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情報セキュリティマネジメント 2024年 科目A03


問題文

マルウェアの検出方法のうち、検査対象のプログラムを実行する必要があるものはどれか。

選択肢

コンペア法
チェックサム法
パターンマッチング法
ビヘイビア法(正解)

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ビヘイビア検出【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

マルウェア(悪意あるソフトウェア)は、ファイルの中身そのものではなく「実行して現れる振る舞い(例:特定のファイルを暗号化する、外部に接続して情報を送る)」で悪事を行います。パターンマッチング法(既知のシグネチャを探す手法)やチェックサム法(ファイルの要約値を比較する手法)、コンペア法(既知の正常ファイルと比較する手法)はいずれもファイルを解析・比較する静的検査です。これらは対象プログラムを実行せずに検査できます。一方、プログラムの「振る舞い」を監視して判定するのがビヘイビア法です。振る舞いを観察するには実際にそのプログラムを動かして挙動を確認する必要があるため、選択肢の中で実行が必要なのは です。
(用語メモ:ビヘイビア法=Behavior-based detection:動作や行為を基に不正を検出する方法。サンドボックス=疑わしいプログラムを安全な隔離環境で実行して調べる仕組み)

解法ステップ

  1. 問題が「実行が必要か」を問うている点を把握する。
  2. 各手法が「静的検査(実行不要)」か「動的検査(実行必要)」かを分類する。
    • 静的検査:ファイルの中身や要約値、既知パターンを調べる → 実行不要。
    • 動的検査:実際の振る舞いを観察する → 実行が必要。
  3. 各選択肢を当てはめると、振る舞いを見て判定するビヘイビア法が動的検査に該当するため実行が必要であると判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: コンペア法
    「コンペア」は既知の正常ファイルや以前の版と比較する手法です。ファイルの差分や構造の違いを見つける静的検査なので、プログラムを実行する必要はありません。職場での例:ソフト配布時に配布用ファイルとサーバ上のファイルを比較する運用。
  • イ: チェックサム法
    チェックサム(要約値)はファイルの整合性を確認するための数値です。ハッシュ関数(例:SHA-256)で算出して比較するため実行は不要です。注意点は「変更の有無は分かるがそれがマルウェアかは分からない」点です。
  • ウ: パターンマッチング法
    パターンマッチング(シグネチャ法)は既知のマルウェアのバイト列や特徴をファイル内で探します。静的スキャンで行うのが一般的で、実行は不要です。ただし未知のマルウェアや変形されたものには弱いです。
  • エ: ビヘイビア法
    ビヘイビア法は実行時に現れる振る舞い(プロセスの挙動、ネットワーク接続、ファイル操作など)を元に判定します。したがって検査対象を実際に動かして観察する必要があります。サンドボックスや仮想環境での実行が典型的です。

よくある誤解

  1. 「チェックサム法でマルウェアを検出できる」
    チェックサムは改ざん検知には有効ですが、改ざんの原因がマルウェアかどうかは判定できません。正しい/安全な状態の基準が必要です。
  2. 「ビヘイビア法は必ず実際の環境で実行する必要がある」
    実行は必要ですが、実際の業務環境で直接動かすのではなく、サンドボックス(隔離環境)や分析用の仮想環境で動かして観察するのが通常です。
  3. 「パターンマッチングは万能」
    既知のマルウェアには有効ですが、未知亜種や難読化されたものは検出できないことが多いです。複数手法の併用が現実的です。

補足コラム

運用面のイメージ:職場で怪しいファイルが届いたら、まずウイルス対策ソフトでシグネチャ(パターンマッチング)をチェックします。見つからなければ、より厳密に確認するためにサンドボックスに投入して振る舞いを観察する(ビヘイビア法)。EDR(Endpoint Detection and Response:端末の検出と対応)製品は、普段は振る舞いを監視して疑わしい活動を検出し、その時点で隔離や詳細解析へつなげる仕組みを持っています。
動的解析の注意点:マルウェアの中には「時間を置く」「特定の環境でのみ動く」「サンドボックス検出機能を持つ」など、解析回避の工夫がされています。したがって、ビヘイビア法は強力ですが完璧ではありません。

FAQ

Q. ビヘイビア法は誤検知が多いですか?
A. 可能性はあります。振る舞いだけで判定すると業務アプリの正常な挙動を誤って疑うことがあります。閾値調整やホワイトリスト、複数指標の組合せで精度を上げます。
Q. サンドボックスでの実行は安全ですか?
A. 基本的には隔離されて安全ですが、最新の攻撃ではサンドボックス検出や脱出を試みるものもあります。分析環境は定期的に更新・強化する必要があります。
Q. 静的検査だけで十分ですか?
A. いいえ。静的検査は既知の脅威や改ざんの検出に有効ですが、未知の振る舞いをとるマルウェアには無力です。静的+動的の併用が望ましいです。

関連キーワード: マルウェア検出, ビヘイビア法, パターンマッチング, チェックサム, コンペア法, 動的解析, サンドボックス, EDR, 振る舞い検出
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