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情報セキュリティマネジメント 2019年 秋期 午前(科目A)27


問題文

クレジットカードなどのカード会員データのセキュリティ強化を目的として制定され、技術面及び運用面の要件を定めたものはどれか。

選択肢

ISMS適合性評価制度
PCI DSS(正解)
特定個人情報保護評価
プライバシーマーク制度

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カード会員データ保護基準【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

設問は「クレジットカードなどのカード会員データのセキュリティ強化を目的として制定され、技術面及び運用面の要件を定めたもの」を問うています。選択肢のうち、のPCI DSSは、Payment Card Industry Data Security Standard(クレジットカード会員データ保護基準)であり、まさにカード会員データ(カード番号、有効期限、カード名義など)の保護のために技術的要件(暗号化、ファイアウォール、脆弱性管理など)と運用上の要件(アクセス制御、ログ管理、セキュリティポリシー、教育など)を具体的に定めた国際基準です。したがってが正解です。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワードを見つける:今回は「クレジットカード」「カード会員データ」「技術面及び運用面の要件」。
  2. 各選択肢の目的を簡単に当てはめる:
    • カード会員データに特化した基準かどうかを確認する。
  3. カード情報に特化した国際的な標準があればそれを選ぶ。ここでは PCI DSS が該当する。
短く言えば、「カード情報=PCI DSS」と覚えておけば解けます。

選択肢別の誤答解説

  • ア: ISMS適合性評価制度
    ISMSは Information Security Management System(情報セキュリティマネジメントシステム)の略で、組織全体の情報セキュリティ管理体系を評価・認証する制度です。汎用的な枠組みでありカード会員データに特化した技術的要件までは定めません。したがって設問の趣旨と一致しません。
  • イ: PCI DSS
    正解です。カード会員データに特化した技術面・運用面の詳細な要件を定めます。
  • ウ: 特定個人情報保護評価
    「特定個人情報」は主にマイナンバー(個人番号)などを指します。特定個人情報保護評価はその取り扱いに関する評価であり、カード会員データ全般の技術・運用要件を定めるものではありません。
  • エ: プライバシーマーク制度
    プライバシーマーク制度は事業者が個人情報(顧客情報など)を適切に扱っているかを示す制度で、個人情報保護の取り組みの有無や組織運用を評価します。カード会員データのための技術的な詳細要件(例:カード番号の暗号化やログ管理の具体基準)は PCI DSS に比べて明確ではありません。

よくある誤解

  • PCI DSSは「ただの技術基準」だと思う誤解。
    実際には技術的対策だけでなく、運用面(ポリシー、教育、監査、インシデント対応)も含みます。
  • プライバシーマークやISMSと混同する誤解。
    どちらも情報保護に関係しますが、プライバシーマークは主に個人情報保護のための組織運用を示すマーク、ISMSは組織の管理体系の認証で、カード専用の細かい技術要件は PCI DSS が規定します。
  • 「法律」で規定されたものと考える誤解。
    PCI DSS自体は法令ではなく、カードブランドや加盟店契約(カード会社・決済代行会社との契約)により準拠が求められます。つまり契約や業界ルールとして実効力があります。

補足コラム

職場での運用イメージ(非IT担当者向け)
  • 自社でクレジットカード決済を扱う場合、決済の仕組み(POS端末、ECサイトの決済フォーム、カード番号の保管など)がPCI DSSの対象になります。
  • 対策の実例:カード番号を自社で保管しない(トークン化や決済代行業者の利用)、決済処理システムを分離したネットワークに置く、定期的な脆弱性スキャンやログの監視を行う、従業員にカード情報の取り扱い教育を行う。
  • 外部に委託する場合は、決済代行事業者(PSP:Payment Service Provider)などがPCI DSS準拠かどうか(証明書やレポート)を確認するのが実務的です。これにより自社の負担を減らせます。
補助用語(初出での説明)
  • PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard:クレジットカード会員データ保護基準)
  • ISMS(Information Security Management System:情報セキュリティマネジメントシステム)
  • PSP(Payment Service Provider:決済代行事業者)
  • SAQ(Self-Assessment Questionnaire:自己診断票)・QSA(Qualified Security Assessor:認定評価者)
    これらはPCI DSSの準拠を確認するために使われます。簡単に言えば、自己チェック票(SAQ)や外部評価者(QSA)による評価で準拠状況を示します。

FAQ

Q1: PCI DSSは法律ですか?
A1: いいえ。PCI DSS自体は法律ではありません。カードブランド(Visa、Mastercard など)や加盟店契約を通じて準拠が求められます。違反すると取引停止や罰則が発生する可能性があります。
Q2: 自社でカード番号を扱わなければPCI DSSは関係ないですか?
A2: 基本的には関係が薄くなります。カード情報を一切扱わない(決済を完全に外部に委託する)運用であれば範囲(スコープ)は小さくなりますが、契約上の確認は必要です。
Q3: プライバシーマークとPCI DSSのどちらを取ればよいですか?
A3: 目的が違います。個人情報全般の管理体制を示したいならプライバシーマーク、カード会員データの具体的な技術・運用要件に対応したいならPCI DSSが適しています。両方取得する組織もあります。
Q4: 非ITの担当者がまずやるべきことは?
A4: 決済に関わる業務フローを洗い出し、どこでカード情報が発生・伝送・保管されるかを把握すること。外部委託先のPCI準拠状況を確認することも重要です。

関連キーワード: カード会員データ、PCI DSS、カード情報保護、決済代行、トークン化、アクセス制御、脆弱性管理、運用ルール、監査、SAQ、QSA
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