情報セキュリティマネジメント 2017年 秋期 午前(科目A) 問36
問題文
大規模なシステム開発を受注したA社では、不足する開発要員を派遣事業者であるB社からの労働者派遣によって補うことにした。A社の行為のうち、労働者派遣法に照らして適切なものはどれか。
選択肢
ア:システム開発が長期間となることが予想されるので、開発要員の派遣期間を3年とする契約を結ぶ。(正解)
イ:派遣候補者の履歴書及び業務経歴書の提出をB社に求め、書類選考を行い、面接対象者を絞り込む。
ウ:派遣された要員が大きな作業負担を負うことが見込まれるので、B社に20代男性の派遣を依頼する。
エ:派遣労働者がA社の指揮命令に対して申し立てた苦情に自社で対応せず、その処理をB社に任せる。
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労働者派遣の期間制限【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
A社が行った行為のうち、派遣期間を「3年」とする契約は許容されます。これは、労働者派遣(派遣:派遣元の事業者が労働者を雇用し、他社で働かせる仕組み)において、同一の派遣先で同じ業務につく派遣労働者の受け入れについて、法令上の上限(概ね3年)が設けられているためです。したがって、3年という期間設定は法の枠内であり、問題ありません(本文では正解選択肢を ア として示しています)。
解法ステップ
- まず「その行為が労働者派遣法上で許されているか」を基準にする。主な判断ポイントは「期間制限」「選考・指示の範囲」「差別の禁止」「苦情対応・安全配慮義務」。
- 各選択肢を上の観点で検討する。
- 法令で明確に禁止・制限されている行為は誤り。法で認められる範囲内の行為は適切と判断する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 派遣期間を3年とする契約
- 解説: 法令で同一部署での継続就業に対して上限年数が定められており、3年は一般的に許容される上限の目安です。よって適切です(契約上の扱いは派遣契約書で明記し、必要に応じて派遣元と調整します)。
- イ: 履歴書・経歴書の提出をB社に求め、A社が書類選考・面接で絞り込む
- 解説: 派遣元(B社)が雇用主体であるため、原則として派遣先(A社)が直接的に個々の応募者を選考する行為は制限されます。派遣先は必要な技能・経験の条件を提示できますが、直接の選考・面接や採否決定を派遣先側が行うことは基本的に認められません(派遣元が選考して派遣するのが原則)。よって不適切。
- ウ: 大きな作業負担なので20代男性の派遣を依頼する
- 解説: 年齢や性別による限定は差別に当たります。労働契約や派遣において性別・年齢だけで人を指定することは不適切で、禁止される場合があります。職務に必要な能力・資格・体力要件を提示することは可能ですが、単に「20代男性」とするのは差別的です。
- エ: 派遣労働者がA社の指揮命令に関する苦情をA社が対応せずB社に任せる
- 解説: 派遣先にも労働者に対する安全配慮義務や職場での指揮命令に関する責任があります。苦情が発生した場合、派遣先は自社で対応・調整する責務があり、全てを派遣元に丸投げすることは適切ではありません。
よくある誤解
- 「派遣先は一切面接できない」
→ 完全に禁止というより、派遣先が直接的に雇用判断をしてしまうと雇用関係の所在が曖昧になるため制限されます。職務の必要条件や技能確認は可能ですが、選考の実行は派遣元の役割です。 - 「3年を超えたら必ず違法」
→ 同一の業務・同一の部署で継続する場合は上限の対象となることが多いですが、業務内容や契約形態によって取り扱いが変わります。超過後の対応(直接雇用の検討や配置転換等)も重要です。
補足コラム
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派遣元・派遣先の役割イメージ
- 派遣元(B社):労働者を雇用し、給与支払いや労働契約の管理、社会保険の手続きなどを行う主体。
- 派遣先(A社):実際の業務指示や作業場所を提供し、職場の環境管理・指示を行う主体。
両者はそれぞれの責任を持ちます。実務では「どちらが何を対応するか」を派遣契約書で明確にし、苦情対応フローを社内規定にしておくと安心です。
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実務的な対応例(職場での運用)
- 契約時に「想定業務」「期間」「労働時間」「安全配慮の取扱い」「苦情連絡先」などを明記する。苦情が来たら派遣先はまず受け止め、必要に応じて派遣元と協議して速やかに解決します。
FAQ
Q. 期間を3年にした後、同じ人をさらに使いたい場合は?
A. まず派遣契約と法の上限を確認します。上限を超えて同じ職場で継続させる場合は、配置転換や直接雇用、別の派遣形態への切り替えなど、法に沿った対応が必要です。人事担当と派遣元で協議してください。
A. まず派遣契約と法の上限を確認します。上限を超えて同じ職場で継続させる場合は、配置転換や直接雇用、別の派遣形態への切り替えなど、法に沿った対応が必要です。人事担当と派遣元で協議してください。
Q. 性別や年齢で指定すると必ず違法ですか?
A. 原則として差別につながるので避けるべきです。職務に「どうしても必要な条件(例:重い荷物の運搬で一定の体力が必要)」がある場合は、性別や年齢ではなく能力・体力の要件で示すべきです。
A. 原則として差別につながるので避けるべきです。職務に「どうしても必要な条件(例:重い荷物の運搬で一定の体力が必要)」がある場合は、性別や年齢ではなく能力・体力の要件で示すべきです。
Q. 履歴書の情報は全く見られないのですか?
A. 派遣先が求めるスキル・資格の確認のために、派遣元が履歴情報を基に選定することはあります。しかし、派遣先が直接の選考(面接や採否決定)を行うと、雇用責任の所在が不明瞭になるため制限されます。運用上は、派遣元が選定し、派遣先は職務要件を明確に提示する形が一般的です。
A. 派遣先が求めるスキル・資格の確認のために、派遣元が履歴情報を基に選定することはあります。しかし、派遣先が直接の選考(面接や採否決定)を行うと、雇用責任の所在が不明瞭になるため制限されます。運用上は、派遣元が選定し、派遣先は職務要件を明確に提示する形が一般的です。
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