情報セキュリティマネジメント 2019年 春期 午前(科目A) 問44
問題文
クライアントサーバシステムの特徴として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:クライアントとサーバが協調して、目的の処理を遂行する分散処理形態であり、サービスという概念で機能を分割し、サーバがサービスを提供する。(正解)
イ:クライアントとサーバが協調しながら共通のデータ資源にアクセスするために、システム構成として密結合システムを採用している。
ウ:クライアントは、多くのサーバからの要求に対して、互いに協調しながら同時にサービスを提供し、サーバからのクライアント資源へのアクセスを制御する。
エ:サービスを提供するクライアント内に設置するデータベースも、規模に対応して柔軟に拡大することができる。
🔒 解説は解答すると表示されます
クライアントサーバ方式【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
選択肢アが正しい理由は、クライアントサーバ方式が「クライアント(サービスを利用する端末やソフト)」と「サーバ(サービスを提供するコンピュータ)」に機能を分担させ、サーバ側がサービス(例:データベース、認証、ファイル提供など)を提供するという設計思想だからです。ここでは「サービスという概念で機能を分割する」「分散処理の一形態である」といった点が正しく表現されています。
解法ステップ
- 「クライアント」「サーバ」が何をする役かを確認する。
- クライアント:利用者側(リクエストを出す)。
- サーバ:要求に応えてサービスを提供する。
- 各選択肢がその役割を正しく記述しているかを照らし合わせる。
- 「密結合」「クライアントがサービスを提供する」「データベースがクライアント内にある」など、通常のクライアントサーバの特徴と矛盾する記述を除外する。
- 最も整合するものがアであると判断する。
選択肢別の誤答解説
-
ア(正しい)
クライアントとサーバが協調し、サーバがサービスを提供する点を正しく述べています。機能をサービス単位で分割し、サーバが中心に処理を担うのが典型的な形です。 -
イ(誤り)
「密結合システムを採用している」とありますが、クライアントサーバは通常「疎結合( loosely coupled )」です。サーバとクライアントはネットワーク越しに通信し、独立して動作します。密結合(tight coupling)は同一マシン内で強く依存する構成を指し、誤りです。 -
ウ(誤り)
「クライアントが多くのサーバに対してサービスを提供する」と述べていますが、役割が逆転しています。通常、サーバがサービスを提供し、クライアントがそれを利用します。また「サーバからのクライアント資源へのアクセスを制御する」も一般的な説明とは矛盾します(アクセス制御はサーバ側で行うことが多いが、表現が混乱しており役割の取り違えです)。 -
エ(誤り)
「サービスを提供するクライアント内に設置するデータベース」とありますが、データベースは通常サーバ側に設置します。クライアント内部に置くと一元管理・バックアップ・同時アクセスが困難になり、クライアントサーバ方式の利点(集中管理や共有)が失われます。
よくある誤解
- クライアントサーバ=単一のサーバではない
実務では複数サーバ(Webサーバ、アプリケーションサーバ、DBサーバ)で役割を分け、負荷分散や冗長化を行います。 - クライアントとサーバは常に固定の役割とは限らない
一部のシステムやピアツーピア(P2P:Peer-to-Peer、対等型の相互接続)では、端末が一時的にサーバの役割を担うことがありますが、それはクライアントサーバの標準形ではありません。 - 「密結合」と混同しやすい
同一処理を複数の場所に同化しているシステム設計(密結合)とは違い、クライアントサーバは機能分離とネットワーク越しの通信が基本です。
補足コラム
-
なぜクライアントサーバ方式を使うか?
中央でデータや機能を管理できるため、セキュリティ制御、バックアップ、データ整合性の維持が容易になります。例えば会社の給与データは中央のDBサーバで一元管理し、各部門のPC(クライアント)は必要な情報だけをサーバから取得します。 -
実務での運用イメージ
サーバ側でアクセス権やログ記録、バックアップを設定します。クライアントは必要な画面や操作だけを提供し、データはサーバで管理するため、情報漏洩対策や復旧がしやすくなります。 -
関連技術(簡単に)
- プロトコル:HTTPやTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol:通信の基本ルール)で通信する。
- スケーラビリティ:負荷が増えたらサーバを増やす、ロードバランサで配分する。
- ミドルウェア:アプリケーションサーバなど、クライアントとDBの間を取り持つソフト。
FAQ
Q. Webアプリケーションはクライアントサーバですか?
A. はい。ブラウザやアプリがクライアント、Webサーバ/アプリケーションサーバ/DBサーバがサーバ役で、典型的なクライアントサーバ構成です。
A. はい。ブラウザやアプリがクライアント、Webサーバ/アプリケーションサーバ/DBサーバがサーバ役で、典型的なクライアントサーバ構成です。
Q. クラウドはクライアントサーバと同じですか?
A. クラウドはインフラの提供形態で、クラウド上にクライアントサーバ型のシステムを構築することが多いです。概念は分離できますが、運用の仕方はクラウドに依存します。
A. クラウドはインフラの提供形態で、クラウド上にクライアントサーバ型のシステムを構築することが多いです。概念は分離できますが、運用の仕方はクラウドに依存します。
Q. クライアントもサーバになれますか?
A. 技術的には可能です(たとえばP2Pや一時的なサーバ機能の提供)。しかし設計思想としては役割を分けることが多く、セキュリティや管理面で違いが出ます。
A. 技術的には可能です(たとえばP2Pや一時的なサーバ機能の提供)。しかし設計思想としては役割を分けることが多く、セキュリティや管理面で違いが出ます。
関連キーワード: クライアントサーバ, クライアント, サーバ, 分散処理, サービス分割, 疎結合, P2P, スケーラビリティ, ロードバランサ, データベース, TCP/IP

\ せっかくなら /
情報セキュリティマネジメントを
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

