情報セキュリティマネジメント 2017年 秋期 午前(科目A) 問40
問題文
監査調書の説明はどれか。
選択肢
ア:監査人が行った監査手続の実施記録であり、監査意見の根拠となる。(正解)
イ:監査人が監査の実施に当たり被監査部門に対して提出する、情報セキュリティに関する誓約書をまとめたものである。
ウ:監査人が監査の実施に利用した基準書、ガイドラインをまとめたものである。
エ:監査人が正当な注意義務を払ったことを証明するために、監査報告書とともに公表するよう義務付けられたものである。
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監査調書【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
監査調書は、監査人(auditor:監査を行う人)が実際に行った監査手続(audit procedures:監査で行う調査・検査の方法)と、その結果得られた監査証拠(audit evidence:監査の根拠となる記録や資料)を記録した文書・記録です。これにより監査人は監査意見の根拠を示せます。したがって、選択肢のうち監査手続の実施記録であり監査意見の根拠となるもの、すなわち ア が正しい説明です。
(補足)監査報告書(audit report:監査結果を要約し意見を示す文書)は監査調書を基に作られますが、報告書自体は要約・対外公表用です。監査調書は詳細な「作業記録」である点が重要です。
解法ステップ
- 問題文のキーワード「監査調書」をまず用語として確認する。
- 意味:監査の作業記録(working papers)であるかをチェックする。
- 各選択肢を「監査調書の定義」と照らし合わせる。
- 「実施記録で根拠となる」→監査調書の定義に合致。
- 「誓約書」「基準書」「公表義務」などは監査調書の性質と違う点を確認。
- 最も定義に一致する選択肢を選ぶ(ここでは ア)。
選択肢別の誤答解説
- ア:正しい。監査人が行った監査手続と得られた証拠を記録し、監査意見の根拠となる内部文書である。
- イ:誤り。被監査部門が提出する誓約書は「被監査者の宣誓・確認書」であり、監査人の作業記録である監査調書とは別物。
- ウ:誤り。監査で利用する基準書やガイドラインは参考資料やチェックリストであり、監査調書は実際の「実施記録」を指す。
- エ:誤り。監査調書は内部的な証拠文書であり、監査報告書とともに公表することが義務付けられているわけではない。多くの場合、第三者に無断で公開しない機密性がある。
よくある誤解
- 監査報告書と監査調書を混同する
- 誤りの原因:どちらも「監査に関する文書」だが、役割が違う(調書=作業記録、報告書=結果と意見の提示)。
- 監査調書は必ず公開されると思い込む
- 実際は通常は内部保管で、開示は限定的(法的要求や監査委員会など正当な理由がある場合のみ)。
- 監査調書は単なるチェックリストだと思う
- 実際にはチェック結果の記録、得られた証拠の写し、結論の根拠、日時・担当者の記録など詳細な証拠群である。
補足コラム
監査調書の中身は次のような項目が含まれます(職場でのイメージ)。
- 監査の目的・範囲(何をどこまで調べたか)
- 実施した監査手続の詳細(誰がいつ何をしたか)
- 得られた証拠(書類の写し、ログ、インタビュー記録など)
- 発見事項と結論、推薦事項(是正や改善の指摘)
- 作成者の名前・日付・承認印や電子署名
運用面の注意点:
- 機密性を保ち、関係者以外の閲覧は制限する。
- 保存期間は法令や社内規程で定められる。一般には数年単位で保管されることが多い。
- 訴訟や説明責任に備えて、改ざんできない形(電子署名や監査ログ)で保管することが望ましい。
FAQ
Q1: 監査調書は誰が作るのですか?
A1: 監査人(内部監査担当者や外部監査人)が作成します。被監査部門は協力して資料を提供しますが、調書そのものは監査人の作業記録です。
A1: 監査人(内部監査担当者や外部監査人)が作成します。被監査部門は協力して資料を提供しますが、調書そのものは監査人の作業記録です。
Q2: 監査調書はどれくらい保存しますか?
A2: 保存期間は法令・業界基準・社内規程に従います。一般的には監査対象の重要性や法的要求に応じて数年〜十年程度のこともあります。
A2: 保存期間は法令・業界基準・社内規程に従います。一般的には監査対象の重要性や法的要求に応じて数年〜十年程度のこともあります。
Q3: 監査報告書と監査調書はどちらが公開されますか?
A3: 監査報告書は関係者や場合によっては外部に提出・共有されます。監査調書は内部の証拠文書で、通常は限定公開です。
A3: 監査報告書は関係者や場合によっては外部に提出・共有されます。監査調書は内部の証拠文書で、通常は限定公開です。
Q4: 監査調書は証拠として法的に有効ですか?
A4: はい。作成時の正確さ・保存方法・改ざん防止の体制が整っていれば、説明責任や訴訟で重要な証拠になります。
A4: はい。作成時の正確さ・保存方法・改ざん防止の体制が整っていれば、説明責任や訴訟で重要な証拠になります。
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