情報セキュリティマネジメント 2017年 春期 午前(科目A) 問21
問題文
ソーシャルエンジニアリングに該当するものはどれか。
選択肢
ア:オフィスから廃棄された紙ごみを、清掃員を装って収集して、企業や組織に関する重要情報を盗み出す。(正解)
イ:キー入力を記録するソフトウェアを、不特定多数が利用するPCで動作させて、利用者IDやパスワードを窃取する。
ウ:日本人の名前や日本語の単語が登録された辞書を用意して、プログラムによってパスワードを解読する。
エ:利用者IDとパスワードの対応リストを用いて、プログラムによってWebサイトへのログインを自動的かつ連続的に試みる。
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ソーシャルエンジニアリング【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
選択肢の中で人の心理や立場を利用して情報を引き出す行為は、アです。ソーシャルエンジニアリングとは、人をだまして機密情報を得たり、物理的なアクセスを得たりする手法を指します。アは「清掃員を装って廃棄物から重要情報を回収する」という、人の信用(清掃員であるという外見・振る舞い)を利用した典型的な手口であり、これがまさにソーシャルエンジニアリング(例:ダンプスターダイビング=破棄物漁り)です。
解法ステップ
- 「人のだまし・偽装」が関係しているかを探す。
- 人を装う、声でだます、偽の文脈を作る、尾行して入室するなど。
- 攻撃に使われる手段が「人を操作する行為」か「技術的ツール(マルウェア・自動プログラム)」かを区別する。
- 人の行動を直接誘導する→ソーシャルエンジニアリング。
- ソフトウェアで自動的に奪う→技術的攻撃(マルウェア、辞書攻撃、ブルートフォース等)。
- 選択肢を一つずつ当てはめる。人の信用や偽装が鍵の選択肢を正答とする。
試験では「人をだます」「なりすます」「尾行して入る」「廃棄物から情報を取る」などの文言があればソーシャルエンジニアリングを疑いましょう。
選択肢別の誤答解説
- ア: 正解。清掃員を装って廃棄物から情報を得る行為は、偽装(なりすまし)と人の心理を利用した情報収集で、ソーシャルエンジニアリングに該当します(ダンプスターダイビング)。
- イ: 誤り。キー入力を記録するソフトウェアは「キーロガー(キー入力を記録する不正プログラム)」による攻撃で、マルウェアを使った技術的手法です。人をだます行為が中心ではありません。
- ウ: 誤り。辞書を使ってパスワードを試す行為は「辞書攻撃(dictionary attack:既知の単語を順に試す総当たりの一種)」で、技術的な暗号解析・総当たり攻撃に分類されます。
- エ: 誤り。利用者IDとパスワードの対応リストを使って自動でログインを試すのは「クレデンシャルスタッフィング(credential stuffing:漏洩情報を流用する攻撃)」や「ブルートフォース(総当たり)攻撃」で、プログラムによる自動化された技術的攻撃です。
よくある誤解
- 「ソーシャルエンジニアリング=メールのフィッシングだけ」と考える誤り。フィッシングは一例で、対面でのなりすまし、電話詐称(vishing)、廃棄物回収など多様です。
- 「技術的手法と混同する」こと。例えばUSBを置いて誘導する手口は、道具(USB)を使うが、そこに人を誘導する仕掛け(『これを差し込んで開いて』など)があればソーシャルエンジニアリングの要素が強い、と切り分けが必要です。
補足コラム
ソーシャルエンジニアリングは「人の信頼を利用する攻撃」です。被害は機密情報の流出だけでなく、不正アクセスや機器紛失を招きます。現場でできる対策は次の通りです。
- 廃棄文書はシュレッダーで裁断する(細断処理)。
- 「来訪者管理」や入退室記録の徹底。清掃員など業者は事前登録・身分確認を行う。
- 社員教育で「不用意にIDやパスワードを教えない」「見知らぬ人の指示に従わない」を徹底する(具体的な例を示すと効果的)。
- 機密情報は必要最低限のみ紙で扱い、電子データもアクセス制限・二要素認証を導入する。
職場での運用イメージ:清掃業者の出入りは総務が管理し、名札・IDで身分確認。廃棄文書は各部で裁断ボックスに廃棄し、廃棄は業者に委託する場合も委託先管理(業務委託の契約で守秘義務・監査)を行います。
FAQ
Q: 廃棄された書類を勝手に持ち出されるだけでもソーシャルエンジニアリングですか?
A: はい。人の「不用意な処理(ゴミに捨てる)」という行動を利用する点で、物理的なソーシャルエンジニアリング(ダンプスターダイビング)に該当します。
A: はい。人の「不用意な処理(ゴミに捨てる)」という行動を利用する点で、物理的なソーシャルエンジニアリング(ダンプスターダイビング)に該当します。
Q: 電話で「社内のシステム管理者です」と言われてパスワードを聞かれたらどうする?
A: 直接教えてはいけません。まず上司や総務に確認する、本人確認を求める、公式な手続きを通すなどルールに従って対応します。これが詐称(pretexting)対策になります。
A: 直接教えてはいけません。まず上司や総務に確認する、本人確認を求める、公式な手続きを通すなどルールに従って対応します。これが詐称(pretexting)対策になります。
Q: 技術的攻撃と人をだます攻撃が混ざった場合は?
A: 多くの攻撃は複合型です。人をだましてマルウェアを仕込ませるなど。試験では設問の中心となる「主に人の心理操作か技術的手法か」を見極めて選びます。
A: 多くの攻撃は複合型です。人をだましてマルウェアを仕込ませるなど。試験では設問の中心となる「主に人の心理操作か技術的手法か」を見極めて選びます。
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