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情報セキュリティマネジメント 2018年 春期 午前(科目A)15


問題文

A社では、インターネットを介して提供される複数のクラウドサービスを、共用PCから利用している。共用PCの利用者IDは従業員の間で共有しているが、クラウドサービスの利用者IDは従業員ごとに異なるものを使用している。クラウドサービスのパスワードの管理方法のうち、本人以外の者による不正なログインの防止の観点から、適切なものはどれか。

選択肢

各従業員が指紋認証で保護されたスマートフォンをもち、スマートフォン上の信頼できるパスワード管理アプリケーションに各自のパスワードを記録する。(正解)
各従業員が複雑で推測が難しいパスワードを一つ定め、どのクラウドサービスでも、そのパスワードを設定する。
パスワードを共用PCのWebブラウザに記憶させ、次回以降に自動入力されるように設定する。
パスワードを平文のテキストファイル形式で記録し、共用PCのOSのデスクトップに保存する。

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個人別パスワード管理【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

クラウドサービスの利用者IDが従業員ごとに異なる状況で、本人以外の者による不正ログインを防ぐには、パスワードを個人が確実に管理し、共用PC上に平文や自動入力で残さないことが重要です。は「指紋認証(指の模様で本人を確認する生体認証)」で保護されたスマートフォンを利用し、スマートフォン上の信頼できるパスワードマネージャ(パスワードを暗号化して保管し、自動入力もできる専用アプリ)に各自のパスワードを記録する方法です。スマホの生体認証とパスワードマネージャの組合せは、パスワードが共用PC上に残らず、本人以外が容易にアクセスできないため、不正ログイン防止の観点で最も適切です。

解法ステップ

  1. 何を守るかを確認:クラウドサービスのアカウントへの不正ログインを防ぐこと。
  2. リスク要因を抽出:共用PC、利用者IDの共有、パスワードの平文保存や自動入力はリスク増。
  3. 各選択肢を照合:パスワードが共用PCに残るか、個人の管理下にあるか、容易に盗まれないかで評価。
  4. 最も安全なのを選ぶ:個人の信頼できる端末で安全に暗号化保存できる仕組みがベスト →

選択肢別の誤答解説

  • :正答。スマートフォンの指紋認証(生体認証)で端末アクセスを制限し、パスワードマネージャで暗号化して保管するため、共用PCにパスワードが残らず不正利用を防げる。パスワードマネージャはマスターパスワードや生体認証で開く設計が多く、盗難時のリスクも低減できる(紛失対策は別途必要)。
  • イ:間違い。同じ複雑なパスワードを複数サービスで使う「パスワード使い回し」は、あるサービスの漏洩で他サービスも一斉に危険にさらされるため不適切。利便性のためでも危険度が高い。
  • ウ:間違い。共用PCのWebブラウザにパスワードを記憶させると、PCを操作する別の従業員がブラウザを使って簡単にログインできる。ブラウザのプロファイルが共有されていたり、PC自体が盗難・紛失した場合にも情報が露出する。
  • エ:間違い。平文(暗号化されていないそのままの形式)のテキストファイルは最も危険。OSや他ユーザ、マルウェアによって容易に閲覧・コピーされ、不正ログインにつながる。

よくある誤解

  1. 「ブラウザに保存すれば便利で安全」
    • 実際は便利だが、共用PCでは他者が使えるため安全性が大きく低下します。個人端末でもマルウェアに弱い点に注意。
  2. 「指紋認証だけで十分」
    • 生体認証は便利だが万能ではありません。端末紛失や指紋の偽造リスク、OSの脆弱性などがあるため、パスワードマネージャ+生体認証や多要素認証(MFA:Multi-Factor Authentication、複数の確認要素を使う仕組み)を併用するのが安全です。
  3. 「複雑な1つのパスワードを使えば大丈夫」
    • 複雑さだけでなく、サービスごとに異なることが重要です。使い回しは情報漏洩時の被害を拡大します。

補足コラム

職場での実務運用イメージ:
  • 会社としては、従業員各自に「企業管理下のパスワードマネージャ」を提供すると良いです。これは管理者が紛失時の復旧方針やアクセスログ確認を行えるからです。
  • 共用PCは「ゲストアカウント」や「端末の個別ログイン」を徹底し、ブラウザやデスクトップに個人情報を残さない運用ルールを作ります。
  • 可能ならクラウドサービスに対してSAMLやOAuthによるSSO(Single Sign-On:1つの認証で複数サービスにログイン)とMFAを導入すれば、個々のパスワード依存を減らせます。
運用チェック項目(簡易):
  • パスワードはサービスごとに異なるか?
  • パスワードが共用端末に保存されていないか?
  • パスワードマネージャの導入と紛失対策はあるか?
  • MFAを有効にしているか?

FAQ

Q. スマートフォンを紛失したらどうする?
A. まず会社のIT/総務に連絡して該当アカウントを一時無効化します。パスワードマネージャは多くが遠隔で端末を抹消できる機能を持ちます。普段からマスターパスワードを強化し、端末に画面ロックを設定しておきます。
Q. 個人のスマホを仕事で使わせたくない場合は?
A. 会社が管理する法人向けのスマホやMDM(Mobile Device Management:モバイル端末管理)を導入し、パスワードマネージャを企業管理下で配布・管理するとよいです。
Q. ブラウザのパスワード機能は完全にダメ?
A. 完全にダメではありませんが、共用PCや管理が不十分な端末では使うべきではありません。個人管理の端末で使う場合も、パスワードマネージャの方が安全性や管理機能で優れます。

関連キーワード: パスワード管理、パスワードマネージャ、多要素認証、共用PC対策、生体認証、パスワード使い回し、端末紛失対策、SSO、MDM
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