情報セキュリティマネジメント 2017年 春期 午前(科目A) 問42
問題文
ITサービスマネジメントにおける問題管理プロセスの目的はどれか。
選択肢
ア:インシデントの解決を、合意したサービス目標及び時間枠内に達成することを確実にする。
イ:インシデントの未知の根本原因を特定し、恒久的な解決策を提案したり、インシデントの発生を事前予防的に防止したりする。(正解)
ウ:合意した目標の中で、合意したサービス継続及び可用性のコミットメントを果たすことを確実にする。
エ:全ての変更を制御された方法でアセスメントし、承認し、実施し、レビューすることを確実にする。
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問題管理プロセス【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
問題管理(Problem Management:インシデントの根本原因を特定し、恒久的な対策を行うプロセス)は、発生したインシデント(Incident:サービスの中断や性能低下、セキュリティ事故などの出来事)の「一時しのぎの復旧」ではなく、「未知の根本原因を見つけて恒久対策を出す」ことを目的とします。したがって、選択肢の中では イ が正解です。
一言で言えば、問題管理は「再発を防ぐための原因特定と恒久対策の提案」を行う役割だからです。
一言で言えば、問題管理は「再発を防ぐための原因特定と恒久対策の提案」を行う役割だからです。
解法ステップ
- 問題文の「目的」が「根本原因の特定」「恒久的な解決」などの語と合うかを見る。
- 各選択肢をITサービス管理の代表的プロセス(インシデント管理、問題管理、可用性/事業継続、変更管理)と照合する。
- 「インシデントを速やかに復旧する」系はインシデント管理、「変更を制御」系は変更管理、「可用性や継続性」系は可用性/事業継続管理と判断する。
- 「未知の根本原因を特定して恒久対策をする」に一致する選択肢を選ぶ(→ イ)。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 「インシデントの解決を合意した目標・時間枠内に達成する」
解説: これはインシデント管理(Incident Management)の目的です。インシデント管理はサービスを速やかに復旧し、業務への影響を最小化することを重視します。短期的な復旧(ワークアラウンド)を優先する点が問題管理と異なります。 -
イ: 「インシデントの未知の根本原因を特定し、恒久的な解決策を提案、予防する」
解説: これが問題管理の本質です。根本原因分析(RCA:Root Cause Analysis)を行い、再発防止策や恒久的な改善案を作成します。運用では、繰り返す障害や重大インシデントを問題として扱い、調査チームやベンダーと連携して対策を決めます。 -
ウ: 「合意した目標の中で、合意したサービス継続及び可用性のコミットメントを果たす」
解説: これは可用性管理や事業継続管理(Business Continuity/Availability Management)の領域です。サービスレベル合意(SLA)や事業継続計画(BCP)に関わる活動で、問題管理とは目的が異なります。 -
エ: 「全ての変更を制御された方法でアセスメントし、承認し、実施し、レビューする」
解説: これは変更管理(Change Management)の説明です。変更管理はシステムや設定の変更を安全に導入するためのプロセスで、問題の根本原因特定そのものが目的ではありません。ただし、問題管理で決まった恒久対策を実施する際には変更管理の手続きを経ることが多いです。
よくある誤解
- 「インシデント管理と問題管理は同じ」は誤り。
インシデント管理はサービスを早く復旧することが目的。問題管理は原因解析と恒久対策で、時間軸と目的が違います。 - 「問題管理がすべての修正を実施する」わけではない。
問題管理は恒久対策を提案・設計する役割が中心で、実際の変更導入は変更管理や運用担当が行う場合が多いです。
補足コラム
職場での具体例:
- 例)社内メールが断続的に遅延するインシデントが複数回発生。インシデント管理チームはその都度サービスを復旧したが、問題管理チームがログを分析して通信回線のMTU設定ミスを根本原因と特定。恒久対策として設定の修正と監視アラートの追加を提案し、変更管理を通して実施した結果、再発が止まった。
このように、問題管理は「繰り返すトラブルを根こそぎ無くす」ために重要です。
FAQ
Q1: 問題管理はいつ始めるべきですか?
A1: 繰り返すインシデントや重大インシデントが発生した時点で起動します。小さな単発障害はインシデント管理だけで済む場合があります。
A1: 繰り返すインシデントや重大インシデントが発生した時点で起動します。小さな単発障害はインシデント管理だけで済む場合があります。
Q2: 問題管理はどの部署が担当しますか?
A2: 組織によりますが、ITサービス管理チームや運用チーム、時にはベンダーと連携する専任の問題管理者が担当します。IT部門がない職場では外部支援や委託先と協力して調査・対策を進めます。
A2: 組織によりますが、ITサービス管理チームや運用チーム、時にはベンダーと連携する専任の問題管理者が担当します。IT部門がない職場では外部支援や委託先と協力して調査・対策を進めます。
Q3: 根本原因分析(RCA)って難しそうですが現場ではどう進める?
A3: まず事象の再現とログ確認、影響範囲の特定を行い、原因候補を潰していく手順が基本です。簡単なチェックリストやテンプレートを使うと現場で実行しやすくなります。
A3: まず事象の再現とログ確認、影響範囲の特定を行い、原因候補を潰していく手順が基本です。簡単なチェックリストやテンプレートを使うと現場で実行しやすくなります。
関連キーワード: 問題管理、インシデント管理、根本原因分析、変更管理、可用性管理

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