情報セキュリティマネジメント 2019年 秋期 午前(科目A) 問07
問題文
SPF(Sender Policy Framework)の仕組みはどれか。
選択肢
ア:電子メールを受信するサーバが、電子メールに付与されているディジタル署名を使って、送信元ドメインの詐称がないことを確認する。
イ:電子メールを受信するサーバが、電子メールの送信元のドメイン情報と、電子メールを送信したサーバのIPアドレスから、送信元ドメインの詐称がないことを確認する。(正解)
ウ:電子メールを送信するサーバが、電子メールの宛先のドメインや送信者のメールアドレスを問わず、全ての電子メールをアーカイブする。
エ:電子メールを送信するサーバが、電子メールの送信者の上司からの承認が得られるまで、一時的に電子メールの送信を保留する。
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SPF(送信ドメイン認証)【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
SPFは「Sender Policy Framework(送信元ポリシーの枠組み)」の略で、送信ドメインの詐称(なりすまし)を防ぐために使われます。仕組みは、受信側のメールサーバが、送信者のドメインが公開しているDNS(Domain Name System:ドメイン名をIPアドレスに変換する仕組み)上のSPF情報と、実際にメールを送ってきたサーバのIPアドレスを照合する点にあります。したがって選択肢イの説明が正しいです。
要点を簡単にまとめると:
- ドメイン所有者がDNSに「どのメールサーバがそのドメインから送信してよいか」を記述する(SPFレコード)。
- 受信メールサーバは、送信元のIPとそのSPFレコードを照合し、許可されていなければ受信を拒否したりマークします。
この仕組みは電子署名(後述のDKIM)とは異なり、署名ではなく「送信元サーバのIP許可リスト」を使って検証します。よって選択肢ア(電子署名で検証する)はDKIMに当たり、SPFとは別ものです。
解法ステップ
- 問題文で「SPF」の略称と目的を思い出す(SPF = Sender Policy Framework)。
- 各選択肢が「どの情報を使って検証するか」を比較する。
- 署名を使うか(署名=DKIM)、
- 送信元ドメイン情報と送信サーバのIPを使うか(SPF)、
- 送信側でのアーカイブや承認保留か(運用ルールでありSPFではない)。
- 「送信元ドメイン情報と送信サーバのIPアドレス」を使う説明と一致する選択肢を選ぶ(イ)。
選択肢別の誤答解説
- ア: 電子署名を使う説明です。電子署名を使って送信ドメインの真正性を確認する仕組みはDKIM(DomainKeys Identified Mail:送信ドメインに鍵で署名する方式)であり、SPFとは別です。したがって誤りです。
- イ: 受信サーバが送信元ドメインのDNSにあるSPFレコードと、実際の送信サーバのIPを照合する、これがSPFの本質です。正解です。
- ウ: 送信サーバ側で全メールをアーカイブするというのはログ保存や記録の運用であり、SPFの機能とは関係ありません。誤りです。
- エ: 送信を上司の承認まで保留するのは組織のワークフロー(送信承認)の話で、SPFとは無関係です。誤りです。
よくある誤解
- 「SPFだけで完全になりすます攻撃を防げる」と思う誤解
→ SPFは有効ですが、メールの宛先ヘッダ(To:)や転送経路により検証が回避される場合があります。DKIMやDMARCと組み合わせるのが実務では推奨されます。 - 「SPFは送信メール自体に署名を付ける方式」だと思う誤り
→ SPFは署名を付ける方式ではなく、DNSのテキストレコード(TXT)に許可する送信元IPを列挙する方式です。署名方式はDKIMです。
補足コラム
- 実際のSPFの運用イメージ(職場での導入)
- ドメイン管理者(社内ITまたはベンダー)がDNSにSPFレコードを追加します。例:自社のメール送信サービスやクラウドメールの送信IPを列挙します。
- 受信側のメールサーバは、メール受信時に送信元IPがそのドメインのSPFレコードに含まれているかを確認します。含まれていなければ「softfail」「fail」などの結果を返し、受信拒否や迷惑メール判定に使います。
- 実務では、まず「~all(ソフトフェイル)」運用で様子を見てから「-all(厳格拒否)」に移行するなど段階的な設定が用いられます。
- 簡単なSPFレコード例(DNSのTXTレコード)
v=spf1 ip4:203.0.113.5 include:mail.example.net ~all
-
v=spf1:SPFバージョン
-
ip4:203.0.113.5:このIPからの送信を許可
-
include:mail.example.net:外部サービスの送信も許可
-
~all:その他は「ソフトフェイル(許可しないが厳密ではない)」を意味
-
SPFは送信パス(メール中継)で正しく機能しないことがあるため、DKIM(電子署名)やDMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting & Conformance:送信ドメインポリシー)と併用するのが現場での常識です。
FAQ
Q1: SPFはどこに設定するのですか?
A1: ドメインのDNS(TXTレコード)に設定します。ドメイン管理(レジストラやDNSサービス)の管理画面で設定することが多いです。
A1: ドメインのDNS(TXTレコード)に設定します。ドメイン管理(レジストラやDNSサービス)の管理画面で設定することが多いです。
Q2: 社外のメール配信サービスを使っている場合はどうする?
A2: そのサービスが送信するIPやドメインをSPFのincludeやip指定で許可する必要があります。サービス提供元のマニュアルに従って設定します。
A2: そのサービスが送信するIPやドメインをSPFのincludeやip指定で許可する必要があります。サービス提供元のマニュアルに従って設定します。
Q3: 受信側でSPFが「fail」になったら必ず受信拒否されますか?
A3: 受信側のポリシー次第です。多くは「迷惑メール」として扱うか、送信者にリジェクトするかを選べます。企業のメールゲートウェイでポリシーが設定されます。
A3: 受信側のポリシー次第です。多くは「迷惑メール」として扱うか、送信者にリジェクトするかを選べます。企業のメールゲートウェイでポリシーが設定されます。
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