情報セキュリティマネジメント 2018年 秋期 午前(科目A) 問26
問題文
データベースで管理されるデータの暗号化に用いることができ、かつ、暗号化と復号とで同じ鍵を使用する暗号方式はどれか。
選択肢
ア:AES(正解)
イ:PKI
ウ:RSA
エ:SHA-256
🔒 解説は解答すると表示されます
共通鍵暗号方式【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
データの暗号化と復号で「同じ鍵」を使う方式は共通鍵暗号(対称鍵暗号)と呼ばれます。アの AES(Advanced Encryption Standard:先進暗号標準)は共通鍵暗号の代表的な方式で、暗号化と復号で同じ鍵を用います。
他の選択肢は目的や仕組みが異なります。PKI(Public Key Infrastructure:公開鍵基盤)は公開鍵暗号の運用基盤、RSA(Rivest–Shamir–Adleman)は公開鍵暗号方式の一例で暗号化と復号で異なる鍵(公開鍵と秘密鍵)を使います。SHA-256(Secure Hash Algorithm 256-bit:ハッシュ関数)はデータのハッシュ値を作る一方向関数で、復号ができません。
他の選択肢は目的や仕組みが異なります。PKI(Public Key Infrastructure:公開鍵基盤)は公開鍵暗号の運用基盤、RSA(Rivest–Shamir–Adleman)は公開鍵暗号方式の一例で暗号化と復号で異なる鍵(公開鍵と秘密鍵)を使います。SHA-256(Secure Hash Algorithm 256-bit:ハッシュ関数)はデータのハッシュ値を作る一方向関数で、復号ができません。
つまり「暗号化と復号で同じ鍵を使う」要件を満たすのは ア の AES だけです。
解法ステップ
- 問題の要件を整理:暗号化と復号で「同じ鍵」を使う方式を探す。
- 用語の切り分け:
- 同じ鍵を使う = 共通鍵(対称鍵)暗号。
- 異なる鍵を使う = 公開鍵(非対称)暗号。
- 復号できない = ハッシュ関数(不可逆)。
- 選択肢を当てはめる:AES は共通鍵暗号、RSA は公開鍵暗号、PKI は公開鍵を管理する仕組み、SHA-256 はハッシュ。
- 結論:共通鍵暗号である ア を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア:AES(Advanced Encryption Standard:先進暗号標準)
- 正解。共通鍵暗号方式(対称鍵暗号)。暗号化と復号で同じ鍵を使う。鍵長は 128/192/256 ビットなどがあり、データベースの「ディスクやテーブルの暗号化(TDEなど)」で広く使われます。
- イ:PKI(Public Key Infrastructure:公開鍵基盤)
- 誤り。PKI は公開鍵暗号を使うための「鍵の配布・認証・管理」の仕組みそのもので、暗号アルゴリズム名ではありません。共通鍵かどうかを示す選択肢ではありません。
- ウ:RSA(Rivest–Shamir–Adleman)
- 誤り。RSA は公開鍵暗号(非対称暗号)。暗号化に使う鍵(公開鍵)と復号に使う鍵(秘密鍵)が異なります。大きなデータを直接暗号化する用途より、共通鍵を安全に共有する用途でよく使われます。
- エ:SHA-256(Secure Hash Algorithm 256-bit)
- 誤り。SHA-256 はハッシュ関数(データを固定長に要約する一方向関数)。復号できないため「暗号化と復号で同じ鍵を使う」条件に当てはまりません。
よくある誤解
- 「RSA や公開鍵があれば何でも暗号化できる」と考える誤解
- 公開鍵暗号は鍵交換や署名、少量データの暗号化に向きますが、大量データや高速処理が必要な場面では共通鍵暗号(AES)が使われます。性能面の違いを意識しましょう。
- 「ハッシュは暗号化の一種で復号できる」と思う誤解
- ハッシュ(SHA-256)は入力から固定長の要約を作るだけで、元に戻す(復元)ことはできません。パスワード検証などで使いますが、復号してデータを取り出す用途には使えません。
- 「PKI は鍵そのものだ」と捉える誤解
- PKI は公開鍵の証明書発行や失効管理などの仕組みです。暗号アルゴリズムそのものではありません。
補足コラム
- 実務でのデータベース暗号化の一例:多くのDB管理システムは「Transparent Data Encryption(TDE:透過的データ暗号化)」をサポートし、内部で AES(共通鍵)を使ってデータファイルを暗号化します。アプリ側の変更は不要で、データが流出してもファイル単位で保護できます。
- AES の運用で重要なのは鍵管理です。鍵を安全に保管・管理するために KMS(Key Management Service:鍵管理サービス)や HSM(Hardware Security Module:専用の鍵保護装置)を使います。鍵をソースコードや設定ファイルに直書きするのは危険です。
- AES の動作モード(例:CBC、GCM)により、機密性だけでなく保存データの完全性(改ざん検知)も考慮できます。最近は認証付き暗号(AEAD:Authenticated Encryption with Associated Data、例 GCM)が推奨されます。
FAQ
Q1. RSA でデータベースの中身を暗号化できませんか?
A1. 技術的にはできますが、RSA は処理が遅く大きなデータに不向きです。実務では RSA を使って AES 等の共通鍵を安全にやり取りし、その共通鍵で実データを暗号化します(ハイブリッド暗号方式)。
A1. 技術的にはできますが、RSA は処理が遅く大きなデータに不向きです。実務では RSA を使って AES 等の共通鍵を安全にやり取りし、その共通鍵で実データを暗号化します(ハイブリッド暗号方式)。
Q2. SHA-256 は暗号化ではないのですか?
A2. 正確にはハッシュ関数で、データの要約を作るものです。暗号化とは違い、ハッシュ値から元データを復元できません。パスワード保存やデータ一致検査に使います。
A2. 正確にはハッシュ関数で、データの要約を作るものです。暗号化とは違い、ハッシュ値から元データを復元できません。パスワード保存やデータ一致検査に使います。
Q3. AES の鍵はどこに置けば安全ですか?
A3. KMS や HSM に保存するのが安全です。職場ではクラウドの KMS(例:AWS KMS 等)や専用装置で鍵を管理し、アクセス制御やローテーション(定期的な鍵交換)を運用します。
A3. KMS や HSM に保存するのが安全です。職場ではクラウドの KMS(例:AWS KMS 等)や専用装置で鍵を管理し、アクセス制御やローテーション(定期的な鍵交換)を運用します。
関連キーワード: 共通鍵暗号, AES, RSA, ハッシュ関数, PKI, 鍵管理, TDE, HSM, KMS, 認証付き暗号

\ せっかくなら /
情報セキュリティマネジメントを
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

