情報セキュリティマネジメント 2018年 秋期 午前(科目A) 問45
問題文
データベースの監査ログを取得する目的として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:権限のない利用者のアクセスを拒否する。
イ:チェックポイントからのデータ復旧に使用する。
ウ:データの不正な書換えや削除を事前に検知する。
エ:問題のあるデータベース操作を事後に調査する。(正解)
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データベース監査ログ【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
データベース(情報を保存・検索する仕組み)の監査ログ(誰が何をしたかを記録するログ)は、操作の記録を残して「事後に調査・追跡する」ためのものです。したがって、設問の正解は エ の「問題のあるデータベース操作を事後に調査する」です。監査ログは誰がいつどのデータに対してどんな操作をしたか(実行したSQL、実行者、時刻、接続元など)を証拠として残します。これにより、不正や設定ミスの発生源を後から特定できます。
解法ステップ
- まず「監査ログ」の目的が何かを考える。ログは「記録(証跡)」であり、即時にアクセスを止めたり、データを復旧したりする仕組みではない。
- 各選択肢を「予防(preventive)・検知(detective)・復旧(corrective/recovery)・事後調査(forensic)」に分類する。
- 監査ログは「記録して後で調べる(事後調査)」に最も適するため、該当する選択肢を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 権限のない利用者のアクセスを拒否する。
→ これはアクセス制御や認可(許可管理)の役割です。例えば認証(本人確認)や権限設定でアクセスを拒否します。監査ログは拒否の記録は残せますが、アクセスをリアルタイムで拒否する機能ではありません。 -
イ: チェックポイントからのデータ復旧に使用する。
→ データ復旧にはバックアップやトランザクションログ(変更履歴を記録する仕組み)が使われます。監査ログは操作の記録が目的で、復旧用の詳細な物理データを保持するわけではありません。 -
ウ: データの不正な書換えや削除を事前に検知する。
→ 監査ログ自体は「記録」手段であり、単独では事前検知(リアルタイム検出)になりません。ただし、監査ログをリアルタイム監視する仕組み(SIEMなど)と組み合わせれば検知も可能になりますが、設問の表現「事前に検知する」は監査ログの主目的ではありません。 -
エ: 問題のあるデータベース操作を事後に調査する。
→ 監査ログの本質的な役割です。いつ誰が何をしたかを明らかにし、原因追及や責任追跡、法的証拠として用います。
よくある誤解
- 「ログを取れば不正は防げる」
→ ログは抑止(後でバレるため抑止力になることはある)が主で、防止策(アクセス制御や認証)とは別物です。防ぐには両方必要です。 - 「監査ログとバックアップは同じ」
→ バックアップはデータを復元するためのコピー、監査ログは操作の記録です。用途が違います。 - 「ログは取れば安心」ではない
→ ログを取るだけでなく、保存期間、改ざん防止、定期的なレビューやアラート設計が必要です。
補足コラム
実務でのイメージ:ある従業員の操作でデータが消えたとします。まずは監査ログを参照して「誰が」「どの時刻に」「どのテーブルで」「どんなSQLを実行したか」を確認します。これで原因が分かれば、権限の見直しや操作手順の改善、場合によっては法的対応につなげます。実装時のポイントは以下の通りです。
- 監査ログに含める項目例:ユーザID、時刻、SQL文、操作対象、成功・失敗、接続元IP
- 保全:時刻同期(NTP)、ログの二重保存、ハッシュやWORM(Write Once Read Many:追記専用保存)で改ざん防止
- 運用:ログの定期レビュー、重大イベントのアラート設定(SIEM連携)と保存期間の規定
FAQ
Q1. 監査ログだけでリアルタイムの不正検知はできますか?
A1. 単体では難しいです。監査ログをリアルタイム解析する仕組み(SIEMや監視ツール)を併用すると検知できます。
A1. 単体では難しいです。監査ログをリアルタイム解析する仕組み(SIEMや監視ツール)を併用すると検知できます。
Q2. どれくらいログを保存すべきですか?
A2. 法令や業務リスクに応じます。一般的には数か月〜数年。保存期間は情報システムポリシーで定め、容量とプライバシーも考慮します。
A2. 法令や業務リスクに応じます。一般的には数か月〜数年。保存期間は情報システムポリシーで定め、容量とプライバシーも考慮します。
Q3. 監査ログは誰が見てよいですか?
A3. ログには個人情報や操作の証拠が含まれるため、閲覧権限を限定します。通常はセキュリティ担当者や管理者、監査部門がアクセスします。
A3. ログには個人情報や操作の証拠が含まれるため、閲覧権限を限定します。通常はセキュリティ担当者や管理者、監査部門がアクセスします。
関連キーワード: 監査ログ、監査証跡、ログ保全、SIEM、不正検知、アクセス制御、トランザクションログ、証跡管理、改ざん防止、ログ保存ポリシー

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