ITパスポート 2010年 春期 問70
問題文
共通鍵暗号方式では通信の組合せごとに鍵が1個必要となる。例えばA〜Dの4人が相互に通信を行う場合は、AB, AC, AD, BC, BD, CDの組合せの6個の鍵が必要である。10人が相互に通信を行うためには何個の鍵が必要か。

選択肢
ア:15
イ:20
ウ:45(正解)
エ:50
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共通鍵暗号方式で必要な鍵の個数(10人の場合)【ITパスポート 解説】
正解の理由
共通鍵暗号方式とは、送信者と受信者が「同じ鍵(共通鍵)」を使って暗号化・復号する方式です。複数人がいて相互に秘密の通信を行うには、「通信を行う各組合せごとに別々の鍵」が必要になります。
任意の2人の組合せを数えるときは「順序を区別しない組合せ」を考えます。10人のとき、2人を選ぶ組合せの数は
任意の2人の組合せを数えるときは「順序を区別しない組合せ」を考えます。10人のとき、2人を選ぶ組合せの数は
つまり、この問題は「10人の相互通信に必要な鍵の数=10人から2人を選ぶ組合せの数」を問うもので、答えは ウ(45)です。
解法ステップ
- 問題の意味を確認:共通鍵は「2人の通信に1個必要」。よって「何通りの2人組」があるかを数える。
- 「順序を区別しない2人組」の数式は組合せ(コンビネーション)で表す:。
- 具体的に計算する:。
- よって必要な鍵は45個。
補助的な直感的確認方法:
- 1人目は残り9人と通信 → 9個
- 2人目は既に1人目との組合せを数えたため残り8人と新しく通信 → 8個
- 同様に 9 + 8 + 7 + ... + 1 = 45
選択肢別の誤答解説
-
ア: 15
4人のときの例(A〜D)で6個になるのを混同して、別の数式を当てはめた可能性があります。15はや積の途中の値などと誤解した結果です。10人の組合せ数ではありません。 -
イ: 20
20は例えば10×2や10×(some)の誤った解釈から来る数です。順序を考えたり、片方向のみ(A→B)を数えたりすると出ることがありますが、本問の「相互に通信」=順序なしの組合せは考慮していません。 -
ウ: 45
2人組の組合せ数 に一致します。したがって正しい選択です。 -
エ: 50
50は「10人がそれぞれ5個ずつ必要」といった誤った割り算や、10×5などで出てくる値です。対称性(AとBはBとAで同じ鍵)があるため、単純な掛け算で出る50は誤りです。
(注:正解は本文中にある通り ウ を指します)
よくある誤解
-
「A→B」と「B→A」を別と数えてしまう
順序を区別して10×9=90とする誤りが多いです。共通鍵は双方で同じ鍵を使うため、AとBの組は1つだけです。 -
「各人につき1つの鍵で済む」と考える
各人が1つずつ鍵を持てば良いと思う人がいますが、それだと誰と通信しても同じ鍵を使うことになり、秘密保持が保てません。設問は「組合せごとに固有の鍵が必要」と明示しています。 -
組合せ(Combination)と順列(Permutation)の混同
問題文が「組合せ」と明記していなくても、「相互に通信」を読み取ることで順序を区別しない組合せを使う点に注意してください。
補足コラム
実務では共通鍵方式(対称鍵暗号:Symmetric key encryption)で全てのペアに鍵を配ると、管理が急速に難しくなります。10人で45個、100人なら4,950個の鍵が必要です。そこで実際のシステムでは次のような工夫をします。
-
公開鍵暗号方式(公開鍵暗号:Public-key cryptography)を使う方法
各人は「公開鍵(public key)」と「秘密鍵(private key)」のペアを持ちます。公開鍵は自由に配布でき、これを使って暗号化すると対応する秘密鍵で復号できます。これにより鍵の本数は個人ごと(鍵ペア)で済み、鍵配布の負担が減ります。ただし公開鍵方式は演算コストが高く、実務では公開鍵で安全に共通鍵(セッション鍵)を共有し、その後の通信は共通鍵方式で行う「ハイブリッド方式」が一般的です。 -
鍵管理(鍵管理システム、Key Management)
多数の鍵を安全に生成・配布・保管・破棄する仕組みが必要です。これを怠ると鍵が漏えいし、暗号の意味がなくなります。
FAQ
Q1: なぜ組合せで数えるのですか?
A1: 共通鍵は「AとBの間で共通」に使う鍵です。AとB、BとAは同じ鍵なので、順序を区別しない「組合せ(2人を選ぶ)」で数えます。
A1: 共通鍵は「AとBの間で共通」に使う鍵です。AとB、BとAは同じ鍵なので、順序を区別しない「組合せ(2人を選ぶ)」で数えます。
Q2: 一般の人の場合、鍵の個数はどう計算しますか?
A2: 一般には です。これは「n人から2人を選ぶ組合せ」の数です。
A2: 一般には です。これは「n人から2人を選ぶ組合せ」の数です。
Q3: 実務で全部のペアに鍵を配るのは現実的ですか?
A3: 人数が増えると管理が難しくなるため、公開鍵暗号方式やハイブリッド方式、鍵管理システムを使って鍵の数や配布負担を減らすのが一般的です。
A3: 人数が増えると管理が難しくなるため、公開鍵暗号方式やハイブリッド方式、鍵管理システムを使って鍵の数や配布負担を減らすのが一般的です。
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