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情報セキュリティマネジメント 2019年 秋期 午前(科目A)35


問題文

A社は、A社で使うソフトウェアの開発作業をB社に実施させる契約を、B社と締結した。締結した契約が労働者派遣であるものはどれか。

選択肢

A社監督者が、B社の雇用する労働者に、業務遂行に関する指示を行い、A社の開発作業を行わせる。(正解)
B社監督者が、B社の雇用する労働者に指示を行って成果物を完成させ、A社監督者が成果物の検収作業を行う。
B社の雇用する労働者が、A社の依頼に基づいて、B社指示の下でB社所有の機材・設備を使用し、開発作業を行う。
B社の雇用する労働者が、B社監督者の業務遂行に関する指示の下、A社施設内で開発作業を行う。

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労働者派遣の判定基準【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

労働者派遣(派遣:派遣会社が雇用する労働者を他社に派遣し、派遣先の指揮命令に従わせる働き方)かどうかは、誰が「業務の指示・管理(指揮命令)」を行っているかで決まります。問題文では、A社の監督者がB社の雇用する労働者に対して業務遂行の指示を行っている点が重要です。この状況は、派遣の要件を満たします。したがって正解は、A社側が指揮命令を行っている です。
(補足)「請負(うけおい:結果を納める契約で、作業方法や指揮は原則として請負側が管理する)」とは対照的です。請負では成果物を納める責任が請負側にあり、仕事の進め方や指示系統は請負側にあります。

解法ステップ

  1. 「誰が作業者に指示しているか」を探す。
    • クライアント(発注者)が直接指示すれば派遣の可能性が高い。
    • 受託者(請負側・委託側)の監督者が指示していれば請負など。
  2. 「成果物の責任や検収方法」を確認する。
    • 受託側が成果責任を負い、自ら方法を決める → 請負寄り。
    • 作業のやり方を発注側が細かく決める → 派遣寄り。
  3. 「作業場所・機材の所有」は補助判断に使う(場所や機材だけで派遣は決まらない)。
  4. 上の観点を各選択肢に当てはめる(指揮命令者を最重要視)。
この問題では、「A社監督者がB社雇用の労働者に業務遂行の指示を行う」点で1の条件を満たすため、を選びます。

選択肢別の誤答解説

  • : A社監督者がB社雇用の労働者に業務遂行の指示を行っている。指揮命令系統がA社にあるため、労働者派遣に該当する。
  • イ: B社監督者がB社雇用の労働者に指示して成果物を完成させ、A社は検収のみを行う。ここは典型的な請負(成果契約)であり、派遣ではない。発注側は成果を確認する立場。
  • ウ: B社の雇用する労働者がB社の指示で、B社所有の機材・設備を使って作業する。指揮命令・設備ともにB社側にあり、請負や業務委託に該当する。場所や依頼があっても、指揮命令者がB社なので派遣にあたらない。
  • エ: B社の労働者がA社施設内で作業しているが、B社監督者の指示下にある。作業場所がA社であっても、指揮命令がB社にあるため派遣ではない(「常駐」している業務委託の形態など)。

よくある誤解

  1. 「現場(A社)に常駐していれば自動的に派遣だ」
    • 場所だけでは判断できません。誰が指揮命令しているかが決め手です。
  2. 「設備や機材をA社のものを使ったら派遣になる」
    • 機材所有も補助的要素で、指揮命令者が最重要です。
  3. 「検収をA社がする=派遣」
    • 検収(成果の確認)をするだけでは派遣にはなりません。作業指示の実態を見る必要があります。

補足コラム

職場での運用イメージ:委託先(B社)に業務を任せるときは、契約書に「指揮命令系統」「成果物の範囲」「作業方法の決定者」「労働時間管理」「安全衛生の責任」などを明確にします。特に長期で常駐する場合、発注側が具体的業務指示や日常的な作業管理を行うと、形式上は委託契約でも実態は派遣と判断されるリスクがあります。法的な誤分類は労働法上の問題や罰則につながるため、契約と現場の運用をそろえることが重要です。

FAQ

Q1: A社が「作業の細かい手順」を指示したら必ず派遣ですか?
A1: 基本的には指揮命令の程度が強く、実働の指示がA社から出ると派遣に該当しやすいです。最終判断は指示の具体性・継続性など実態を見て行われます。
Q2: B社が成果責任を負っている場合は必ず請負ですか?
A2: 成果責任は請負の重要な要素ですが、同時に発注側が日常的に作業指示をしていると、実態として派遣と判断される可能性があります。成果責任の有無だけで判断しない点に注意してください。
Q3: セキュリティ観点で注意することは?
A3: 派遣か請負かにかかわらず、外部作業者が社内システムやデータに触れる場合はアクセス権限の最小化、ログ記録、機密保持契約(NDA)などを運用で徹底してください。発注側が指示を出す場合は特に情報漏えいリスク管理を強化します。

関連キーワード: 労働者派遣、請負、指揮命令系統、常駐派遣、業務委託、契約管理
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