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情報セキュリティマネジメント 2017年 春期 午前(科目A)43


問題文

図のアローダイアグラムで表されるプロジェクトは、完了までに最短で何日を要するか。
情報セキュリティマネジメント 2017年 春期 午前(科目A) 問43の問題画像

選択肢

105
115
120(正解)
125

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クリティカルパスの最短所要日数【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

この図は「矢(作業)と円(出来事=イベント)」で工程の順序を表すAOA(矢線式)図です。ダミー作業(所要日数0の日程的な依存関係を示す矢)があるので、単純に各経路の和を取るだけではなく、各イベント(円)の「最早発生時刻」を順に計算して最大値を取る必要があります。
図を順に計算すると最後のイベントに到達する最短所要日数は120日になり、したがって選択肢のが正解です。
(ポイント:ダミー作業は時間を消費しないが、順序を強制して結果的にある経路の完了を遅らせることがあります。これを無視すると短く見積もってしまいます。)

解法ステップ

  1. 用語確認
    • 作業(矢):所要日数がある工程(例:A:30日)。
    • イベント(円):作業の開始・終了点。
    • ダミー作業(破線矢印):所要日数0の日程上の依存(順序だけ示す)。
  2. 出発イベントを時刻0として進める(最早発生時刻の順送り計算)。
    • 開始 → A(30日) → イベント1:時刻30。
  3. イベント1 から分岐する各作業の終点イベントの最早時刻を計算する。
    • B 終点(上側イベント) = 30 + 5 = 35
    • C 終点(中央イベント) = 30 + 30 = 60
    • D 終点(下側イベント) = 30 + 20 = 50
  4. ダミーの制約を反映(あるイベントの発生はすべての前提イベントが完了してから)。
    • 中央イベントにはダミーで上側イベントの完了が前提になっているが、既に C の計算(60)が上側の完了時刻35より遅いので中央イベントの最早時刻は60のまま。
    • 下側イベントにはダミーで中央イベントの完了が前提。D単独だと50だが中央イベントが60なので、下側イベントの最早時刻は max(50,60) = 60 になる。
  5. 右側中央イベント(収束点)への到達時刻は、そこへ入る経路それぞれの完了時刻の最大値。
    • E(上→右中央) = 上側イベント35 + 40 = 75
    • F(中→右中央) = 中央イベント60 + 25 = 85
    • G(下→右中央) = 下側イベント60 + 30 = 90
      → 右側中央イベントの最早時刻 = max(75,85,90) = 90
  6. 最終作業 H を足す。
    • 完成時刻 = 右側中央イベント90 + H(30) = 120
以上より、プロジェクトの最短所要日数は 日となり、選択肢のが正解です。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 105
    • これは経路 A → B → E → H の単純和 を取ったものです。B→Eの流れは確かに105ですが、別経路(特に G 経路)がより遅くなるため全体所要日はこれより長くなります。終点イベントは複数経路の最大値で決まる点を見落とした誤りです。
  • イ: 115
    • これは A → C → F → H の和 を単純に計算したものです。C→F経路は115ですが、下側の経路(D→G)がダミーにより遅延して右側中央イベント到達を90日にし、全体を120日にします。すなわち「最も遅い経路(最大到達時刻)」を取る必要があります。
  • : 120
    • 正しい。上記の通り、イベントの最早時刻を順に計算して最終到達時刻を求めると120日になります。ダミーによる依存が下側経路を遅らせ、結果的に G 経路が支配的(クリティカル)になっています。
  • エ: 125
    • 明確な単一経路の合計とは一致しない値です(図中にその合計を示す経路はない)。これは各経路の和やダミーの扱いを誤って二重計上・誤加算した可能性があります。

よくある誤解

  1. 「複数の経路の単純合計の最長が答え」だと思う
    • 実際は各イベントの到達時刻を計算して、最終イベントに到達するまでの最大値を取ります。単純に一経路の和だけを見るとダミーや他経路の制約を見落とすことがあります。
  2. 「ダミーは無視してよい」と考える
    • ダミーは時間を取らないものの、依存関係を表します。これによりある作業の完了が他の作業の開始・完了に影響し、結果的にプロジェクト全体の所要日数を変えることがあります。

補足コラム

  • AOA(矢線式)とAON(箱線式)では表現法が違います。AONは作業を「箱(ノード)」で表し矢で依存を示すためダミー作業は不要になることが多いです。プロジェクト管理ソフトでは内部でどちらかのモデルに変換して計算している場合があります。実務では「依存関係(どの作業が終わってから次を始めるか)」を正確に洗い出すことが、正しい所要日数見積りの鍵です。
  • 仕事の現場イメージ:Aは「設計」、Bは「要件確認」、Cは「製造準備」、Dは「資材手配」などと例えると、資材手配が他工程の完了待ちになる(ダミーで順序を表す)と最終的に納期が延びる、という具合に考えると理解しやすいです。

FAQ

Q1. ダミー作業はいつ使うのですか?
A1. AOA図で「ある出来事が他の出来事に依存するが時間を要しない関係」を示すときに使います。例えば「工程Bの完了が工程Cの終了を前提にするが、BとCは同じ始点を持つ」といった場合です。
Q2. どの経路がクリティカル(遅延が全体に影響)かはどう分かりますか?
A2. その工程群をたどった結果、最終完了時刻に寄与している経路(最終到達時刻に一致する経路)がクリティカルパスです。本問では A→D→G→H のように見えても、ダミーによる依存で実際は下側経路が影響して最終までの到達時刻を決めています(結果としてG側が支配的になっています)。
Q3. 手計算が面倒なときは?
A3. イベントごとに「最早発生時刻(Earliest Event Time)」を順に計算する方法を表にして進めるとミスが減ります。ソフトが使えれば自動計算できますが、試験対策では手順を確実に覚えておくことが重要です。

関連キーワード: クリティカルパス, ダミー作業, AOA図, イベント最早時刻, PERT/CPM, 工程管理, プロジェクト納期算出
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