ITパスポート 2010年 秋期 問22
問題文
CSRの説明として、最も適切なものはどれか。
選択肢
ア:企業が他社の経営の仕方や業務プロセスを分析し、優れた点を学び、取り入れようとする手法
イ:企業活動において経済的成長だけでなく、環境や社会からの要請に対し、責任を果たすことが、企業価値の向上につながるという考え方(正解)
ウ:企業の経営者がもつ権力が正しく行使されるように経営者を牽制する制度
エ:他社がまねのできない自社ならではの価値を提供する技術やスキルなど、企業の中核となる能力
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CSRの説明として、最も適切なものはどれか。【ITパスポート 解説】
正解の理由
CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)は、企業が「利益追求(経済的成長)」だけでなく、「環境(環境保護)や社会(地域社会や従業員など)に対する責任」を果たすことで、長期的に企業価値が向上すると考える概念です。選択肢イはこの考え方を端的に表しています。
※CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)…企業が社会や環境への影響を自覚し、責任を果たすべきだという考え方・活動の総称。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを探す:「環境」「社会」「責任」「企業価値」など。これらはCSRの典型的な語句です。
- 選択肢を短く要約する:
- ア:他社のやり方を学ぶ手法 → ベンチマーキング(benchmarking)
- イ:経済以外に社会・環境への責任を果たす考え → CSR
- ウ:経営者を牽制する制度 → コーポレートガバナンス(corporate governance)
- エ:他社にない中核能力 → コア・コンピタンス(core competence)
- キーワードが一致する選択肢を選ぶ(イが一致)。
- 残りを消去法で確認する(ア・ウ・エはそれぞれ別の用語であり、CSRの説明ではない)。
短時間で解くコツ:問いに「社会」「環境」「責任」「企業価値」といった語が含まれていれば、まずCSRを疑う。
選択肢別の誤答解説
- ア: 「企業が他社の経営の仕方や業務プロセスを分析し、優れた点を学び、取り入れようとする手法」
→ これはベンチマーキング(benchmarking:他社の優れた手法を学ぶこと)。CSRとは別物です。 - イ: 「企業活動において経済的成長だけでなく、環境や社会からの要請に対し、責任を果たすことが、企業価値の向上につながるという考え方」
→ 正解。CSRの定義に合致します。 - ウ: 「企業の経営者がもつ権力が正しく行使されるように経営者を牽制する制度」
→ これはコーポレートガバナンス(corporate governance:企業統治)。経営の仕組みの話で、CSRとは別です。 - エ: 「他社がまねのできない自社ならではの価値を提供する技術やスキルなど、企業の中核となる能力」
→ これはコア・コンピタンス(core competence:中核的能力)。競争優位の源泉に関する概念で、CSRではありません。
よくある誤解
- CSR=慈善活動(寄付)だと思う誤解
- CSRには寄付や社会貢献も含まれますが、より広く「事業のやり方自体で社会や環境への責任を果たす」こと(例:環境負荷の低い製品開発、労働環境改善など)を意味します。単なるボランティアだけではありません。
- CSRとコンプライアンス(法令遵守)を同じものと考える誤解
- コンプライアンスは「法律やルールを守ること」。CSRは法を守ることを前提に、さらに社会的期待に応える行動まで含みます。
- CSRは短期的なコストだけの負担だと考える誤解
- 長期的にはブランド向上、顧客・従業員の信頼獲得、リスク低減につながり、企業価値向上につながることが多いです。
補足コラム
- 関連用語:ESG(Environmental, Social, Governance:環境・社会・ガバナンス)
→ CSRと似ていますが、ESGは投資家の視点で「環境・社会・ガバナンスの要素を評価して投資判断に用いる」概念です。CSRは企業が社会的責任を果たすという企業側の取り組み表現と理解すると整理しやすいです。 - 国際ガイドライン:ISO 26000は「社会的責任に関する国際ガイドライン」で、CSRの考え方を整理した参考文書です。
- 実例:ある食品会社がフェアトレード(生産者に公正な対価を支払うこと)を導入すると、原料調達の透明性が上がり、消費者からの信頼が増す→ブランド価値向上につながる、という流れはCSRの典型です。
FAQ
Q1. CSRは法律ですか?
A1. いいえ。CSRは法律ではなく、企業の自主的な取り組みや考え方です。ただし、関連法規(労働法や環境法など)の遵守はCSRの前提です。
A1. いいえ。CSRは法律ではなく、企業の自主的な取り組みや考え方です。ただし、関連法規(労働法や環境法など)の遵守はCSRの前提です。
Q2. CSRとESGはどこが違いますか?
A2. CSRは企業の行動や考え方(企業が社会にどう貢献するか)。ESGは投資判断で用いる評価項目(環境・社会・ガバナンスの観点)という違いです。
A2. CSRは企業の行動や考え方(企業が社会にどう貢献するか)。ESGは投資判断で用いる評価項目(環境・社会・ガバナンスの観点)という違いです。
Q3. 小さな会社でもCSRは必要ですか?
A3. はい。規模に関係なく、地域社会や従業員への影響を意識した行動は企業の信頼につながります。小規模ならではの取り組み(地元雇用、地産地消など)もCSRです。
A3. はい。規模に関係なく、地域社会や従業員への影響を意識した行動は企業の信頼につながります。小規模ならではの取り組み(地元雇用、地産地消など)もCSRです。
関連キーワード: CSR、企業の社会的責任、ESG、ISO 26000、ベンチマーキング、コーポレートガバナンス、コア・コンピタンス、サステナビリティ、社会貢献、環境配慮

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