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情報セキュリティマネジメント 2018年 春期 午前(科目A)14


問題文

セキュリティバイデザインの説明はどれか。

選択肢

開発済みのシステムに対して、第三者の情報セキュリティ専門家が、脆弱性診断を行い、システムの品質及びセキュリティを高めることである。
開発済みのシステムに対して、リスクアセスメントを行い、リスクアセスメント結果に基づいてシステムを改修することである。
システムの運用において、第三者による監査結果を基にシステムを改修することである。
システムの企画・設計段階からセキュリティを確保する方策のことである。(正解)

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セキュリティバイデザイン【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

セキュリティバイデザイン(security by design:設計段階からの安全設計)とは、システムの企画・設計段階から脅威を想定し、対策を組み込んでおく方針です。したがって、選択肢のうち設計段階からセキュリティを確保するものである が正答になります。企画段階で対策を組み込むことで、後からの手直しに比べてコストや手間を抑えられ、欠陥を早期に防げます。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワードを探す:「企画・設計段階」「開発済み」「運用」「第三者」など。
  2. 「企画・設計段階」=初期段階から組み込む概念と結びつける。
  3. 各選択肢が「事前対策(設計段階)」か「事後対応(開発後・運用後)」かで分類する。
  4. 設計段階からの対策を示す選択肢を選ぶ(この問題では )。

選択肢別の誤答解説

  • ア:開発済みのシステムに対して第三者が脆弱性診断を行う、という内容です。
    • 脆弱性診断は既存システムの弱点を探す作業であり、事後の検査・改善に当たります。セキュリティバイデザインの「設計段階から組み込む」という本質とは異なります。
    • 脆弱性診断(vulnerability assessment/脆弱性の洗い出し)とは、システムの弱点を見つける作業です。
  • イ:開発済みのシステムをリスクアセスメント(危険を評価する作業)に基づいて改修する、という内容です。
    • リスクアセスメント(risk assessment:リスクの評価)は重要ですが、これも通常は既存のシステムに対する事後対応であり、設計段階からの組み込みとは違います。
  • ウ:運用段階で監査結果を元に改修する、という内容です。
    • 監査(audit:規程や運用の適合性を第三者等が確認すること)に基づく改修も事後対応で、やはり設計段階での組み込みとは異なります。
  • エ:システムの企画・設計段階からセキュリティを確保する方策である。
    • これがセキュリティバイデザインそのものです。設計時に脅威分析やセキュリティ要件を盛り込み、後の工程での手戻りを減らします。

よくある誤解

  • 「セキュリティバイデザインは単なるチェックリスト導入だ」
    • チェックリストは一部に過ぎません。本質は脅威を想定して設計決定(認証方式、権限設計、暗号化など)を行うことです。
  • 「後からセキュリティ対策すれば同じだ」
    • 後付けは手戻りが大きく、設計上の前提(データフローや権限設計)に深く関わる欠陥は修正が難しく高コストになります。
  • 「セキュリティはIT部門だけの仕事だ」
    • 企画・業務要件、法務、運用担当など複数部門の協働が必要です。設計段階で関係者を巻き込むことが重要です。

補足コラム

実務での導入例(イメージ):
  • 企画フェーズで「扱う個人情報」「想定される不正操作」「可用性要件」を明確化。
  • 設計フェーズで「最小権限(least privilege)」「デフォルト安全(fail-safe defaults)」「防御の層(defense-in-depth)」を採用。
  • 開発パイプラインに自動化ツールを組み込み(例:SAST(Static Application Security Testing:静的解析ツール)やセキュリティ要件のチェック)して、早期に問題を検出。
    職場では「要件定義書にセキュリティ要件を必ず入れる」「設計レビューに関係部署を含める」「ベンダー契約にセキュリティ基準を明記する」などが実務的な対策になります。

FAQ

Q1: セキュリティバイデザインとセキュリティバイデフォルトの違いは?
A1: セキュリティバイデザインは設計段階から組み込む総合方針です。セキュリティバイデフォルト(secure by default)は、ユーザが何も設定しなくても安全な初期設定にするという考え方で、バイデザインの一部と考えられます。
Q2: 企業で誰が責任を持つべきですか?
A2: 経営層のコミットメントが前提です。実務ではプロジェクトマネージャー、システム設計者、セキュリティ担当者、利用部門が協働します。
Q3: 小規模プロジェクトでも必要ですか?
A3: 必要です。規模に応じて簡易な脅威分析やセキュリティ要件を導入するだけでも、後のトラブルを減らせます。

関連キーワード: セキュア設計、シフトレフト、脅威モデリング、脆弱性診断、リスクアセスメント、最小権限、デフォルト安全、SAST、防御の層、設計レビュー
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