情報セキュリティマネジメント 2018年 秋期 午前(科目A) 問44
問題文
信頼性設計に関する記述のうち、フェールセーフの説明はどれか。
選択肢
ア:故障が発生した場合、一部のサービスレベルを低下させても、システムを縮退して運転を継続する設計のこと
イ:システムに冗長な構成を組み入れ、故障が発生した場合、自動的に待機系に切り替えて運転を継続する設計のこと
ウ:システムの一部が故障しても、危険が生じないような構造や仕組みを導入する設計のこと(正解)
エ:人間が誤った操作や取扱いができないような構造や仕組みを、システムに対して考慮する設計のこと
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フェールセーフ【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
フェールセーフは、故障や異常が起きたときに「危険が生じない(安全な状態になる)ように設計すること」を指します。選択肢のうち、ウはまさにこの意味を述べているため正解です。フェールセーフの目的は「可用性(動き続けること)」ではなく「安全確保(人や資産を守ること)」にあります。
解法ステップ
- 問題文が「フェールセーフ」という用語の意味を問うていると確認する。
- 各選択肢で「安全(danger回避)」か「可用性維持(動かし続ける)」かを見分ける(キーワード:危険、継続、冗長、縮退)。
- フェールセーフは「危険を避ける」設計なので、その意味に合う選択肢を選ぶ。
- 上の判断で「危険が生じないような構造や仕組み」を述べた選択肢が正しいとわかる(ウ)。
選択肢別の誤答解説
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ア: 「縮退して運転を継続する設計」
- 説明:一部機能を落としてでも動作を続ける考え方です。可用性(サービス継続)を重視する設計で、これをフェールセーフとは呼びません。
- 感覚例:設備が一部停止しても最低限の機能で動かし続けるイメージ。
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イ: 「冗長構成で自動切替して運転を継続する設計」
- 説明:冗長化(複数用意しておくことで交替運用すること)により故障時にサービスを維持する考えです。これも可用性向上の話で、フェールセーフとは別概念です。
- 用語補足:冗長化(冗長:余分に用意すること。冗長構成で故障を吸収)
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ウ: 「故障しても危険が生じない構造や仕組み」
- 説明:これはフェールセーフの定義そのものです。故障時に安全側に落とす、あるいは危険な動作をしない設計を指します。よって正解です。
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エ: 「人間の誤操作をできないようにする設計」
- 説明:誤操作防止は重要ですが、それは「ヒューマンエラー対策」や「フォールプルーフ(mistake-proofing)」に近い考え方です。フェールセーフは主に故障や異常発生時の安全確保を指します。
よくある誤解
- 「フェールセーフ=停止させること」と考える誤解
- 説明:必ずしも完全停止が答えではありません。安全側へ移行すること(例えば減速、遮断、初期状態に戻すなど)が目的です。停止も一つの方法ですが状況によります。
- 「冗長化と同じ」と混同する誤解
- 説明:冗長化は可用性(サービスを継続する)のための手段で、フェールセーフは危険回避が目的。両者は補完関係にありますが概念は別です。
補足コラム
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用語整理(短く覚えるコツ)
- フェールセーフ(fail-safe):故障しても「安全」にする設計。
- フェールソフト(fail-soft):故障時に「機能を落としても動かし続ける」設計。
- フォールトトレランス(fault tolerance:障害許容性):故障を許容してサービスを維持する能力。
これらは目的(安全か可用性か)で使い分けられます。語源を押さえると覚えやすいです:fail(失敗・故障)+safe(安全)/soft(機能低下)。
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職場での運用イメージ(実務でどう使うか)
- 製造現場や建物設備では、センサーが異常値を検知したら自動的に機械を停止して人を守る設計がフェールセーフです。
- ITシステムでは、重要な操作が失敗したときにデータを壊さないため「トランザクションをロールバック(取り消す)」する設計や、通信エラー時に安全側の設定に戻す(設定変更の失敗で危険動作が起きない)などが該当します。
- 運用ポイント:フェールセーフ設計は「どう安全側に移すか」を具体的に定義し、手順や監視を整備しておくことが重要です(担当者の判断に依存しない仕組みを作る)。
FAQ
Q1: フェールセーフはダウンタイムを許容するのですか?
A1: 必要に応じて停止や機能制限を受け入れることがあります。目的は「危険回避」であり、可用性は二次的です。状況次第で停止が最適なフェールセーフ手段になります。
A1: 必要に応じて停止や機能制限を受け入れることがあります。目的は「危険回避」であり、可用性は二次的です。状況次第で停止が最適なフェールセーフ手段になります。
Q2: 冗長化があればフェールセーフは不要ですか?
A2: 冗長化は可用性を高めますが、冗長系が同じ危険を引き起こす設計であれば安全は確保できません。冗長化とフェールセーフは両方を検討すべきです。
A2: 冗長化は可用性を高めますが、冗長系が同じ危険を引き起こす設計であれば安全は確保できません。冗長化とフェールセーフは両方を検討すべきです。
Q3: 情報システムの具体例は?
A3: 例としては、誤ったデータ書き込みが発生しそうな場合にシステムが書き込みを止めて読み取り専用に切り替える、または自動的に元の安全な設定に復帰する設計などがあります。
A3: 例としては、誤ったデータ書き込みが発生しそうな場合にシステムが書き込みを止めて読み取り専用に切り替える、または自動的に元の安全な設定に復帰する設計などがあります。
関連キーワード: フェールセーフ、フェールソフト、フォールトトレランス、冗長化、安全設計、ヒューマンエラー対策、障害時対応

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