情報セキュリティマネジメント 2019年 秋期 午前(科目A) 問33
問題文
シュリンクラップ契約において、ソフトウェアの使用許諾契約が成立するのはどの時点か。
選択肢
ア:購入したソフトウェアの代金を支払った時点
イ:ソフトウェアの入ったDVD-ROMを受け取った時点
ウ:ソフトウェアの入ったDVD-ROMの包装を解いた時点(正解)
エ:ソフトウェアをPCにインストールした時点
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シュリンクラップ契約【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
シュリンクラップ契約とは、パッケージ(包装)内に使用許諾条件(EULA:End User License Agreement:エンドユーザー使用許諾契約)が入っていて、その包装を破って中身を取り出した時点で契約に同意したとみなす方式です。したがって、ソフトウェアの使用許諾契約が成立するのは包装を解いた瞬間、すなわちウの時点です。
ポイントは「包装という封の開封が、契約の承諾(acceptance)を示す行為と扱われる」ことです。
ポイントは「包装という封の開封が、契約の承諾(acceptance)を示す行為と扱われる」ことです。
(補足)法的には、相手方が利用条件の存在を知り、開封前に返品などの選択肢が与えられているかなども考慮されますが、問題の文脈では典型的なシュリンクラップの成立時点として包装開封が正答です。
解法ステップ
- 用語を確認:シュリンクラップ契約=包装を開けることで同意が成立する形態。EULA(使用許諾)が包装内にある。
- 選択肢の各事象を「申し込み(offer)」と「承諾(acceptance)」の観点で評価する。
- 「代金支払い」「受領」よりも「包装を解く」行為が明確に承諾を示す行為であると判断する。
- よって包装を解いた時点(ウ)を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
-
ア(代金を支払った時点)
代金支払いは購入の意思表示・契約の一部ですが、シュリンクラップでは使用条件が包装内にあるため、支払いだけで「その使用条件に同意した」とは限りません。支払った後に条件を見て返品を選べる場合があるため、成立の時点とは異なります。 -
イ(DVD-ROMを受け取った時点)
受領は物理的な受け取りであって、まだ包装を開けて条件に接していないので、同意の行為とはみなされません。受け取っただけでは使用許諾の承諾を示したことになりません。 -
ウ(DVD-ROMの包装を解いた時点)
正しい。包装を破る行為が使用許諾条項に対する承諾と扱われるため、契約が成立します。 -
エ(ソフトウェアをPCにインストールした時点)
インストール時に画面上でライセンス同意を求める形式(クリックして同意するタイプ=クリックラップ)はありますが、これは別の契約形態です。シュリンクラップ問題では「パッケージの開封」が成立時点なので、インストール時点は正解ではありません。ただし実務ではインストール時の同意画面で契約が成立する場合も多い点に注意してください。
よくある誤解
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「代金を払ったらすぐ契約成立」だと思い込む
→ 支払いは取引の一部でも、使用条件の同意は別の行為で決まることがあります。 -
シュリンクラップとクリックラップを混同する
→ シュリンクラップは物理包装の開封で成立、クリックラップは画面上の「同意」を押すことで成立します。 -
「開封すれば必ず有効」と考える
→ 条件提示の仕方や返品可能性など、状況次第で裁判所の判断が変わることもあります。現場では注意が必要です。
補足コラム
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EULA(End User License Agreement:エンドユーザー使用許諾契約)とは?
ソフトウェアの利用条件を書いた文書です。初出で説明した通り、内容には使用範囲、禁止行為、保証の限定などが含まれます。 -
他の契約形態との違い(簡単に)
- クリックラップ(クリックラップ、clickwrap):ダウンロードやインストール時に「同意する」を押すことで成立。オンライン配布で多い。
- ブラウズラップ(browsewrap):ウェブサイトに利用規約が掲示され、サイトの利用自体が同意と見なされるタイプ。法的に不利になりやすい。
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職場での実務イメージ
物理メディアを総務や購買が受け取ったら、まずパッケージを勝手に開封せず、ライセンス条項を確認する運用ルールを作ると良いです。開封前に返品可能かを確認し、使用可否を決めることで不要な法的リスクを避けられます。デジタル配布では、インストール時の同意画面のスクリーンショットや承諾ログを保存しておくと管理が楽になります。
FAQ
Q. 開封した社員が承諾してしまった場合、会社は契約で縛られますか?
A. 原則として、従業員が会社の業務で行った行為は会社に帰属します。開封が社内の業務指示に沿うものであれば会社側が契約で拘束される可能性があります。社内ルールで「開封前に購買部へ連絡」などを明確にしておくとよいです。
A. 原則として、従業員が会社の業務で行った行為は会社に帰属します。開封が社内の業務指示に沿うものであれば会社側が契約で拘束される可能性があります。社内ルールで「開封前に購買部へ連絡」などを明確にしておくとよいです。
Q. ダウンロード版やストリーミングではどうなりますか?
A. 多くはインストール時やダウンロード時に画面で同意を求めるクリックラップ形式です。その場合は同意ボタンを押した時点で契約が成立します。
A. 多くはインストール時やダウンロード時に画面で同意を求めるクリックラップ形式です。その場合は同意ボタンを押した時点で契約が成立します。
Q. 未開封のまま返品すれば契約は無効になりますか?
A. 販売業者の返品ポリシーや契約条件次第ですが、未開封で返品が認められるなら契約成立前に取り消せることが多いです。事前に返品条件を確認してください。
A. 販売業者の返品ポリシーや契約条件次第ですが、未開封で返品が認められるなら契約成立前に取り消せることが多いです。事前に返品条件を確認してください。
関連キーワード: シュリンクラップ, EULA(使用許諾契約), クリックラップ, ブラウズラップ, ライセンス管理, ソフトウェア契約, 開封同意, 購買運用, 返品ポリシー

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