戦国IT - 情報処理技術者試験の過去問対策サイト
ブログお知らせお問い合わせ料金プラン

情報セキュリティマネジメント 2019年 秋期 午前(科目A)04


問題文

退職する従業員による不正を防ぐための対策のうち、IPA “組織における内部不正防止ガイドライン(第4版)”に照らして、適切なものはどれか。

選択肢

在職中に知り得た重要情報を退職後に公開しないように、退職予定者に提出させる秘密保持誓約書には、秘密保持の対象を明示せず、重要情報を客観的に特定できないようにしておく。
退職後、同業他社に転職して重要情報を漏らすということがないように、職業選択の自由を行使しないことを明記した上で、具体的な範囲を設定しない包括的な競業避止義務契約を入社時に締結する。
退職者による重要情報の持出しなどの不正行為を調査できるように、従業員に付与した利用者IDや権限は退職後も有効にしておく。
退職間際に重要情報の不正な持出しが行われやすいので、退職予定者に対する重要情報へのアクセスや媒体の持出しの監視を強化する。(正解)

🔒 解説は解答すると表示されます

退職者の内部不正対策【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構;英語: Information-technology Promotion Agency)が示す「組織における内部不正防止ガイドライン(第4版)」に照らすと、最も適切なのは の「退職間際のアクセス監視強化」です。理由は次の通りです。
  • 退職直前は重要情報の持出しや不正利用が発生しやすい「リスク期」だからです。ここでアクセス権の制限や監視を強化することは、被害の発生抑止と早期検知に直結します。
  • ガイドラインは、役割に応じた最小権限(必要最小限のアクセス)や、退職時のアカウント管理・ログ監視・機器回収の運用を推奨しています。監視強化はこれら運用の一部であり現実的かつ効果的です。
  • 監視やアクセス制御は、他の選択肢(曖昧な誓約書や包括的な競業避止、退職後もIDを有効にする等)よりも、法的・実務的に有効かつ実行可能な対策です。
したがって、ガイドラインに沿った適切な実務対策として該当するのは です。

解法ステップ

  1. 「何を守るのか」を明確にする:重要情報(顧客名簿、技術資料、設計図など)の不正持出し・漏えいを防ぐ。
  2. 各選択肢が「予防」「検出」「法的拘束力」のどれに寄っているか分類する。
  3. IPA ガイドラインの基本方針と照らし合わせる:
    • 権限は最小化する(Least Privilege)
    • 具体的で特定可能な誓約が必要
    • 不当に職業選択の自由を制限すべきでない
    • 退職時のアカウント停止・記録保持・監視が推奨される
  4. 上記基準に合致する選択肢を選ぶ(この場合は )。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 「範囲を明示しない秘密保持誓約書」は不適切。秘密保持契約(NDA:Non-Disclosure Agreement/秘密を守る契約)は、どの情報が「秘密」かを客観的に特定しないと、後で法的に効力を持たず、運用上も混乱を招きます。IPAも明確化を求めます。
  • イ: 「包括的な競業避止義務で職業選択の自由を奪う」は問題。職業選択の自由は労働法上重要で、範囲や期間が不合理に広い競業避止契約は無効または制限される可能性があります。ガイドラインは合理的・限定的な措置を求めます。
  • ウ: 「退職後も利用者IDや権限を有効にする」は危険。アカウントが有効なままだと容易に不正利用でき、ログだけでは被害防止になりません。むしろ退職に伴い権限を速やかに見直し・停止するのが基本です。
  • エ: 監視強化はガイドラインに合致。退職時期に合わせたアクセス制御、ログの強化監視、媒体持出しのチェック、機器回収などの強化は予防と検出両面で有効です(現場運用としても実装しやすい)。

よくある誤解

  1. 「誓約書に書けば安心」
    → 誓約書は抑止力になるが、内容があいまいだと法的効力が薄く、実際の検出・防止には運用(アクセス制限・ログ監視・回収)が必要です。
  2. 「包括的な競業避止なら完全に防げる」
    → 広範な競業避止は労働者の職業選択の自由を侵害し、無効になることがあるため、現実的な予防策とは言えません。
  3. 「退職後にIDを残しておけば問題を追跡できる」
    → 追跡だけでなく、そもそも不正ができないように退職前後で権限を削減・停止するべきです。追跡は補助策です。

補足コラム

職場での具体的な運用イメージ(実務チェックリスト)
  • 退職予定者の洗い出し:誰がいつ退職するかを人事とITで共有する。
  • アクセス権の見直し:退職日や退職予告期間に合わせて不要な権限を段階的に削除する(最小権限の適用)。
  • 監視強化:該当者の重要ファイルアクセス・メール送信・外部メディアの使用を重点的にログ取得・アラート設定する。DLP(Data Loss Prevention:データ流出防止)ツールの活用が有効です。
  • 機器・媒体の回収:ノートPCやUSB、スマホ等を退職前後で回収・点検する。
  • 退職面談:退職理由の確認、機密情報に関する再確認、誓約書の確認、連絡先の交換。
  • 法務との連携:必要ならば秘密保持の範囲や退職後の取扱いについて法務と相談する。
注意点:監視やログ取得はプライバシー・労働法に配慮して行うこと。就業規則や個人情報保護方針で事前に取り扱いを明示しておくと運用しやすくなります。

FAQ

Q1: 監視を強化するとプライバシーの問題になりませんか?
A1: 監視は「必要性・比例性」を満たす必要があります。重要情報保護のために限定的・目的を明確にし、就業規則や個人情報方針で事前に通知しておくことが大切です。必要に応じて労務・法務と相談しましょう。
Q2: 競業避止はまったく使えないのですか?
A2: 全面的に使えないわけではありません。合理的な範囲(業種・地域・期間)で、対価や具体性がある場合は認められやすいです。無制限・包括的な契約は避けるべきです。
Q3: 監視だけで十分ですか?
A3: 監視は検出・抑止に有効ですが、最善は多層防御(アクセス権管理、物理回収、誓約書、教育、監視の組合せ)です。一つに頼らず複数の対策を組み合わせて運用します。

関連キーワード: 内部不正, 退職管理, アクセス制御, DLP, 秘密保持, 競業避止, ログ監視, 権限管理
← 前の問題へこの年度をクイズで解く次の問題へ →
戦国ITクイズ機能

\ せっかくなら /

情報セキュリティマネジメント
クイズ形式で学習しませんか?

クイズ画面へ遷移する

すぐに利用可能!

©︎2026 情報処理技術者試験対策アプリ

このサイトについてブログプライバシーポリシー利用規約特商法表記開発者について