情報セキュリティマネジメント 2017年 春期 午前(科目A) 問44
問題文
ホットスタンバイ方式を採用したシステム構成の特徴はどれか。
選択肢
ア:現用系が故障すると、現用系に対応した待機系に手動で切り替える。正常時には、待機系をバッチジョブに利用できるので、高いシステム稼働率が実現できる。
イ:現用系が故障すると、動作状態にある待機系に自動で迅速に切り替える。故障が発生したことを利用者に感じさせないような切替えが実現できる。(正解)
ウ:システムを3重に冗長化して並列運転し、それらの処理結果の多数決をとって出力する。高い信頼性が実現できる。
エ:ネットワークが異なる複数台の現用系マシンのいずれかが故障すると、1台の予備機を立ち上げて、ネットワークや制御を自動的に切り替える。費用を抑えながら高い可用性が実現できる。
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ホットスタンバイ方式【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
ホットスタンバイ(hot standby:待機系が常時動作・同期している冗長化方式)は、平常時から待機系が稼働状態にあり、障害発生時に自動かつ迅速に稼働系を切り替える仕組みです。設問の選択肢のうち、待機系が「動作状態にある」ことと「自動で迅速に切り替える」点を明確に示しているのが イ です。これにより利用者に切り替えを感じさせない(短時間でフェイルオーバーされる)可用性が実現できます。
(用語補足)フェイルオーバー(failover:故障時の自動切替)は、ホットスタンバイで鍵となる仕組みです。
解法ステップ
- 「待機系が動作状態にある」「自動で切替える」「利用者に感じさせない」を含む表現を探す。
- 「手動で切替える」や「多数決」「1台の予備機を立ち上げる」といった記述はホットスタンバイと矛盾するため除外する。
- 自動かつ待機系が常時稼働している選択肢がホットスタンバイに一致するので、それが正解と判断する。
この手順で イ を選びます。
選択肢別の誤答解説
- ア: 「手動で切り替える」「待機系をバッチに利用できる」とあるため、待機系が常時主系と同等に同期しているとは限りません。手動切替はホットではなくウォーム/コールドに近い運用です。よって誤り。
- イ: 待機系が動作状態(=電源オンで同期・監視されている)で、障害時に自動かつ短時間で切替える点がホットスタンバイの特徴に合致します。
- ウ: 「3重で並列運転し多数決をとる」はトリプルモジュール冗長(TMR:Triple Modular Redundancy)などのフォールトトレラント方式で、ホットスタンバイとは異なります。
- エ: 「ネットワークが異なる複数台の現用系のいずれかが故障すると1台の予備機を立ち上げる」とありますが、予備機を必要に応じて立ち上げる方式は準備状態や同期状況からしてホットスタンバイとは言えません(コールドやオンデマンド型に近い)。またネットワークの違いなど運用上の条件が現実的でない記述も含まれます。
よくある誤解
- 「ホット=常に並列で処理している」:ホットスタンバイは待機系が動作状態で同期しているが、通常は処理は主系だけで行う(アクティブ-パッシブ)。アクティブ-アクティブ(両方で処理)とは違います。
- 「自動切替=何もしなくて安全」:自動フェイルオーバーでもデータ同期(整合性)やスプリットブレイン(双方が主と判断する競合)対策、定期的な切替テストが必要です。
- 「待機系を他用途に使えばコスト削減できる」:待機系を他バッチに使うと同期や即時切替が難しくなり、ホットスタンバイの目的(短時間での復旧)が損なわれます。
補足コラム
- ホット/ウォーム/コールドの違い(簡単まとめ)
- ホットスタンバイ:待機系が稼働・同期。自動で迅速に切替。短いRTO(復旧時間目標)。
- ウォームスタンバイ:待機系は準備済みだが完全同期ではない。切替に時間を要することがある。
- コールドスタンバイ:予備機は停止状態で、起動と設定に時間がかかる。コスト低めだが復旧遅め。
- 実務での運用イメージ:データは同期レプリケーション(同期/非同期)で複製し、監視ツールの「ハートビート(heartbeat:死活監視)」で障害を検知して自動でIP切替やサービス再起動を行います。切替テストやログの確認、ライセンスの対応も運用上重要です。
- 目的を明確に:要件が「ダウンタイム最小化」ならホット、費用優先で短時間の停止許容ならウォームやコールドを選びます。
FAQ
Q. ホットスタンバイとアクティブ-アクティブはどちらが良い?
A. 目的によります。可用性最優先で書き込み整合性が必要ならホット(アクティブ-パッシブ)で設計しやすい。負荷分散と高スループットが目的ならアクティブ-アクティブを検討します。
A. 目的によります。可用性最優先で書き込み整合性が必要ならホット(アクティブ-パッシブ)で設計しやすい。負荷分散と高スループットが目的ならアクティブ-アクティブを検討します。
Q. データの同期はどうすれば良い?
A. 同期レプリケーション(同期:RPOが小さい)か非同期(遠隔地やコスト考慮)を要件に合わせて選びます。RPO(Recovery Point Objective:復旧時点目標)とRTO(Recovery Time Objective:復旧時間目標)を決めて判断します。
A. 同期レプリケーション(同期:RPOが小さい)か非同期(遠隔地やコスト考慮)を要件に合わせて選びます。RPO(Recovery Point Objective:復旧時点目標)とRTO(Recovery Time Objective:復旧時間目標)を決めて判断します。
Q. テストはどれくらい必要?
A. 定期的なフェイルオーバーテストと復旧手順の確認が必須です。実運用で切替時の副作用(接続切れや再認証、キャッシュ問題)が出やすいためです。
A. 定期的なフェイルオーバーテストと復旧手順の確認が必須です。実運用で切替時の副作用(接続切れや再認証、キャッシュ問題)が出やすいためです。
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