情報セキュリティマネジメント 2024年 科目A 問04
問題文
サイバーキルチェーンに関する説明として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:委託先の情報セキュリティリスクが委託元にも影響するという考え方を基にしたリスク分析のこと
イ:攻撃者がクライアントとサーバとの間の通信を中継し、あたかもクライアントとサーバが直接通信しているかのように装うことによって情報を盗聴するサイバー攻撃手法のこと
ウ:攻撃者の視点から、攻撃の手口を偵察から目的の実行までの段階に分けたもの(正解)
エ:取引データを複数の取引ごとにまとめ、それらを時系列につなげたチェーンに保存することによって取引データの改ざんを検知可能にしたもの
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サイバーキルチェーン【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
サイバーキルチェーンは、攻撃者(攻撃を仕掛ける側)の活動を段階ごとに整理したモデルです。つまり攻撃の「準備→侵入→目的達成」に至る流れを段階化して理解します。その説明に当てはまるのが選択肢ウです。攻撃を段階(偵察、武器化、配布、侵害、設置、指令・制御、目的達成など)に分けることで、防御側は各段階で検知・阻止する対策を考えられます。これがサイバーキルチェーンの本質です。
解法ステップ
- 問題文で問われる語(ここでは「サイバーキルチェーン」)が何を示すかを思い出す。元は軍事用語で、過程を段階化する概念であることを確認する。
- 各選択肢と「段階に分ける」「攻撃者の視点」「リスク分析」「中間者攻撃」「分散台帳(改ざん検知)」といったキーワードを照合する。
- 「段階に分ける」と合致する選択肢を選ぶ。これがウである。
選択肢別の誤答解説
- ア: 「委託先の情報セキュリティリスクが委託元にも影響するという考え方」
これは「サプライチェーンリスク」や「委託先管理(サードパーティリスク)」の説明で、サイバーキルチェーンの意味とは異なります。 - イ: 「攻撃者が通信を中継して盗聴する手法」
これは中間者攻撃(MITM:Man-In-The-Middle、中間者が通信を横取りする攻撃)の説明です。通信傍受の一種であり、キルチェーンの段階モデルとは別物です。 - ウ: 「攻撃者の視点で攻撃の手口を段階に分けたもの」
これが正しい定義です。段階化により、防御のポイントを洗い出せます。 - エ: 「取引データを時系列でつなげて改ざん検知するもの」
これはブロックチェーン(分散台帳技術)の特徴説明です。取引をつなげることで改ざんが検出しやすくなる仕組みを指します。
よくある誤解
- 「サイバーキルチェーンは攻撃手法そのものだ」
誤りです。キルチェーンは攻撃手法を分類する枠組み(モデル)であり、特定のマルウェアや手口を指すものではありません。 - 「防御は最後の段階だけで良い」
キルチェーンの考え方は、早い段階(例えば偵察や配布段階)で検知・阻止すれば被害を未然に防げることを示します。最後の段階だけに頼ると対応が遅れます。
補足コラム
- 起源と代表例:キルチェーンは元々軍事用語で、Lockheed Martin(ロッキード・マーティン)がサイバー攻撃に当てはめて提唱しました。代表的な段階は「偵察(Reconnaissance)」「武器化(Weaponization)」「配布(Delivery)」「侵害(Exploitation)」「設置(Installation)」「指令・制御(Command & Control:C2)」および「目的の遂行(Actions on Objectives)」です。
- 実務での使い方:職場では、例えば「メールの添付ファイルでマルウェアを配布される(配布段階)」を防ぐために、メールフィルタ、添付ファイルの検査、従業員の教育を行います。キルチェーンはどの段階でどの対策を入れるかを設計する道具になります。
- 関連モデル:MITRE ATT&CK(攻撃者の具体的な手法を詳細に分類した知識ベース)など、キルチェーンと併用して防御策を強化することが一般的です。
FAQ
Q1: キルチェーンはすべての攻撃に当てはまりますか?
A1: 概ね有用ですが、攻撃は多様で段階が重複したり循環したりします。モデルは「考え方の枠組み」として使い、柔軟に適用してください。
A1: 概ね有用ですが、攻撃は多様で段階が重複したり循環したりします。モデルは「考え方の枠組み」として使い、柔軟に適用してください。
Q2: 防御側は具体的に何をすればいいですか?
A2: 各段階ごとに検知・阻止策を用意します。例:偵察段階なら公開情報の制限、配布段階ならメールフィルタ、侵害段階なら脆弱性管理・パッチ適用、C2段階ならネットワークの通信監視などです。
A2: 各段階ごとに検知・阻止策を用意します。例:偵察段階なら公開情報の制限、配布段階ならメールフィルタ、侵害段階なら脆弱性管理・パッチ適用、C2段階ならネットワークの通信監視などです。
Q3: 小規模企業でも使える概念ですか?
A3: はい。専門用語を使わず「攻撃を段階で考える」だけでも、どこに予算や対策を優先するかが分かりやすくなります。
A3: はい。専門用語を使わず「攻撃を段階で考える」だけでも、どこに予算や対策を優先するかが分かりやすくなります。
関連キーワード: サイバーキルチェーン、攻撃段階モデル、偵察、配布、侵害、指令制御、MITRE ATT&CK、中間者攻撃、ブロックチェーン、サードパーティリスク

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