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情報セキュリティマネジメント 2017年 春期 午前(科目A)22


問題文

ディジタル署名に用いる鍵の組みのうち、適切なものはどれか。
情報セキュリティマネジメント 2017年 春期 午前(科目A) 問22の選択肢の画像

選択肢

(正解)

🔒 解説は解答すると表示されます

デジタル署名の鍵ペア【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

デジタル署名は、署名者が作成したこと(真正性)とデータが改ざんされていないこと(完全性)、さらに署名者が否認できないこと(非否認)を示すために使います。その仕組みは公開鍵暗号(公開鍵暗号方式、asymmetric cryptography)に基づきます。ここでは署名の作成に署名者の秘密鍵(秘密鍵:private key)を用い、検証に対応する公開鍵(公開鍵:public key)を用います。つまり選択肢の組み合わせが正しいです。
理由を平たく言うと、秘密鍵は本人だけが持つ「押印するための鍵」で、公開鍵は誰でも使える「押印を確かめるための鍵」です。公開鍵を持つ人は署名がその秘密鍵で作られたかどうか確認できますが、公開鍵から秘密鍵を逆算するのは実用上不可能です。これにより、署名した本人しか作れない署名を第三者が検証できる仕組みが成り立ちます。
(補足用語)
  • 共通鍵(対称鍵、symmetric key):同じ鍵で暗号化・復号する方式。署名の非否認性を得られないためデジタル署名には使わない。

解法ステップ

  1. 「デジタル署名で何を実現したいか」を確認する(真正性・完全性・非否認)。
  2. 「非否認」を得るには署名を作れるのは特定の者だけである必要があると理解する。
  3. 公開鍵暗号のルールを思い出す:秘密鍵で作成(sign)、対応する公開鍵で検証(verify)。
  4. 選択肢を見て、「作成=秘密鍵、検証=公開鍵」になっている行を選ぶ(今回が)。

選択肢別の誤答解説

  • ア(作成:共通鍵 / 検証:秘密鍵)
    共通鍵(対称鍵)は同じ鍵で暗号化と復号を行う方式です。共通鍵を署名に使うと、鍵を持つ全員が同じ操作を行えるため「誰が作ったか」を証明できず非否認性が成立しません。加えて検証に秘密鍵を使うという逆転も意味をなさない。
  • イ(作成:公開鍵 / 検証:秘密鍵)
    公開鍵は誰でも入手可能な鍵です。公開鍵で「作成」してしまうと、誰でも同じことができるため署名の意味が失われます。さらに検証に秘密鍵を使うと、検証できるのは秘密鍵を知っているごく限られた者だけになり、運用に合いません。
  • ウ(作成:秘密鍵 / 検証:共通鍵)
    署名作成に秘密鍵を使う点は合っていますが、検証に共通鍵(対称鍵)を用いると、検証できる人が共通鍵を共有している必要があります。多人数が検証する場面では適さず、また共通鍵を持つ誰でも偽造可能になるため非否認性が保てません。
  • エ(作成:秘密鍵 / 検証:公開鍵)
    秘密鍵で署名を作り、対応する公開鍵で検証する典型的なデジタル署名の運用です。よって正答です。ここでのポイントは「秘密鍵は厳重に管理する」「公開鍵は配布して検証に使う」という運用ルールです。

よくある誤解

  • 「公開鍵で暗号化すれば署名になる」
    公開鍵で暗号化するのは送信者が受信者だけに読ませたいときの手段(暗号化)で、署名は逆に発信者の秘密鍵で処理します。目的が違う点を混同しやすいので注意してください。
  • 「共通鍵でも署名はできる」
    共通鍵は相手と共有しているため、後で『どちらが作ったか』の争いが起きても非否認性を担保できません。署名には公開鍵暗号が必要です。

補足コラム

  • 実務での運用イメージ
    会社で電子文書に署名する場合、従業員には個人用の秘密鍵をスマートカードやUSBトークン、またはHSM(Hardware Security Module:鍵を安全に保管・処理する専用装置)に格納して配布します。公開鍵は社内のディレクトリや証明書(電子証明書)として配布し、受け取った側はその公開鍵で署名を検証します。証明書を発行・管理する仕組みはPKI(Public Key Infrastructure:公開鍵基盤)と呼ばれます。
  • なぜ非否認性が重要か
    書類の押印に例えると、秘密鍵は印鑑の印影を押す行為、公開鍵は押印が正規の印影かを照合する印鑑鑑定のような役割です。取引の証拠を残すために、署名の非否認性はビジネス上非常に重要です。

FAQ

Q. デジタル署名と電子暗号化の違いは?
A. デジタル署名は「誰が作ったか」と「改ざんがないか」を示すために使います。暗号化は「第三者に見られないようにする」ことが目的です。公開鍵暗号では用途に応じて秘密鍵/公開鍵の使い分けが変わります。
Q. 公開鍵はどこまで公開して良い?
A. 公開鍵自体は誰でも知ってよい情報です。ただしその公開鍵が本当にその人物のものであることを証明するために、証明書(CAが発行する電子証明書)を使って正当性を確認します。
Q. 秘密鍵を失くしたら?
A. 秘密鍵が漏えいまたは紛失したら直ちにその鍵の証明書を失効(リボーク)し、新しい鍵ペアを発行します。運用規程で期限・更新・失効手順を定めておきましょう。

関連キーワード: デジタル署名、公開鍵暗号、秘密鍵、共通鍵(対称鍵)、非否認性、PKI、電子署名、HSM
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