ITパスポート 2009年 春期 問31
問題文
プロダクトライフサイクルに関する記述のうち、最も適切なものはどれか。
選択肢
ア:導入期では、キャッシュフローはプラスになる。
イ:成長期では、製品の特性を改良し、他社との差別化を図る戦略をとる。(正解)
ウ:成熟期では、他社からのマーケット参入が相次ぎ、競争が激しくなる。
エ:衰退期では、成長性を高めるため広告宣伝費の増大が必要である。
🔒 解説は解答すると表示されます
プロダクトライフサイクルに関する記述のうち、最も適切なものはどれか。【ITパスポート 解説】
正解の理由
プロダクトライフサイクル(製品の導入から衰退までの流れ)で、成長期は売上が急速に伸び始め、顧客が増える段階です。この段階では他社も注目して参入を始めますが、まだ市場は拡大中で「製品の価値を高めて差別化することで競争優位を築ける」状況です。したがって「製品の特性を改良し、他社との差別化を図る戦略」を示す イ が最も適切です。
ポイントをかみ砕くと:
- 成長期は「売上が伸びる」「利益が出やすくなる」「投資を回収しやすくなる」段階です。
- だからこそ、機能改良や品質改善で競合と差をつけ、市場シェアを拡大する戦略が有効になります。
(用語)プロダクトライフサイクル:製品の「導入期 → 成長期 → 成熟期 → 衰退期」という段階的な流れを示す考え方。
解法ステップ
- 各選択肢が「どの段階(導入・成長・成熟・衰退)」について述べているかを把握する。
- 各段階の典型的な特徴を思い浮かべる。主な特徴は次の通り。
- 導入期:認知が低く、販売促進や開発コストで利益が出にくい。
- 成長期:販売が急増、利益率が改善、競合が増え始める。
- 成熟期:市場が飽和し、競争が激化、価格競争や差別化が焦点。
- 衰退期:需要が減少し、撤退・縮小・ニッチ化を検討する段階。
- 選択肢を一つずつ上の特徴に照らして当てはめ、矛盾するものを除外する。
- 最も矛盾のない選択肢が正解。今回は成長期の特徴に合致する イ が適合。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 導入期では、キャッシュフローはプラスになる。
誤り。導入期は開発費や販促費がかかり、売上がまだ小さいためキャッシュフローはマイナス(支出>収入)になりやすいです。製品が市場に浸透し始めてからキャッシュフローが改善します。 -
イ: 成長期では、製品の特性を改良し、他社との差別化を図る戦略をとる。
正しい。成長期は需要拡大の好機で、改良や差別化により市場シェアを拡大しやすい段階です。したがって投資して製品価値を高めることが合理的です。 -
ウ: 成熟期では、他社からのマーケット参入が相次ぎ、競争が激しくなる。
一部正しそうに見えますが不正解。実際は「他社の参入が相対的に増えるのは主に成長期」です。成熟期は市場がほぼ飽和しており、新規参入は難しくなることが多い一方、既存企業間の競争(価格競争や差別化競争)は激しくなります。つまり「参入が相次ぐ」という点が誤りです。 -
エ: 衰退期では、成長性を高めるため広告宣伝費の増大が必要である。
誤り。衰退期は需要そのものが減る段階なので、広告投資で一時的に需要が戻る場合もありますが、多くの場合は費用対効果が低く、撤退・縮小・ニッチ戦略・在庫処分などを検討します。無闇に広告宣伝費を増やすのは非効率です。
よくある誤解
-
「成熟期=新規参入が多い」
→ 実際は新規参入が増えるのは成長期。成熟期は市場が飽和して参入障壁が高まることが多いです。ただし既存企業間の競争は激化します。 -
「導入期でもすぐにキャッシュフローがプラスになる」
→ 導入期は認知獲得や開発コストが必要で、しばらくはマイナスが普通です。投資回収は成長期に期待します。 -
「衰退期でも積極的に広告を増やせば必ず復活する」
→ 一部のケース(新機能や用途転換)を除き、衰退期での大きな投資は回収できないリスクが高いです。戦略はコスト削減か撤退、ニッチ集中が一般的です。
補足コラム
プロダクトライフサイクルは「業界全体の動き」と「個別製品の動き」で見方が異なります。例えばスマートフォンという業界は成熟期にある一方、ある機能(折りたたみ機)や特定ブランドの新モデルは導入~成長期になることがあります。
経営やマーケティングでは、各段階で取るべき施策(4Pで整理すると分かりやすい)があります。
経営やマーケティングでは、各段階で取るべき施策(4Pで整理すると分かりやすい)があります。
- 製品(Product):導入で差別化要素を明確に、成長で改良、成熟で多様化・コスト最適化、衰退で縮小または撤退。
- 価格(Price):導入は高めに設定する場合も、成長で普及価格に、成熟で価格競争。
- 流通(Place):成長期に販売チャネル拡大。
- 販促(Promotion):導入で認知重視、成長でブランド形成、成熟でリテンション(既存客維持)。
身近な例:新しいスマホ用アプリ
- 導入期:ユーザーが少なく、広告費がかかる。
- 成長期:口コミで広がり、機能改善で差別化すると一気に伸びる。
- 成熟期:似たアプリが多く、価格や機能での競争が激しい。
- 衰退期:別の新技術に取って代わられるとユーザーが減る。
FAQ
Q1: 成長期と成熟期の見分け方は?
A1: 売上の伸び率がまだ高いなら成長期、伸びが鈍化して横ばいに近いなら成熟期です。成長期は新規顧客の獲得が続きますが、成熟期は既存顧客の維持が中心になります。
A1: 売上の伸び率がまだ高いなら成長期、伸びが鈍化して横ばいに近いなら成熟期です。成長期は新規顧客の獲得が続きますが、成熟期は既存顧客の維持が中心になります。
Q2: 製品が成熟期に入ったら必ず撤退すべきですか?
A2: いいえ。成熟期でもコスト削減や差別化で高収益を維持できる場合があります。撤退は市場の将来性と自社の競争力を見て判断します。
A2: いいえ。成熟期でもコスト削減や差別化で高収益を維持できる場合があります。撤退は市場の将来性と自社の競争力を見て判断します。
Q3: プロダクトライフサイクルはどれくらいの期間ですか?
A3: 製品や市場によって大きく異なります。短いものは数か月、長いものは数十年になることもあります。重要なのは「今どの段階か」を適切に見極めることです。
A3: 製品や市場によって大きく異なります。短いものは数か月、長いものは数十年になることもあります。重要なのは「今どの段階か」を適切に見極めることです。
関連キーワード: プロダクトライフサイクル, PLC, 導入期, 成長期, 成熟期, 衰退期, 差別化戦略, 市場飽和, キャッシュフロー, 4P

\ せっかくなら /
ITパスポートを
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

