット転送(ルータ)
  • 実務イメージ:会社で支店Aと支店Bを接続してデータをやり取りする場合、各支店のLANはそれぞれIPネットワークを持ち、それらをルータで接続してパケットをやり取りします。もし支店内でスイッチのポートを分けてセグメント化するなら、その先でルータがセグメント間をつなぎます(インターVLANルーティングなど)。
  • 用語の補足:
    • MACアドレス(Media Access Control address):ネットワーク機器固有の識別子。主に同一LAN内で使う。
    • IPアドレス(Internet Protocol address):ネットワーク上の「住所」。ネットワークを跨いでルーティングに使う。

FAQ

Q. ルータとスイッチの違いを簡単に教えてください。
A. スイッチは同じネットワーク内でMACアドレスを使いフレームを送る機器です。ルータは異なるネットワーク同士をIPアドレスでつなぐ機器です。目的が違うと覚えてください。
Q. 会社の「ルータ」が動かなくなったらどうなりますか?
A. 社内LANから外部(インターネットや他拠点)へ出られなくなります。業務システムやメールなどの外部通信が止まるため、優先的に対応する必要があります。
Q. レイヤ3スイッチって何ですか?
A. 一部の高機能スイッチはIPルーティング機能を持ち、レイヤ2(データリンク)とレイヤ3(ネットワーク)の両方の役割を高速でこなします。中規模以上のネットワークで使われます。

関連キーワード: OSIモデル、ルータ、スイッチ、リピータ、MACアドレス、IPアドレス、NAT、ルーティングテーブル、データリンク層、物理層
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