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情報セキュリティマネジメント 2017年 春期 午前(科目A)02


問題文

経済産業省とIPAが策定した“サイバーセキュリティ経営ガイドライン(Ver1.1)”が、自社のセキュリティ対策に加えて、実施状況を確認すべきとしている対策はどれか。

選択肢

自社が提供する商品及びサービスの個人利用者が行うセキュリティ対策
自社に出資している株主が行うセキュリティ対策
自社のサプライチェーンのビジネスパートナが行うセキュリティ対策(正解)
自社の事業所近隣の地域社会が行うセキュリティ対策

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サプライチェーンのセキュリティ【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

経済産業省とIPA(独立行政法人情報処理推進機構:Information-technology Promotion Agency)は、企業のサイバーリスクは自社だけで完結しないとして、取引先や外部委託先など「サプライチェーン(製品・サービスを提供するために関わる企業や流通経路)」のセキュリティ対策の実施状況を確認することを求めています。
したがって、選択肢の中で当該の趣旨に該当するのは (自社のサプライチェーンのビジネスパートナが行うセキュリティ対策)です。サプライチェーン上の業者が攻撃を受けると、自社の製品・サービスや機密情報が間接的に侵害されるため、相手側の対策状況を把握・管理する必要があります。

解法ステップ

  1. 問いが「誰の対策を確認すべきか」を問うている点を押さえる。
  2. 問題文にあるガイドラインの目的を思い出す:「自社のセキュリティだけでなく、外部依存を含めてリスクを管理する」。
  3. 各選択肢を「自社の事業へのリスク伝播」の観点で検討する。
    • 直接的に自社の業務や提供物に影響を与える対象が正解に近い。
  4. 「サプライチェーンのビジネスパートナ」が最も該当するので選ぶ()。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 自社が提供する商品及びサービスの個人利用者が行うセキュリティ対策
    個人利用者(顧客)のセキュリティは重要ですが、ガイドラインが特に「自社の事業継続や提供するサービスの安全を守るため」に確認を求めているのは、外部で自社と連携する事業者(サプライチェーン)側です。顧客側は基本的に自分の責任領域です。
  • イ: 自社に出資している株主が行うセキュリティ対策
    株主は所有者や投資家であり、直接的に自社の業務を支える技術的接続やサービス提供を行う立場ではないため、ガイドラインの確認対象には当たりません(ただし大株主が業務委託先であれば別)。
  • : 自社のサプライチェーンのビジネスパートナが行うセキュリティ対策
    正解。サプライチェーン上のベンダーや委託先が脆弱だと、自社のシステムや顧客情報が被害を受ける可能性が高いため、実施状況の確認が必要です。
  • エ: 自社の事業所近隣の地域社会が行うセキュリティ対策
    地域社会(住民や自治体)の一般的なセキュリティ対策は社会インフラの観点で重要ですが、ガイドラインが対象とする「自社の事業継続に直接影響する外部関係者」は主に取引先や委託先などのサプライチェーンです。

よくある誤解

  1. 「委託したら責任は委託先に移る」と考える誤解
    • 実務上、外部に委託しても最終的な情報管理責任は発注元(自社)に残ります。だからこそ委託先の対策確認が必要です。
  2. 「サプライチェーン対策=大手取引先だけ確認すれば良い」と思う誤解
    • 規模が小さくても、重要な業務や権限を持つ下請けが穴になることがあります。重要度に応じて評価・監査を行います。
  3. 「技術的監査だけで十分」という誤解
    • 契約条件、運用手順、インシデント通知の仕組みなど運用面の確認も不可欠です。

補足コラム

実務での具体的な運用イメージ(簡潔):
  • サプライチェーン一覧化(どの業者が何をしているかを可視化)。
  • 重要度に応じたリスクランク付け(機密性が高い、システム接続がある、事業継続に影響する等)。
  • 契約書でセキュリティ要件を明記(アクセス制御、ログ保管、インシデント通報期限など)。
  • セキュリティ自己評価シートや第三者監査、必要なら現地監査の実施。
  • 継続的モニタリング:定期的な評価・改善フォロー。
    技術面ではISO/IEC 27001(情報セキュリティ管理の国際規格)等の認証を参考にすることが多いですが、認証があるだけで安心せず、実運用を確認することが重要です。

FAQ

Q1: 取引先のセキュリティ改善を強制できますか?
A1: 完全強制は難しいですが、契約や発注条件としてセキュリティ要件を明記し、履行しなければ契約解除や改善要求を行えるようにします。支払条件や入札資格にすることも有効です。
Q2: 中小企業との取引はどう評価すればよいですか?
A2: 規模で一律に判断せず「その取引が自社に与える影響」を基準に評価します。影響が大きければ簡易チェックリストやコストに見合った監査を行います。
Q3: どの程度の頻度で確認するべきですか?
A3: 重要度によるが、重要度高は年1回以上+重大な変更時、低なら契約更新時や3年に1回程度が目安です。

関連キーワード: サイバーセキュリティ経営, サプライチェーンリスク, ベンダー管理, サードパーティ管理, 供給網セキュリティ, ISO/IEC 27001, 委託先監査
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