ITパスポート 2010年 春期 問10
問題文
親会社が、子会社を含めた企業集団の決算日における資産と負債、純資産を対比して示すことによって、企業集団の財政状態を表す連結財務諸表はどれか。
選択肢
ア:連結株主資本等変動計算書
イ:連結キャッシュフロー計算書
ウ:連結損益計算書
エ:連結貸借対照表(正解)
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親会社が、子会社を含めた企業集団の決算日における資産と負債、純資産を対比して示すことによって、企業集団の財政状態を表す連結財務諸表はどれか。【ITパスポート 解説】
正解の理由
設問は「決算日における資産と負債、純資産を対比して示す」とあります。これは「ある時点の財政状態(何を持っていて、どれだけ借金があるか、株主の取り分がいくらか)」を示すものです。その役割を果たす財務諸表が「貸借対照表(Balance Sheet:BS、資産と負債・純資産の対比を示す表)」です。したがって正解は エ の連結貸借対照表です。
ここで言う「連結」は、親会社(親)とその子会社(子)をまとめて一つの企業体として表示することを指します。親と子を合わせた企業集団全体の「決算日時点の」財政状態を示すなら、連結貸借対照表になります。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを確認:「決算日における」→「ある時点の情報(スナップショット)」を示すもの。
- 比較されている項目を確認:「資産」「負債」「純資産(株主資本など)」→ これは貸借対照表が扱う内容。
- 「親会社が子会社を含めた企業集団」→ 「連結(consolidated)」を付ける必要がある。
- 以上より、「連結貸借対照表」を選ぶ。つまり エ。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 連結株主資本等変動計算書
→ 「株主資本等変動計算書」は株主資本(純資産)が「期間中にどう変わったか」を示す書類です。決算日の一時点を比較するのではなく、期首から期末までの変化(配当、株式発行、利益の積み上げなど)を表します。よって今回の「決算日における対比」には該当しません。 -
イ: 連結キャッシュフロー計算書
→ 「キャッシュフロー計算書」は一定期間(例えば1年間)の現金の流れ(受取現金・支払現金)を示すものです。現金の出入りを「期間で」示すため、決算日時点の資産・負債の対比とは目的が違います。 -
ウ: 連結損益計算書
→ 「損益計算書(Profit and Loss Statement:PL)」は一定期間の収益と費用を示し、期間内の経営成績(利益の多寡)を表します。こちらも「期間の動き」を見るもので、決算日における資産・負債・純資産の対比を示すものではありません。 -
エ: 連結貸借対照表
→ 正解。貸借対照表(Balance Sheet:BS)は「ある時点での」資産=負債+純資産の関係を示します。親会社+子会社の合算なら「連結貸借対照表」となります。
よくある誤解
-
「貸借対照表は利益を示す」と思う誤解
→ 貸借対照表は利益そのものを示しません。利益は損益計算書で示され、その結果(利益剰余金など)が純資産に反映されます。貸借対照表は「結果の時点」を示すスナップショットです。 -
「キャッシュフロー=資産」と混同する誤解
→ キャッシュ(現金)は資産の一部ですが、資産には現金のほか土地や建物、売掛金など多くの項目があり、キャッシュフロー計算書は期間中の現金の動きを示します。資産全体の状態を示すのは貸借対照表です。 -
「連結」と「個別」を区別せずに考える誤解
→ 親会社だけの数字(個別財務諸表)と、親+子を合算した数字(連結財務諸表)は意味が異なります。設問に「子会社を含めた」とある場合は必ず“連結”を選ぶ必要があります。
補足コラム
貸借対照表の基本公式は次の通りです。覚えやすいので必ず押さえましょう。
例(簡単なイメージ)
- 資産:現金100、建物200 → 合計300
- 負債:借入100
- 純資産:資本金100、利益剰余金100 → 合計200
ここで資産300 = 負債100 + 純資産200 が成り立ちます。連結貸借対照表では、親と子それぞれの項目を内部取引の消去などの処理をした上で合算します(例えば親が子に売った商品に関する売掛金や買掛金の相殺など)。
覚え方のコツ:
- 貸借対照表(BS)は「写真(スナップショット)」:ある日時点の姿を見る。
- 損益計算書(PL)は「動画(ムービー)」:期間の動きを見る。
- キャッシュフロー(CF)は「現金の出入り表」。
FAQ
Q1. 「連結」と「個別」はいつ使い分けるのですか?
A1. 子会社を支配(通常、議決権の過半数を保有)している親会社は、子会社と合わせた財務状況を示す必要がある場面で「連結」を作成します。単独での財務状況を示すのが「個別」財務諸表です。
A1. 子会社を支配(通常、議決権の過半数を保有)している親会社は、子会社と合わせた財務状況を示す必要がある場面で「連結」を作成します。単独での財務状況を示すのが「個別」財務諸表です。
Q2. 連結貸借対照表は誰が見る書類ですか?
A2. 投資家、債権者、規制当局、経営者など、企業グループ全体の財政状態を知りたい外部・内部の関係者が見ます。複数の会社をまとめた実態を把握するために重要です。
A2. 投資家、債権者、規制当局、経営者など、企業グループ全体の財政状態を知りたい外部・内部の関係者が見ます。複数の会社をまとめた実態を把握するために重要です。
Q3. 「株主資本等変動計算書」と「貸借対照表」はどちらが先に作られますか?
A3. 会計は相互に関連していますが、一般的には損益が確定してから純資産の変動を整理します。どちらか一方が先というより、期末の情報を元に各表を作成し、整合性を取ります。
A3. 会計は相互に関連していますが、一般的には損益が確定してから純資産の変動を整理します。どちらか一方が先というより、期末の情報を元に各表を作成し、整合性を取ります。
関連キーワード: 連結財務諸表、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、株主資本等変動計算書、資産、負債、純資産、連結決算、BS、PL、CF

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