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情報セキュリティマネジメント 2017年 春期 午前(科目A)48


問題文

システム企画段階において業務プロセスを抜本的に再設計する際の留意点はどれか。

選択肢

新たな視点から高い目標を設定し、将来的に必要となる最上位の業務機能と業務組織のモデルを検討する。(正解)
業務改善を積み重ねるために、ビジネスモデルの将来像にはこだわらず、現場レベルのニーズや課題への対応を重視して業務プロセスを再設計する。
経営者や管理者による意思決定などの非定型業務ではなく、一般社員による購買、製造、販売、出荷、サービスといった定型業務を対象とする。
現行業務に関する組織、技術などについての情報を収集し、現行の組織や業務手続に基づいて業務プロセスを再設計する。

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将来志向の業務設計【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

システム企画段階で「抜本的に再設計する」場面は、単なる改善ではなく業務の骨組みや将来形を作り直すことを狙います。業務プロセス(業務の手順や役割の流れ)の最上位モデルや業務組織の在り方を将来を見据えて検討することが求められます。選択肢の中では、将来の高い目標を設定して最上位の業務機能と組織モデルを検討すると述べている が、抜本的な再設計(BPR:Business Process Reengineering)に最も合致します。
ポイント:
  • 抜本的再設計は「現状を少し直す」ではなく「未来の業務を定義する」作業です。
  • そのため、トップダウンで最上位の業務機能や組織モデル(いわゆる TO-BEモデル)を描くことが必要です。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワードを確認:「抜本的に再設計」→「根本的な変革(BPR)」を示す。
  2. 各選択肢が「将来志向か」「現状維持か」「対象範囲が広いか狭いか」を判定する。
  3. 抜本的変革にふさわしいのは「将来の高い目標」「最上位の業務機能」「業務組織モデル」を検討する記述であると判断する。
  4. その基準に合うのが であるため選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • :正解。将来の高い目標を設定し、最上位の業務機能・組織モデルを検討する記述は、BPR(業務プロセス再設計)で目指す方向性に合致します。システム企画段階ではこのトップダウン視点が重要です。
    • 補足説明:BPR(Business Process Reengineering:業務プロセス再設計)は、業務を根本から見直して大きく変える手法です。AS-IS(現状)ではなくTO-BE(将来像)を基に設計します。
  • :誤り。現場レベルのニーズや課題対応を重視することは重要ですが、これは継続的改善(改善の積み重ね、いわゆるカイゼン)に近く、抜本的な再設計の性格と相容れません。抜本改革ではビジネスモデルの将来像を描く必要があります。
    • 用語:ビジネスモデル(事業の仕組み・利益を生む方法)を将来像まで考えることが抜本改革では重要です。
  • :誤り。定型業務(ルーチン化された業務、例:購買記録や出荷処理)だけを対象にすると、企業戦略や管理層の意思決定といった非定型業務(都度判断が必要な業務)が抜け落ち、組織全体の最適化ができません。抜本的再設計では、定型・非定型の双方を含めた高レベルな業務モデル検討が必要です。
  • :誤り。現行業務や既存の組織・手続に基づいて設計するのは「AS-ISベース」の方法で、既存の制約に縛られやすく、抜本的な変革には不向きです。抜本改革では現行の枠組みを壊す発想も必要です。

よくある誤解

  1. 「抜本的再設計は現場を無視していい」
    • 誤解です。現場の実情を無視すると実行できない設計になります。重要なのは、現場の声を取り入れつつ、将来の業務像(TO-BE)に合わせて最上位から設計することです。
  2. 「現場の小さな改善を積み重ねれば抜本的改革になる」
    • 継続的改善(カイゼン)は有効ですが、抜本的改革は業務の枠組みや組織構造を変えるため、別のアプローチ(トップダウンでの目標設定やプロセスの再定義)が必要です。
  3. 「定型業務だけ見直せば効率化できる」
    • 定型業務の効率化だけでは、意思決定の流れや責任分担といった非定型業務の課題は解消できません。全体最適を意識してください。

補足コラム

  • AS-IS と TO-BE の使い分け
    • AS-IS(アズ・イズ):現行業務の状態。現状分析に使います。
    • TO-BE(トゥービー):目指すべき将来像。抜本的設計のゴールです。
      抜本的再設計では、AS-ISの分析は必要ですが、最終的にはTO-BEを描き、それに向けたギャップ(変えるべき点)を整理していきます。
  • 実務での運用イメージ(短く)
    • 経営層が高い目標(例:業務のデジタル化で顧客対応時間を半減)を示し、業務・組織の上位モデルを設計。現場はその方針に沿って詳細手順やシステム要件を詰めます。セキュリティや人員配置、教育計画も同時に検討します。

FAQ

Q1. 抜本的再設計で現場の反発が強い場合、どうすればよいですか?
A1. 早期に現場を巻き込んで不満点や実務上の制約を聞き、TO-BEの利点(工数削減や負荷軽減)を示して合意形成を図ります。パイロット導入で効果を示すのも有効です。
Q2. 抜本的再設計と継続的改善(カイゼン)は両立しますか?
A2. 両立します。抜本的再設計で大きな骨組みを変え、その後は継続的改善で細かな最適化を進めるのが一般的です。
Q3. セキュリティ面で特に注意すべき点は?
A3. 組織やプロセスの変更は責任範囲やアクセス権に影響します。誰が何にアクセスし、どのデータを扱うかを最初に設計し、必要な管理策(ログ、権限管理、教育)を組み込みます。

関連キーワード: BPR(業務プロセス再設計)、AS-IS、TO-BE、業務プロセス設計、組織再編、業務改革、プロセス最適化
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