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情報セキュリティマネジメント 2018年 秋期 午前(科目A)01


問題文

組織的なインシデント対応体制の構築や運用を支援する目的でJPCERT/CCが作成したものはどれか。

選択肢

CSIRTマテリアル(正解)
ISMSユーザーズガイド
証拠保全ガイドライン
組織における内部不正防止ガイドライン

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CSIRTマテリアル【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

JPCERT/CC(Japan Computer Emergency Response Team Coordination Center:国内のコンピュータ緊急対応チームの調整機関)は、組織的なインシデント対応体制の構築・運用を支援するための実務的な資料を提供しています。その代表的な成果物が「CSIRTマテリアル」です。CSIRT(Computer Security Incident Response Team:コンピュータセキュリティインシデント対応チーム)は、組織で発生するセキュリティインシデント(不正アクセスや情報漏えいなど)に対応するための体制や手順を指します。したがって、組織的なインシデント対応体制の構築・運用を支援する目的に最も合致するのは のCSIRTマテリアルです。

解法ステップ

  1. JPCERT/CCの役割を確認する(インシデント対応の調整・支援を行う組織であることを押さえる)。
  2. 各選択肢の目的を短く整理する(CSIRTマテリアル=対応体制支援、ISMSガイド=管理制度、証拠保全=法的な証拠確保、内部不正防止=内部統制)。
  3. 「組織的なインシデント対応体制の構築や運用を支援する」という目的に最も近い文書を選ぶ。該当するのがCSIRTマテリアルである。

選択肢別の誤答解説

  • ア: CSIRTマテリアル — 正答。CSIRTの立ち上げ方、役割分担、連絡体制、手順書(プレイブック)など、実際の体制構築・運用に直接役立つ資料群です。
  • イ: ISMSユーザーズガイド — ISMS(Information Security Management System:情報セキュリティマネジメントシステム。組織全体の情報セキュリティ管理の枠組み)の運用や認証取得に関するガイドで、制度や管理策が中心。インシデント対応の要素はあるが、組織のインシデント対応「体制構築」の実務支援資料としてはCSIRTマテリアルほど直接的ではありません。
  • ウ: 証拠保全ガイドライン — デジタル証拠の取り扱いや保存方法(フォレンジック)の指針です。インシデント対応の一部分(証拠保全)には重要ですが、体制全体の構築・運用を支援する文書とは目的が異なります。
  • エ: 組織における内部不正防止ガイドライン — 内部不正(不正行為や横領など)の予防・抑止に焦点を当てたガイドで、インシデント対応(特に外部のサイバー攻撃)全般の体制づくりとは範囲が違います。

よくある誤解

  • CSIRTとSOC(Security Operations Center:セキュリティ運用センター)を混同する。CSIRTは対応チーム(インシデント管理や調整)で、SOCは主に検知・監視を行う運用部門です。目的と役割が異なります。
  • 「証拠保全=インシデント対応の全て」と考える誤り。証拠保全は重要な一部ですが、体制・連絡網・手順・訓練など複数要素が必要です。
  • CSIRTは大企業向けで中小企業には不要、と思う。規模に応じた簡易CSIRT(小さな体制と外部支援の組合せ)でも有効です。

補足コラム

実務で使うときのイメージ(職場での運用例)
  • 最低限の構成:責任者(管理層)、対応リーダー、技術担当、広報/連絡担当、法務または外部弁護士窓口。
  • 初期に整備するもの:インシデント対応手順(インシデント分類・優先度)、連絡先一覧、初動チェックリスト、外部エスカレーション基準、コミュニケーションテンプレート(社内・顧客・公的機関向け)。
  • 実践:作った手順はテーブルトップ演習(机上訓練)や模擬インシデントで検証・改善する。JPCERT/CCのCSIRTマテリアルには、こうしたテンプレートや演習例が含まれていることが多く、初めての組織でも導入しやすいです。

FAQ

Q1: JPCERT/CCって何ですか?
A1: JPCERT/CCはJapan Computer Emergency Response Team Coordination Centerの略で、国内のサイバーインシデントに関する情報共有や対応支援を行う組織です。全国の組織を支援するための資料や連絡窓口を提供します。
Q2: 小さな会社でもCSIRTマテリアルは使えますか?
A2: はい。大規模組織向けの例もありますが、テンプレートや手順を縮小・簡素化して「簡易CSIRT」として活用できます。まずは初動手順と連絡網だけでも整備すると効果があります。
Q3: CSIRTマテリアルだけで対応は完了しますか?
A3: マテリアルは「設計図」です。実際には組織内で役割を決め、訓練を行い、定期的に更新することで初めて有効になります。

関連キーワード: JPCERT/CC、CSIRT、インシデント対応、インシデントレスポンス計画、証拠保全、ISMS、内部不正防止、プレイブック、テーブルトップ演習、体制構築
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