情報セキュリティマネジメント 2018年 秋期 午前(科目A) 問03
問題文
JIS Q 27017:2016(JIS Q27002に基づくクラウドサービスのための情報セキュリティ管理策の実践の規範)が提供する“管理策及び実施の手引”の適用に関する記述のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:外部のクラウドサービスを利用し、かつ、別のクラウドサービスを他社に提供する事業者だけに適用できる。
イ:外部のクラウドサービスを利用する事業者と、クラウドサービスを他社に提供する事業者とのどちらにも適用できる。(正解)
ウ:外部のクラウドサービスを利用するだけであり、自らはクラウドサービスを他社に提供しない事業者には適用できない。
エ:外部のクラウドサービスを利用せず、自らクラウドサービスを他社に提供するだけの事業者には適用できない。
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クラウド管理策の適用範囲【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
JIS Q 27017:2016 は、クラウドサービスに関する「管理策及び実施の手引」を示す規範です。ここでいう「クラウドサービス」は、インターネット経由で提供されるサービスやその基盤(利用者が外部のサービスを使う場合=クラウド利用者、提供する事業者=クラウド提供者)を指します。JIS Q 27017 は、こうしたクラウドの利用者(顧客)と提供者(事業者)の双方に適用できるガイドラインです。したがって選択肢の中では、両者に適用できることを示す イ が正しい選択です。
(補足)JIS Q 27002 は情報セキュリティ管理の「管理策(コントロール)」の実務的指針です。JIS Q 27017 はそれをクラウド向けに具体化した手引きであり、利用者側と提供者側それぞれに適用できる形で記載されています。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを確認:JIS Q 27017=クラウド向けの管理策の手引き。
- 「誰に適用するか」を問うていると認識する(利用者のみか、提供者のみか、両方か)。
- JIS Q 27017 の趣旨を思い出す:クラウド特有の役割分担(利用者と提供者)を踏まえた指針である。
- 各選択肢と照らし合わせ、両者に適用可能とする選択肢を選ぶ → イ を選定。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 「外部を利用し、かつ別に提供する事業者だけに適用」
誤り。これは“利用者かつ提供者の両方を兼ねる事業者のみ”に限定しており、実際の規範の適用範囲より狭くなっています。JIS Q 27017 は片方の立場でも参考になります。 -
ウ: 「利用するだけの事業者には適用できない」
誤り。クラウド利用者(外部サービスを使う側)向けの管理策や注意点も手引きに含まれており、利用者に適用できます。 -
エ: 「利用せず提供だけの事業者には適用できない」
誤り。クラウド提供者向けの運用・管理指針も含まれており、提供だけの事業者にも適用できます。
よくある誤解
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「クラウド向けの規範は提供者だけのもの」
誤解しやすい点です。提供者の対策は重要ですが、利用者側にも契約、データ保護、アクセス管理などの具体的管理策が示されています。 -
「JIS Q 27017 は法律や強制規則である」
JIS(日本工業規格)は規範ですが、JIS Q 27017 の記述はガイドライン(実務指針)であり、直接の法的強制力はありません。業務での適用は契約や社内規程に落とし込む必要があります。
補足コラム
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共有責任モデル(shared responsibility model:クラウドの責任分担)
クラウド環境では、どのセキュリティ対策をクラウド提供者が行い、どれを利用者が担うかを明確にする必要があります。JIS Q 27017 はその判断や具体的な管理策の例を示します。職場では、調達時の契約(SLA)や委託先管理にこの線引きを反映させると実務で役立ちます。 -
運用イメージ(実務での一言)
例えば人事システムを外部クラウドで利用する場合、利用者側はアクセス権管理や暗号化方針、ログ確認の体制を整え、提供者側はインフラの物理的セキュリティや基盤の脆弱性対応を担う、といった具合に役割分担を明文化します。
FAQ
Q1: 「自社がクラウドを使うだけでも JIS Q 27017 を参照すべきですか?」
A1: はい。利用者向けの具体的な管理策やチェックリストがあるので、契約や設定確認に役立ちます。
A1: はい。利用者向けの具体的な管理策やチェックリストがあるので、契約や設定確認に役立ちます。
Q2: 「JIS Q 27017 は必ず守るべき法令ですか?」
A2: いいえ。ガイドラインです。ただし、業界慣行や契約上の要件として参照されることが多いので、実務上は重要です。
A2: いいえ。ガイドラインです。ただし、業界慣行や契約上の要件として参照されることが多いので、実務上は重要です。
Q3: 「ISO/IEC 27017 と JIS Q 27017 の関係は?」
A3: ISO/IEC 27017 は国際規格のクラウド向けガイドラインで、JIS Q 27017 はそれを日本の規格として取り入れたものです(原則として内容は整合しています)。
A3: ISO/IEC 27017 は国際規格のクラウド向けガイドラインで、JIS Q 27017 はそれを日本の規格として取り入れたものです(原則として内容は整合しています)。
関連キーワード: JIS Q 27017、クラウドセキュリティ、共有責任モデル、JIS Q 27002、クラウド利用者、クラウド提供者、管理策、SLA、委託先管理、データ保護、アクセス管理

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