情報セキュリティマネジメント 2019年 春期 午前(科目A) 問42
問題文
システム運用におけるデータの取扱いに関する記述のうち、最も適切なものはどれか。
選択肢
ア:エラーデータの修正は、データの発生元で行うものと、システムの運用者が所属する運用部門で行うものに分けて実施する。
イ:原始データの信ぴょう性のチェック及び原始データの受渡しの管理は、システムの運用者が所属する運用部門が担当するのが良い。
ウ:データの発生元でエラーデータを修正すると時間が掛かるので、エラーデータの修正はできるだけシステムの運用者が所属する運用部門に任せる方が良い。
エ:入力データのエラー検出は、データを処理する段階で行うよりも、入力段階で行った方が検出及び修正の作業効率が良い。(正解)
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入力段階のエラー検出【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
まず用語を簡単に説明します。エラーデータとは「誤りや欠損があるデータ」のこと、原始データは「現場やシステムから最初に出てくる未加工のデータ」、システムの運用者は「サービスを日常的に動かす担当者(サーバの監視・処理の管理など)」です。
入力時点でエラーを検出する方が良い理由は単純です。誤ったデータを早く見つければ、その後の処理や他システムへの伝播を防げます。伝播すると訂正コストや確認作業が増えますし、誰の責任でどのように直すかも不明瞭になりやすいからです。したがって、選択肢の中で最も効率的で安全性の高い運用を示しているのが エ です。
入力時点でエラーを検出する方が良い理由は単純です。誤ったデータを早く見つければ、その後の処理や他システムへの伝播を防げます。伝播すると訂正コストや確認作業が増えますし、誰の責任でどのように直すかも不明瞭になりやすいからです。したがって、選択肢の中で最も効率的で安全性の高い運用を示しているのが エ です。
解法ステップ
- 目的を確認:守りたいのは「データの正確さ」と「業務の効率」。
- 原則を思い出す:「早く検出するほど直すコストが低い」(コスト曲線の常識)。
- 役割分担を検討:データの生成元が内容の正当性を担うべきか、運用が担うべきかを検討する。
- 各選択肢と原則を照らし合わせる:入力段階での検出が原則に合致するかを確認する。
- 結論:入力段階で検出・修正につなげる運用が最も合理的 → エ。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 「エラーデータの修正を発生元と運用部門で分ける」
分担は場合によって有効ですが、この記述だと責任範囲が不明確になります。誰が最終責任を持つかを明確にしておかないと、修正が手戻りになったり、監査で問題になります。 -
イ: 「原始データの信ぴょう性チェックと受渡し管理を運用部門が担当」
運用部門はフォーマットチェックや受渡しのログ管理などを行いますが、データの内容そのもの(例:売上金額の妥当性や人事情報の真偽)は発生元が最も詳しいため、発生元が主体となって確認・修正するのが原則です。運用がすべてを担うと責任の混乱と作業負担が増えます。 -
ウ: 「発生元で修正すると時間がかかるから運用に任せる方が良い」
一見効率的に見えますが、運用部門が発生元の業務知識を持たず誤って修正すると二次的なエラーや責任問題が発生します。やむを得ない緊急修正は例外としても、恒常的な置き換えは避けるべきです。 -
エ: 「入力段階でのエラー検出は処理段階より効率が良い」
早期検出により、処理の無駄や伝播リスク、修正コストが低くなるため最も適切です。システム側では入力バリデーション(形式チェックなど)を行い、発生元には修正依頼して確実に直してもらう仕組みが理想です。
よくある誤解
- 運用部門が全部直せば早い:短期的には早く見えるが、業務知識がないと誤修正のリスクが増え、あとで大きな手戻りになる。記録と承認ルールが必須です。
- 入力検査は自動化すれば十分:自動チェックは必須ですが、ビジネス判断が必要な例外は人が介入するワークフローが必要です。
- 誰が修正するか曖昧で良い:責任の所在が曖昧だと対応遅延や不正確なデータが放置されやすいので、担当と手順を明確にしておきます。
補足コラム
実務での運用イメージ(例):
- フロント画面や受信APIで「入力バリデーション」を実装する(数値範囲、必須項目、形式チェック)。これは入力段階での自動検出です。
- 検出時は「エラー理由」を返して発生元に修正させる。修正の応答期限(SLA)を定める。
- 運用部門はログや受渡しの記録、エラーの統計分析を行う。どうしても運用で修正する場合は、誰がいつ何を変更したかをログに残し、承認フローを経る。
- 例外や臨時の修正は「臨時対応手順」を整備し、後で必ず発生元に確認して差し戻す運用にします。
簡単なチェックリスト:
- 入力画面での必須チェックはあるか?
- エラー発生時にエラーメッセージと修正手順を返しているか?
- 誰が修正するかのルールとSLAは明文化されているか?
- 修正履歴・ログは残るか?
FAQ
Q: 入力段階で全部検出できないケースは?
A: ビジネス判断がいる矛盾や外部参照が必要な検査は、入力段階で「保留」または「一時受け付け+後続チェック」で扱います。重要なのは検出して処理を止めるか、例外ワークフローに回すかを明確にすることです。
A: ビジネス判断がいる矛盾や外部参照が必要な検査は、入力段階で「保留」または「一時受け付け+後続チェック」で扱います。重要なのは検出して処理を止めるか、例外ワークフローに回すかを明確にすることです。
Q: 発生元が修正をしないときはどうする?
A: SLAに基づくエスカレーションや、上位管理者への報告、業務停止の判断などを運用ルールで定めます。運用部門が勝手に常用修正するのは避け、記録と承認を徹底します。
A: SLAに基づくエスカレーションや、上位管理者への報告、業務停止の判断などを運用ルールで定めます。運用部門が勝手に常用修正するのは避け、記録と承認を徹底します。
Q: すべて自動でチェックすれば良いですか?
A: 自動チェックは第一歩です。例外対応やビジネス判断は人が介在する必要があるため、通知・差し戻し・承認の仕組みも整えます。
A: 自動チェックは第一歩です。例外対応やビジネス判断は人が介在する必要があるため、通知・差し戻し・承認の仕組みも整えます。
Q: 運用と発生元の責任分担はどう決める?
A: データスキーマで「誰が最終的な責任者か」を明示します。一般に「データの内容に関する最終責任は発生元」、運用は「技術的な受渡し・検証とログ管理」を担います。
A: データスキーマで「誰が最終的な責任者か」を明示します。一般に「データの内容に関する最終責任は発生元」、運用は「技術的な受渡し・検証とログ管理」を担います。
関連キーワード: データ品質、入力検証、早期エラー検出、データガバナンス、運用管理、ログ監査

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