情報セキュリティマネジメント 2017年 秋期 午前(科目A) 問37
問題文
利用部門がスプレッドシートを利用した際に、財務データの正確性を損なう誤謬が発生した場合において、当該部門がこれを発見するために有効な統制はどれか。
選択肢
ア:更新する必要のないスプレッドシートは、閲覧用としてロックを掛ける手続
イ:スプレッドシートに入力したデータと入力原票の照合作業を行う手続(正解)
ウ:スプレッドシートの変更申請書に対して、申請者の上長が事前に承認する手続
エ:スプレッドシートを定期的にバックアップする手続
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入力データ照合の統制【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
この問題は、スプレッドシート(表計算ソフト)で生じた財務データの誤謬を「発見する」ための統制を問うています。発見(検出)に直接向くのは、スプレッドシートに入力したデータを元の証票(原票:請求書や伝票などの一次資料)と突き合わせて照合する手続きです。したがって、選択肢イが正解です。
理由をかみ砕くと:
- 照合作業は「入力値が原票と一致しているか」を確認するため、誤入力や転記ミスを直接把握できます。
- 他の選択肢(閲覧ロック、事前承認、バックアップ)は誤りを防ぐ・記録を残す・復旧する役割はあるものの、誤りを能動的に発見する方法ではありません。
解法ステップ
- 問題の目的を確認:誤謬を「発見する」ための統制かを見極める。
- 各選択肢の役割を分類:予防(preventive)、検出(detective)、回復(corrective)。
- 「発見=検出」に該当するのは何かを選ぶ:原票との照合は検出に直結。
- 残りの選択肢が検出にならない理由を確認して除外する。
この流れで、短時間でイを選べます。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 更新不要なスプレッドシートを閲覧用でロックする手続
- ロック(読み取り専用)は誤って変更されることを防ぐ予防策です。既に入力された誤りを検出する手段ではありません。誤りが混入したまま残る可能性があります。
-
イ: スプレッドシートに入力したデータと入力原票の照合作業を行う手続
- 正答。原票と突き合わせることで、転記ミスや桁のずれなどを直接見つけられます。
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ウ: スプレッドシートの変更申請書に対して、申請者の上長が事前に承認する手続
- 事前承認は変更の正当性を確認する予防的統制です。承認者が全ての数値の正確性まで逐一チェックできるとは限らず、誤入力を見落とす可能性があります。発見という観点では不十分です。
-
エ: スプレッドシートを定期的にバックアップする手続
- バックアップはデータの回復(災害・誤削除時の復元)に有効な回復的統制です。誤りを見つける機能は基本的に持ちません。誤りがあった時点の状態を保存するだけで、検出にはならない点に注意。
よくある誤解
-
「ロックや承認があれば誤りは見つかる」
- ロックや承認は誤りを防ぐ効果はあるが、入力ミスや計算ミスを必ず検出するものではありません。発見するためには別途照合や検査が必要です。
-
「バックアップを取っていれば安心」
- バックアップは安心感は与えますが、誤った値を復元してしまえば誤りは残ります。誤りを検出して修正するプロセスが不可欠です。
補足コラム
職場での運用イメージ:
- 実務では、月次の締め時に会計担当が「スプレッドシートの合計」と「請求書や売上伝票の合計」を突き合わせます。違いがあれば、どの行で差異が生じたかを一次資料に戻って調査します。照合作業はチェックリスト化して、誰がいつ照合したかを記録すると監査にも強くなります。
- 大量データの場合は、全件目視より以下の効率化が有効です:
- データ取込時に自動照合(システム間連携)を行う。
- 合計の一致確認(クロスフッティング)や差分抽出の自動化。
- サンプル検査とキーチェック(重要な項目の必須確認)。
技術的な補助例:
- スプレッドシートの関数で「SUM」や「VLOOKUP(検索)」を使って突き合わせを自動化できます。初学者には「合計が一致するかまず確認する」という基本を徹底するだけでも効果大です。
FAQ
Q1: 照合作業はどの頻度で行えば良いですか?
A1: 財務データの重要度と業務頻度によります。日次で取引が多いなら日次照合、月次決算なら月次で全件照合といった具合に、リスクに応じて頻度を決めます。重要な勘定は頻度を高くするのが安全です。
A1: 財務データの重要度と業務頻度によります。日次で取引が多いなら日次照合、月次決算なら月次で全件照合といった具合に、リスクに応じて頻度を決めます。重要な勘定は頻度を高くするのが安全です。
Q2: 人手による照合はミスが起きやすいです。自動化すべきですか?
A2: 可能なら自動化を優先します。システム間でデータ連携し、突き合わせと差分抽出を自動化することで人的ミスを減らせます。ただし自動化にも設定ミスのリスクがあるため、運用開始後の検証が必要です。
A2: 可能なら自動化を優先します。システム間でデータ連携し、突き合わせと差分抽出を自動化することで人的ミスを減らせます。ただし自動化にも設定ミスのリスクがあるため、運用開始後の検証が必要です。
Q3: 照合で差異が見つかったらどうする?
A3: 差異の原因調査を行い、誤入力なら修正して記録します。原因が業務フローや教育不足なら手順やチェックリストを改善し、再発防止策を講じます。
A3: 差異の原因調査を行い、誤入力なら修正して記録します。原因が業務フローや教育不足なら手順やチェックリストを改善し、再発防止策を講じます。
関連キーワード: 財務統制、照合作業、内部統制、データ検証、バックアップ、読み取り専用ロック、自動突合、差分抽出

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