情報セキュリティマネジメント 2017年 春期 午前(科目A) 問10
問題文
情報セキュリティにおけるタイムスタンプサービスの説明はどれか。
選択肢
ア:公式の記録において使われる全世界共通の日時情報を、暗号化通信を用いて安全に表示するWebサービス
イ:指紋、声紋、静脈パターン、網膜、虹彩などの生体情報を、認証システムに登録した日時を用いて認証するサービス
ウ:電子データが、ある日時に確かに存在していたこと、及びその日時以降に改ざんされていないことを証明するサービス(正解)
エ:ネットワーク上のPCやサーバの時計を合わせるための日時情報を途中で改ざんされないように通知するサービス
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タイムスタンプサービス【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
電子データが「ある日時に確かに存在していたこと」と「その日時以降改ざんされていないこと」を証明するのがタイムスタンプサービスです。これは、データのハッシュ(データの特徴を短い固定長にした値)を第三者機関が受け取り、その受領時刻をデジタル署名して返す仕組みで、後からその署名とハッシュを検証することで「その日時にそのデータが存在した」「以後改ざんされていない」と示せます。選択肢の中では ウ がこの機能を正確に表しています。
※補足:TSA(Time Stamping Authority:タイムスタンプ局)は、そのタイムスタンプに対してデジタル署名を付与する信頼できる第三者機関のことです。
解法ステップ
- 問題が何を証明するサービスかを短くまとめる:存在の証明と改ざんの有無。
- 各選択肢のキーワードを確認する:
- 「日時情報を安全に表示」→ 表示の話。証明ではない。
- 「生体情報を登録した日時で認証」→ 生体認証の話。タイムスタンプではない。
- 「存在と改ざんの証明」→ まさにタイムスタンプの機能。
- 「時計合わせを改ざん防止」→ 時刻同期(例:NTP)の話で、証拠性は担保しない。
- 機能が一致する選択肢を選ぶ → ウ を選択。
選択肢別の誤答解説
- ア: 「全世界共通の日時情報を安全に表示するWebサービス」とあるが、これは時刻の取得や表示の話であり、データの存在・非改ざんを証明する機能ではありません。時刻提供サービスとタイムスタンプは別物です。
- イ: 生体情報(指紋・声紋など)を認証する仕組みで、利用者の認証に関わります。タイムスタンプはデータの存在証明であり、生体認証とは目的が異なります。
- ウ: 正解。データのハッシュに日時を付けて第三者が署名することで「その日時に存在した」「以後改ざんされていない」ことを示します。
- エ: ネットワーク上のPCやサーバの時計を合わせるサービス(例:NTP:Network Time Protocol:ネットワーク時刻同期プロトコル)は時刻同期が目的です。時刻の改ざんを検出・証明するサービスではないため、証拠性は確保されません。
よくある誤解
- タイムスタンプは「時刻を配るだけ」だと思う:時刻配布(NTP)と混同しやすいですが、タイムスタンプは「特定のデータがその時点で存在したことを証明するための署名付きトークン」を発行します。
- タイムスタンプ=電子署名ではない:電子署名は作成者の成りすまし防止と改ざん検知のためにデータに署名する仕組みです。タイムスタンプはデータの存在時刻に対する第三者の署名で、電子署名と併用されることが多いです。
- タイムスタンプは永久に有効だと思う:タイムスタンプ自体の検証には署名鍵の有効性や署名アルゴリズムの耐性が関係します。長期保存のためには追加の処理(リタイムスタンプ、長期署名など)が必要です。
補足コラム
- 実務での使いどころ:電子契約、電子文書(請求書・納品書)、ログやソースコードの証拠保全などで使われます。例えば契約書のPDFにタイムスタンプを付けておけば、「この契約書はこの日時に存在していた」ことを後で示せます。
- 仕組みの簡単な流れ:
- 文書のハッシュを作成(ハッシュ関数:データの「指紋」を作る)
- ハッシュをタイムスタンプ局(TSA)に送る
- TSAが受領時刻を付けてハッシュにデジタル署名し、タイムスタンプトークンを返す
- 将来、元の文書のハッシュとトークンを照合して検証する
- 規格:RFC 3161(Time-Stamp Protocol)などの標準があります。TSAは通常、信頼できる認証局(CA:Certificate Authority:認証局)と関連して運用されます。
- 運用上の注意:TSA選定、タイムスタンプトークンの保管、署名鍵の管理(失効・移行)を運用ルールに含めておくとよいです。
FAQ
Q. タイムスタンプだけで「誰が作ったか」も証明できますか?
A. 基本的にタイムスタンプは「いつ存在したか」と「以後改ざんされていないか」を示します。作成者の証明(誰が作成したか)は電子署名など別の手段が必要です。両者は組み合わせて使うのが一般的です。
A. 基本的にタイムスタンプは「いつ存在したか」と「以後改ざんされていないか」を示します。作成者の証明(誰が作成したか)は電子署名など別の手段が必要です。両者は組み合わせて使うのが一般的です。
Q. 自分の会社で簡単に使えるサービスはありますか?
A. クラウド型のタイムスタンプサービスや、PDF作成ソフトに組み込まれたタイムスタンプ機能があります。選ぶ際はTSAの信頼性、保存方法、コストを確認してください。
A. クラウド型のタイムスタンプサービスや、PDF作成ソフトに組み込まれたタイムスタンプ機能があります。選ぶ際はTSAの信頼性、保存方法、コストを確認してください。
Q. タイムスタンプは改ざん検出と同じですか?
A. はい。ただし改ざんを検出するには、元のデータのハッシュとタイムスタンプトークンを比較検証する必要があります。タイムスタンプ自体が改ざんされないように署名されています。
A. はい。ただし改ざんを検出するには、元のデータのハッシュとタイムスタンプトークンを比較検証する必要があります。タイムスタンプ自体が改ざんされないように署名されています。
関連キーワード: タイムスタンプ, TSA(タイムスタンプ局), ハッシュ, デジタル署名, タイムスタンプトークン, NTP(時刻同期), 改ざん検知, RFC3161

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