情報セキュリティマネジメント 2017年 秋期 午前(科目A) 問02
問題文
組織がJIS Q27001:2014(情報セキュリティマネジメントシステム—要求事項)への適合を宣言するとき、要求事項及び管理策の適用要否の考え方として、適切なものはどれか。

選択肢
ア:
イ:(正解)
ウ:
エ:
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適用除外の判断基準【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
JIS Q 27001:2014(ISMS:Information Security Management System=情報セキュリティマネジメントシステム)では、規格本文の箇条4~10は組織のISMSを定義する「必須の要求事項」です。これらは組織がISMSを構築・運用するための基本枠組み(組織の状況、リーダーシップ、計画、支援、運用、評価、改善)を示しており、原則として適用除外できません。
一方、附属書A(管理目的及び管理策)は、リスク処理の参考となる「管理策(controls)のリスト」です。組織はリスク評価の結果に基づき、どの管理策を採用するかを決めます。採用しない管理策があっても問題ありませんが、その場合は「適用宣言(Statement of Applicability:適用性宣言)」で除外する理由を明確に示す必要があります。したがって、表の組合せでは、規格本文は全て適用、附属書Aの管理策は妥当な理由があれば適用除外できる、つまり選択肢は イ が正しいです。
解法ステップ
- 問題文で比較しているものが「規格本文(箇条4~10)」と「附属書Aの管理策」であることを確認する。
- 規格本文(4~10)は規格の要求事項=必須であり、除外不可であることを思い出す。
- 附属書Aは管理策の一覧で、リスクに基づき選択でき、適用しない場合は根拠を文書化(適用宣言)すればよいことを確認する。
- 上の判定に合う選択肢を選ぶ(イ が一致)。
選択肢別の誤答解説
- ア:規格本文も附属書Aの管理策も全て適用が必要、となっている点が誤り。附属書Aは組織のリスクに応じて選択するもので、無条件に全てを実装する必要はない。
- イ:正解。規格本文(箇条4~10)はISMSの必須要求事項であり除外不可。附属書Aの管理策はリスク評価に基づき除外可能だが、除外した場合は適用宣言で理由を示す必要がある。
- ウ:規格本文を除外可能、附属書Aは全て必須、という組合せ。逆になっており誤り。規格本文を除外することは基本的に認められない。
- エ:両方とも妥当な理由があれば除外可能、となっている点が誤り。規格本文(4~10)は基本的に除外できないため、この選択肢は不適切。
よくある誤解
- 附属書Aの管理策は「任意だから何もしなくてよい」:任意ではありません。適用しない場合でも、なぜ適用しないのか(リスク評価の結果など)を適用宣言で説明する必要があります。
- 規格本文の一部(例:評価や改善)だけ除外できる:規格本文はISMSの骨格なので、部分的に除外するという扱いは原則認められません。
- 「適用除外=セキュリティをしなくてよい」:除外は「不適用の根拠」を示すことであり、代替措置やリスク受容の判断を伴うべきです。
補足コラム
実務での運用イメージ:
- まず自社の業務範囲(スコープ)を決め、リスク評価を行います。例えば「自社は暗号化を使わないクラウドサービスしか使わないため、端末に対する暗号化管理策は適用しない」と判断した場合、その理由を「適用宣言(Statement of Applicability:適用性宣言)」に記載します。
- 適用宣言には「管理策を適用するか否か」と「適用しない場合の理由(リスク低減が不要である等)」を明記し、経営層の承認を得ます。監査や認証審査では、この適用宣言とリスク評価の整合性が重要視されます。
- 外部委託がある場合は、委託先で実施すべき管理策を明確にし、適用性や責任分担を契約で定めます。
FAQ
Q. 附属書Aの全ての管理策が「不適用」としてもよいですか?
A. 理論上はリスク評価の結果でそう判断することは可能ですが、実務的にはほとんどの組織で何らかの管理策が必要になります。不適用にする場合は十分な根拠と文書化が必須です。
A. 理論上はリスク評価の結果でそう判断することは可能ですが、実務的にはほとんどの組織で何らかの管理策が必要になります。不適用にする場合は十分な根拠と文書化が必須です。
Q. 規格本文(4~10)を部分的に満たしていなければ認証は受けられませんか?
A. はい。これらはISMSの基本要求です。認証を目指す場合は、箇条4~10の要求事項を満たす必要があります。
A. はい。これらはISMSの基本要求です。認証を目指す場合は、箇条4~10の要求事項を満たす必要があります。
Q. 「妥当な理由」の具体例は?
A. スコープ外であること、リスクが存在しない(技術的に不可能、または既に代替策で対応済み)こと、業務上の非該当性(その管理策が業務に関係しない)などが挙げられます。いずれもリスク評価の結果と整合している必要があります。
A. スコープ外であること、リスクが存在しない(技術的に不可能、または既に代替策で対応済み)こと、業務上の非該当性(その管理策が業務に関係しない)などが挙げられます。いずれもリスク評価の結果と整合している必要があります。
関連キーワード: JIS Q 27001、ISMS、附属書A、管理策、適用宣言(Statement of Applicability)、適用除外、リスク評価、規格本文(箇条4~10)

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