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情報セキュリティマネジメント 2018年 秋期 午前(科目A)43


問題文

ソフトウェア開発プロジェクトにおいてWBS (Work Breakdown Structure)を使用する目的として、適切なものはどれか。

選択肢

開発の期間と費用がトレードオフの関係にある場合に、総費用の最適化を図る。
作業の順序関係を明確にして、重点管理すべきクリティカルパスを把握する。
作業の日程を横棒(バー)で表して、作業の開始時点や終了時点、現時点の進捗を明確にする。
作業を階層的に詳細化して、管理可能な大きさに細分化する。(正解)

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作業分解構造(WBS)【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

WBS(Work Breakdown Structure:作業分解構造)は、プロジェクトを「階層的に」細かい作業単位に分けるための手法です。選択肢の中では、作業を階層的に詳細化して管理可能な大きさに細分化する内容が一致するため、選択肢が正しいです。WBSは「何をやるか」を明確にするための設計図であり、これがあることで担当割当・見積り・責任範囲がはっきりします。
(補足)WBSは作業の順序や日程そのものを表すものではありません。順序やクリティカルパスの把握、横棒での進捗表示などは別の手法・図で行います。

解法ステップ

  1. 問題文で「WBS」を見つける。WBSは和訳で「作業分解構造(Work Breakdown Structure)」と覚える。
  2. 選択肢のキーワードを照合する:「階層的に詳細化」「順序」「横棒(バー)」「費用最適化」など。
  3. WBSの本質は「階層的に細分化して管理単位にする」ことと判断し、該当する選択肢を選ぶ。
  4. 残りの選択肢は別の手法(ガント、CPM/PERT、工数-費用最適化)に対応するので除外する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 開発の期間と費用がトレードオフの関係にある場合に、総費用の最適化を図る。
    → これはスケジュール短縮時のコスト最適化(クラッシングやタイム・コストトレードオフ)の考え方で、WBS自体の目的ではありません。WBSは「何を分解するか」であり、直接的に総費用最適化を行うものではありません。
  • イ: 作業の順序関係を明確にして、重点管理すべきクリティカルパスを把握する。
    → 作業の順序やクリティカルパス(Critical Path:最長経路でプロジェクト全体の期間を決める作業群)は、PERT(Program Evaluation and Review Technique)やCPM(Critical Path Method:クリティカルパス法)などのネットワーク図で扱います。WBSは順序情報を含まないことが一般的です。
  • ウ: 作業の日程を横棒(バー)で表して、作業の開始時点や終了時点、現時点の進捗を明確にする。
    → 横棒で日程を表すのはガントチャート(Gantt chart:横棒図)です。ガントはスケジュール可視化の道具で、WBSを基に作られることが多いですが、WBS自体は階層構造です。
  • エ: 作業を階層的に詳細化して、管理可能な大きさに細分化する。
    → WBSの定義に合致するため正しい選択肢です。階層化して「作業パッケージ(管理できる最小単位)」を作るのが目的です。

よくある誤解

  • WBSはスケジュール図だと思う
    → WBSは「何を分解するか」。スケジュール(いつやるか)はWBSをもとにガントチャートやネットワーク図で作ります。順序や期間は別工程です。
  • WBSは細かくすれば良いと思い込み過ぎる
    → あまりに細分化すると管理が逆に増えます。目安としては「管理可能で責任者が割り当てられ、見積り可能」な粒度にします(職場では数人日〜数十人日程度を目安にすることが多いです)。

補足コラム

実務でのWBS作成のポイント(非IT部門向けの実感を優先)
  • 100%ルール:WBSの上位項目の合計は下位項目で100%カバーする(抜け漏れや重複を防ぐ)
  • 作業パッケージは「誰が」「何を」「どれくらいで終えるか」が分かるレベルにする(担当者・成果物・工数)
  • 番号付け(WBSコード)をして、見積り・進捗・請求などに一貫して使う
  • WBSはプロジェクト開始時の合意文書にもなり、外部委託時は契約範囲の基礎になる
  • 情報セキュリティ関連の施策(例:システム移行や脆弱性対応)では、WBSで責任者や試験項目を明示しておくと、漏れが減り監査対応が楽になります

FAQ

Q1: WBSとガントチャートはどちらが先に作るべきですか?
A1: まずWBS(何をするか)を作ってから、各作業に工数や順序を入れてガントチャート(いつやるか)を作ります。WBSがないとガントは曖昧になります。
Q2: WBSは誰が作成するべきですか?
A2: プロジェクトマネージャーが主導し、実作業を知る担当者(現場)と一緒に作るのが良いです。現場の意見を反映しないと粒度や項目が現実とずれます。
Q3: 作業パッケージの適切な粒度は?
A3: 組織やプロジェクトにより違いますが、管理・見積りがしやすく、担当者が明確になるレベル。短期なら「数人日」、大工程なら「数日〜数十日」を目安に調整します。

関連キーワード: WBS、作業分解構造、作業パッケージ、ガントチャート、クリティカルパス、PERT、CPM、プロジェクト管理、見積り、委託管理
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