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ITパスポート 2010年 春期 58


問題文

電子メールで使用されるMIME (Multipurpose Internet Mail Extensions)に関する記述として、適切なものはどれか。

選択肢

画像ファイルなどの添付ファイルを電子メールで送る方法(正解)
公開鍵暗号方式を用いて、電子メールを暗号化して送る方法
電子メールの本文をHTMLで記述することで、Webページのようなレイアウトやデザインを実現する方法
メールサーバから利用者の端末に電子メールを転送する方法

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電子メールで使用されるMIMEに関する記述【ITパスポート 解説】

正解の理由

MIME(Multipurpose Internet Mail Extensions:多目的インターネットメール拡張)は、電子メールで画像やPDFなどのバイナリファイルを添付して送るための仕組みです。もともとメール送信の規格であるSMTP(Simple Mail Transfer Protocol:電子メールを送るための通信規約)は主に英数字のテキスト(7ビットASCII)を扱う設計でした。そこで、画像などの非テキストデータをメールに含めるために、データの種類(Content-Type)や添付の方法、バイナリデータを文字列に変換するエンコード方法(例:base64)を定めたのがMIMEです。このため、選択肢の中では「画像ファイルなどの添付ファイルを電子メールで送る方法」が適切です。

解法ステップ

  1. MIMEの語を見たら「メールで複数種類のデータを扱う仕組み」を思い出す(Multipurpose = 多用途)。
  2. 各選択肢が何を指しているか簡単に整理する。
    • 添付ファイルを送る仕組みか? → MIMEの代表的機能。
    • 暗号化(公開鍵暗号)か? → 暗号化は別技術(PGPやS/MIME)であり、MIMEそのものではない。
    • HTMLで本文を記述するか? → HTMLメールはMIMEのContent-Typeで可能だが、MIMEの主目的は添付や複数パートの扱い。
    • メールを端末に転送する方法か? → これはPOP/IMAPなどのプロトコルの役割。
  3. 最も直接的にMIMEの説明となる選択肢を選ぶ →

選択肢別の誤答解説

  • (正解)
    MIMEは「添付ファイルをメールで送る」ための仕組みです。Content-Typeヘッダでファイル種別を示し、multipart(複数部)形式やContent-Transfer-Encoding(例えばbase64)でバイナリを安全に送れるようにします。
  • イ(誤り)
    「公開鍵暗号方式を用いて電子メールを暗号化して送る方法」は、一般にPGP(Pretty Good Privacy)やS/MIME(Secure/Multipurpose Internet Mail Extensions:MIMEを拡張したセキュリティ規格)の領域です。S/MIMEはMIMEの枠組みを利用して暗号化や署名を行いますが、MIME自体が暗号化方式を意味するわけではありません。したがって、この記述はMIMEの本来の定義とは異なります。
  • ウ(誤り・部分的に正しい)
    「電子メールの本文をHTMLで記述することでWebページのようなレイアウトやデザインを実現する方法」は、HTML(HyperText Markup Language:Webページを作る言語)を本文に使う「HTMLメール」の説明です。HTMLメールはContent-Type: text/html としてMIMEで扱えますが、MIMEの本来的な説明は「複数タイプのデータを扱うための規格」であり、HTML記述そのものがMIMEの目的ではありません。したがって設問の「MIMEに関する記述として適切か」という観点では、より直接的にMIMEの主機能を示すが正解です。
  • エ(誤り)
    「メールサーバから利用者の端末に電子メールを転送する方法」は、メールの受信・取得に関わるプロトコル(POP:Post Office Protocol、IMAP:Internet Message Access Protocol)や、メールサーバ(電子メールの送受信を仲介するコンピュータ)側の動作の話です。MIMEはメールの内容の表現方法であって、メールを転送する手順そのものではありません。

よくある誤解

  • MIMEは「暗号化」をする規格だと思う誤解
    → S/MIMEという名前に「S(Secure)」が付くため混同しやすいですが、MIME自体は暗号化を行いません。暗号化はPGPやS/MIMEといった別技術の役割です。
  • MIME = HTMLメールと思い込む誤解
    → HTMLメールはMIMEの仕組みで扱えますが、MIMEが「HTMLのための規格」ではありません。MIMEはテキスト・画像・音声など多種のデータをメール内で指定・転送する枠組みです。

補足コラム

実際のメールの中身(ヘッダと本文)では、MIMEヘッダがこういう形で現れます。添付ファイルを含むメールの簡単な例:
Content-Type: multipart/mixed; boundary="BOUNDARY123"

--BOUNDARY123
Content-Type: text/plain; charset="utf-8"

本文のテキスト

--BOUNDARY123
Content-Type: image/png
Content-Disposition: attachment; filename="photo.png"
Content-Transfer-Encoding: base64

iVBORw0KGgoAAAANSUhEUgAA...
(ここにbase64でエンコードされた画像データ)
--BOUNDARY123--
ポイント:
  • multipart/mixed で本文と添付を区切る。
  • Content-Transfer-Encoding: base64 はバイナリをメールで送れる文字列に変換する方法です。

FAQ

Q1. MIMEはいつごろできた規格ですか?
A1. 1990年代初頭に標準化が進み、メールで非テキストデータを扱うための事実上の標準になりました。
Q2. 添付ファイルが文字化けするのはMIMEのせいですか?
A2. 多くはエンコード(base64やquoted-printable)や文字コード、Content-Typeの指定ミスが原因です。正しいMIMEヘッダが設定されていないと、受信側で正しく表示されません。
Q3. メールを暗号化したいときはどうする?
A3. PGPやS/MIMEなどの暗号化技術を使います。S/MIMEはMIMEの仕組みを利用して暗号化データをメールに含める方式です。

関連キーワード: MIME、添付ファイル、base64、Content-Type、multipart、SMTP、POP、IMAP、S/MIME、HTMLメール
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