情報セキュリティマネジメント 2017年 秋期 午前(科目A) 問35
問題文
インストール台数を条件とするソフトウェアライセンスに基づき、法人でPC100台分のソフトウェアXのライセンスを購入し、ライセンス分のインストールを実施した。その後の対応で使用許諾契約を遵守しているものはどれか。
選択肢
ア:PC10台を他部署へ移動させたが、ディスク内のソフトウェアXは消去せず、移動先でそのまま使用した。(正解)
イ:新規にPC10台を購入し、ソフトウェアXをインストールしたが、ライセンスの追加購入はしなかった。
ウ:ソフトウェアXが販売停止となったので、ライセンス使用状況の管理を中止し、自由にインストールできるようにした。
エ:ソフトウェアXを、PC100台を超えてインストールしたが、同時に利用しているPCを100台以下にした。
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インストール台数ライセンス【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
本問では、ソフトウェアの使用条件が「インストール台数を条件とするライセンス」と明記されています。法人がPC100台分のライセンスを購入し、実際に100台へインストールしている状態で、PCを部署間で移動させてもインストール済みの台数は変わりません。したがって、移動先でそのまま使う行為はライセンス数内での利用に該当します。よって、アが正解です。
補足:ここでいう「使用許諾契約」はEULA(End User License Agreement:使用許諾契約)を指します。EULAの条項により例外がある場合もあるため、社内運用では契約内容の確認が必要です。
解法ステップ
- ライセンスの種類を確認する(今回は「インストール台数制限」)。
- 実際のインストール台数を数える(問題文では100台)。
- 各選択肢が「インストール台数」にどのように影響するかを考える。
- 「インストール台数を超える」かどうかで合否を判断する。
- 必要ならEULAの細則(譲渡可否、再インストール時の扱いなど)を確認する。
短く言うと、「何を数えるか(ここではインストール数)」を明確にして、それを増やす行為かどうかを見ればよい、ということです。
選択肢別の誤答解説
- ア: PC10台を他部署へ移動させたが、ディスク内のソフトウェアXは消去せず、移動先でそのまま使用した。
→ インストール台数は移動によって増えないため、契約の範囲内の利用です。社内での移転や貸与は通常問題になりません(ただしEULAで「台数ごと」ではなく「ユーザごと」や譲渡禁止の条項があれば別)。 - イ: 新規にPC10台を購入し、ソフトウェアXをインストールしたが、ライセンスの追加購入はしなかった。
→ インストール台数が100→110台に増えるため、ライセンス違反。追加購入か未使用PCからの移行が必要です。 - ウ: ソフトウェアXが販売停止となったので、ライセンス使用状況の管理を中止し、自由にインストールできるようにした。
→ 管理を止めても契約は残ります。販売停止は契約の自動消滅を意味しないため、無断でインストールを増やすと違反です。管理停止は法的免責になりません。 - エ: ソフトウェアXを、PC100台を超えてインストールしたが、同時に利用しているPCを100台以下にした。
→ 「インストール台数を条件とする」ライセンスはインストール数で制限するため、同時利用数を下げてもインストール自体が上回っていれば違反です。これは「同時接続数(同時利用)ライセンス」との違いです。
よくある誤解
- 「同時に使っていなければOK」:同時利用が基準のライセンス(concurrent license)でない限り通用しません。今回の問題はインストール台数が基準です。
- 「管理をやめれば黙認される」:管理を止めても契約違反は消えません。監査で発覚したらペナルティや追加購入を求められます。
- 「移動=新規インストール」ではない:ハードをそのまま移動するだけならインストール数は変わりません。ただし、移動先で別の新規PCへ再インストールしたら台数が増えます。
補足コラム
実務では「ソフトウェア資産管理(SAM:Software Asset Management)」を行い、インストール台数やライセンス証憑(購入証明)を記録します。SAMの実例:
- 購入台数、シリアル、インストール先をCSVや専用ツールで管理。
- PCの廃棄や譲渡時にソフトをアンインストール/ライセンス移転の記録を残す。
こうした運用があるとベンダー監査に備えやすく、無駄な追加購入を防げます。
職場イメージ:総務でPCを配布・移動するときに、ソフトライセンス台帳を更新するだけで問題の多くは防げます。
FAQ
Q1: PCを入れ替えて旧機から新機へソフトを移すときはどうする?
A1: 多くのEULAでは物理機の置換は許容されることが多いですが、メーカーごとにルールが異なります。必ずEULAを確認し、必要ならライセンス移転手続きを行って記録を残してください。
A1: 多くのEULAでは物理機の置換は許容されることが多いですが、メーカーごとにルールが異なります。必ずEULAを確認し、必要ならライセンス移転手続きを行って記録を残してください。
Q2: 仮想マシンにインストールする場合はどう数える?
A2: EULAで「インストール台数」をどう定義しているか確認します。仮想環境では物理CPUやコア数、仮想マシン数、接続ユーザ数でカウントする製品もあります。
A2: EULAで「インストール台数」をどう定義しているか確認します。仮想環境では物理CPUやコア数、仮想マシン数、接続ユーザ数でカウントする製品もあります。
Q3: 監査で過剰インストールが見つかったら?
A3: まずは過剰分をアンインストールするか、ベンダーと協議して追加ライセンスを購入します。監査対応の記録と改善計画を提示すると交渉が有利になる場合があります。
A3: まずは過剰分をアンインストールするか、ベンダーと協議して追加ライセンスを購入します。監査対応の記録と改善計画を提示すると交渉が有利になる場合があります。
Q4: OEMプリインストールソフトはどう扱う?
A4: OEM(Original Equipment Manufacturer:相手先ブランド)版はハードに紐づく場合が多く、移動や再利用が制限されることがあります。契約内容を確認してください。
A4: OEM(Original Equipment Manufacturer:相手先ブランド)版はハードに紐づく場合が多く、移動や再利用が制限されることがあります。契約内容を確認してください。
関連キーワード: ライセンス管理、インストール台数ライセンス、EULA(End User License Agreement:使用許諾契約)、ソフトウェア資産管理(SAM:Software Asset Management)

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