情報セキュリティマネジメント 2019年 秋期 午前(科目A) 問45
問題文
Webシステムの性能指標のうち、応答時間の説明はどれか。
選択肢
ア:Webブラウザに表示された問合せボタンが押されてから、Webブラウザが結果を表示し始めるまでの時間(正解)
イ:Webブラウザを起動してから、最初に表示するようにあらかじめ設定したWebページの全てのデータ表示が完了するまでの時間
ウ:サーバ側のトランザクション処理が完了してから、Webブラウザが結果を表示し始めるまでの時間
エ:ダウンロードを要求してから、ダウンロードが完了するまでの時間
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応答時間(レスポンス)【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
応答時間(レスポンスタイム)は、利用者が操作してからシステムが結果の表示を「開始する」までにかかる時間を指します。ここでの「利用者の操作」はボタンを押すなどの入力、「表示を始める」はブラウザ(Web閲覧ソフト)が結果の描画を開始することを意味します。選択肢のうち、この定義に当てはまるのは ア です。ア は「ボタンが押されてからブラウザが結果表示を始めるまで」と明確にユーザ操作→表示開始の全経路を含んでおり、一般的な「応答時間」の定義と一致します。
解法ステップ
- 問題文で問われている「応答時間」が何を測るかを短く整理する:ユーザの要求(ボタン押下)から結果表示の開始まで。
- 各選択肢の開始点と終了点を確認する:
- 開始点が「ユーザ操作」かどうか?
- 終了点が「表示開始」か「表示完了」か、あるいは別の出来事か?
- 「ユーザ操作 → 表示開始」を満たす選択肢を選ぶ。これが ア。
選択肢別の誤答解説
-
ア(正解)
ユーザがボタンを押す(操作)してから、Webブラウザ(Web閲覧ソフト)が結果を表示し始めるまでを含みます。これが典型的な応答時間の定義です。 -
イ(誤り)
ブラウザを起動してから最初に表示するページの全データ表示が「完了するまで」を測っています。これは「起動+完全読み込み時間」であり、応答時間(利用者の操作に対する反応の開始)とは目的が異なります。表示「開始」と「完了」は違います。 -
ウ(誤り)
サーバ側のトランザクション(処理のまとまり)が完了してからブラウザが表示を始めるまでだけを測っています。これはサーバ処理後の伝送+描画準備の遅延を測るもので、ユーザの操作からサーバ処理開始までの時間(リクエスト送信や待ち時間)を含みません。したがって全体の応答時間とは一致しません。 -
エ(誤り)
ダウンロード(データ受信)が完了するまでの時間、つまりデータ全体の取得にかかる時間を測っています。これはスループット(単位時間あたりの処理量)や転送時間に関わる指標であり、表示「開始」を基準にした応答時間とは別物です。
よくある誤解
- 「表示完了」と「表示開始」を混同する
- 表示開始はユーザが結果を見始められる瞬間、表示完了は全ての要素(画像やスクリプト)が読み込まれた後です。応答時間は通常「開始」を見ます。
- 応答時間 = サーバ処理時間 ではない
- サーバ処理時間は重要ですが、ネットワーク遅延やクライアント側の描画時間も応答時間に含まれます。クレーム先をサーバ運用者だけにすると見当違いになることがあります。
補足コラム
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応答時間の分解(簡易式)
応答時間 は概ね次の要素の和です:ここで「通信往復」はリクエスト送信と最初の応答受信にかかる時間(レイテンシ:遅延)、「サーバ処理」はデータベース照会や計算時間です。 -
実務でのイメージ(SLAや運用)
業務システムでは「検索ボタンを押して2秒以内に最初の結果を表示する」などのSLA(Service Level Agreement:サービスレベル合意)で応答時間を定めます。測定は実ユーザ計測(RUM:Real User Monitoring)や合成トランザクションで行い、問題があればキャッシュ導入、SQL最適化、ネットワーク改善などの対策を検討します。 -
測定ツールの例(現場で使える)
- ブラウザの開発者ツール(F12)でNetworkタブを使うと「送信→待ち→受信→描画開始」のタイミングが見えます。
- RUM(Real User Monitoring:実際の利用者の計測)はユーザ視点の応答時間を継続的に測定します。
- ロードテストツールは高負荷時の応答時間変化を見るのに有効です。
FAQ
Q. 応答時間とレイテンシ(遅延)の違いは?
A. レイテンシ(遅延)は主にネットワークの往復時間のことを指します。応答時間はレイテンシにサーバ処理やクライアント描画準備などを含めた「ユーザの操作から表示開始までの総時間」です。
A. レイテンシ(遅延)は主にネットワークの往復時間のことを指します。応答時間はレイテンシにサーバ処理やクライアント描画準備などを含めた「ユーザの操作から表示開始までの総時間」です。
Q. 表示開始が遅くても、表示完了は速いなら問題ない?
A. ユーザ体感では「最初に見えるまでの速さ(表示開始)」が重要です。表示完了が多少遅くても、結果がすぐ見える方が満足度は高くなります。
A. ユーザ体感では「最初に見えるまでの速さ(表示開始)」が重要です。表示完了が多少遅くても、結果がすぐ見える方が満足度は高くなります。
Q. 測定の際、どこを基準にすればよい?
A. ユーザの操作(クリックや入力確定)を起点にし、ブラウザが結果の描画を開始する瞬間を終点にすると実ユーザ視点の応答時間になります。サービスのSLAや障害判定もこの観点で設定すると分かりやすいです。
A. ユーザの操作(クリックや入力確定)を起点にし、ブラウザが結果の描画を開始する瞬間を終点にすると実ユーザ視点の応答時間になります。サービスのSLAや障害判定もこの観点で設定すると分かりやすいです。
関連キーワード: 応答時間、レスポンスタイム、レイテンシ、スループット、ページ読み込み時間、RUM、SLA

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