情報セキュリティマネジメント 2019年 秋期 午前(科目A) 問09
問題文
JIS Q 27002:2014 には記載されていないが、JIS Q 27017:2016 において記載されている管理策はどれか。
選択肢
ア:クラウドサービス固有の情報セキュリティ管理策(正解)
イ:事業継続マネジメントシステムにおける管理策
ウ:情報セキュリティガバナンスにおける管理策
エ:制御システム固有のサイバーセキュリティ管理策
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クラウド固有の管理策【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
JIS Q 27002:2014(情報セキュリティ管理の一般的な管理策を示す規格)に対して、JIS Q 27017:2016 はクラウドサービス特有の運用や役割分担に着目した追加の指針を示します。したがって、クラウドサービスに固有の管理策を扱う選択肢、つまり選択肢アが正解です。JIS Q 27017 は、クラウド事業者(サービス提供者)とクラウド利用者(顧客)間の責任分界や仮想化に伴う留意点など、クラウド特有のリスクに対する管理策を補足しています。
(補足)JIS Q 27002 は汎用的な情報セキュリティ管理策を示す規格です。JIS Q 27017 はその汎用策に加え、クラウド固有の注意点を扱う拡張規格と理解してください。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを確認:「JIS Q 27002」「JIS Q 27017」「記載されていないが…」。
- 規格の目的を簡単に思い出す:27002 は一般的な管理策、27017 はクラウドに特化した追加指針。
- 各選択肢と規格の範囲を照らし合わせる。クラウド固有の内容なら27017、制御システムや事業継続などクラウド特有でないものは27002に既に含まれるか別規格扱い。
- 最も該当する選択肢を選ぶ → クラウド固有を扱う ア を選択。
選択肢別の誤答解説
-
ア: クラウドサービス固有の情報セキュリティ管理策
→ 正解。JIS Q 27017 はクラウドの特性(共有責任、仮想化、データ分離、退去時のデータ消去など)に対する具体的な管理策を示すため、ここに該当します。 -
イ: 事業継続マネジメントシステムにおける管理策
→ 誤り。事業継続(Business Continuity Management:BCM)の管理策は JIS Q 27002 にも含まれているか、別途事業継続マネジメント規格(例:ISO 22301)で詳述されます。27017 はクラウド固有の視点を追加するものであり、BCM全般のための新しい管理策を主目的とはしていません。 -
ウ: 情報セキュリティガバナンスにおける管理策
→ 誤り。ガバナンス(組織の方針や責任分担)は 27002 の基本領域です。27017 はその上にクラウド特有の実務上の注意点を加えるため、ガバナンスそのものが新規の主題とはなりません。 -
エ: 制御システム固有のサイバーセキュリティ管理策
→ 誤り。産業用制御システム(ICS)や組込み制御系のサイバーセキュリティは、IEC/ISA 62443 など別の規格群が専門領域です。27017 はクラウドに焦点を当てており、制御システム固有の管理策を扱うものではありません。
よくある誤解
-
「27017 は 27002 を置き換える」
→ 誤解です。27017 は 27002 の代わりではなく、クラウド特有の追加指針(拡張)です。27002 の基本を理解した上で、クラウドに適用するための補足を参照します。 -
「クラウドを使えば全部クラウド事業者の責任」
→ 誤解です。クラウドでは「責任分界(Shared Responsibility)」が重要で、何を事業者が担うか、顧客が担うかを契約で明確にします。27017 はこの点を明示的に扱います。
補足コラム
JIS Q 27017 に含まれる具体的なクラウド固有の管理策の例(イメージ):
- 役割と責任の明確化:クラウド事業者と顧客の責任(管理する項目)を契約書やSLAで明文化する。
- 仮想化環境の分離:同一物理ホスト上の複数テナント間でデータが漏れないようにする対策。
- データの帰属と消去:契約終了時に顧客データを安全に返却・消去する手順の確立。
- 管理者特権の扱い:クラウド事業者の管理者アクセスに関する監査と制御。
職場での運用イメージ:クラウドを利用する際、総務や購買がベンダーと契約する段階で「クラウド責任分界表」や「データ消去手順」を求めるチェックリストを作成すると実務で使いやすくなります。
FAQ
Q: JIS Q 27017 は全クラウド事業者に義務ですか?
A: 規格自体は強制力のないガイドラインです。法律ではありません。ですが、契約や監査で求められることがあり、ベストプラクティスとして採用されます。
A: 規格自体は強制力のないガイドラインです。法律ではありません。ですが、契約や監査で求められることがあり、ベストプラクティスとして採用されます。
Q: 既に 27002 に従っていれば 27017 は不要ですか?
A: 27002 の対応は基本です。クラウドを使うなら、クラウド固有のリスクに対応するために 27017 の考え方やチェック項目を追加することが推奨されます。
A: 27002 の対応は基本です。クラウドを使うなら、クラウド固有のリスクに対応するために 27017 の考え方やチェック項目を追加することが推奨されます。
Q: 27017 を参照するのはクラウド事業者だけですか?
A: いいえ。クラウド利用者(顧客)も、契約条件や運用ルールを決める際に参考にします。両者で共通理解を持つことが重要です。
A: いいえ。クラウド利用者(顧客)も、契約条件や運用ルールを決める際に参考にします。両者で共通理解を持つことが重要です。
関連キーワード: JIS Q 27002、JIS Q 27017、ISO/IEC 27017、クラウドセキュリティ、責任分界、データ消去、仮想化隔離、管理策

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