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ITパスポート 2011年 秋期 04


問題文

コンピュータプログラムに関する著作権の説明として、最も適切なものはどれか。

選択肢

改変が認められているフリーソフトウェアを改変した場合、改変部分も含めてその著作権は、別段の定めがない限り、元のフリーソフトウェアの著作者だけに帰属する。
外部のソフトウェアハウスに委託して開発したプログラムの著作権は、別段の定めがない限り、委託元の会社に帰属する。
派遣社員が派遣先で、業務上、作成したプログラムの著作権は、別段の定めがない限り、派遣元の会社に帰属する。
法人の発意に基づき、その法人の従業員が職務上作成するプログラムの著作権は、別段の定めがない限り、その法人が著作者となる。(正解)

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コンピュータプログラムに関する著作権の説明【ITパスポート 解説】

正解の理由

理由の要点
  • 「著作権(copyright:創作した人に与えられる権利)」の原則は、作った人(著作者)が権利を持つことです。しかし、日本の著作権法では例外があります。
  • 「職務著作(しょくむちょさく):会社の発意(会社の業務として)に基づき従業員が職務として作った作品」は、別段の定め(契約など)がなければ法人(会社)が著作者になります。
  • つまり、社員が会社の指示や業務として作ったプログラムは、通常は会社が著作権を持つことになります。
(短い例)社内システムを会社の依頼で社員Aが作った → 権利は原則として会社に帰属。

解法ステップ

こういう問題を解くときの手順を簡単にまとめます。
  1. 「誰が作ったか」を確認する。個人か法人か、社員か外部か。
  2. 「作った状況」を確認する。
    • 社員が会社の業務・指示で作ったか(職務上か)。
    • 外注(委託)か、派遣か、自由な改変か。
  3. ルールに当てはめる。
    • 職務著作:法人の発意で社員が職務上作成 → 法人が著作者(エ)。
    • 委託・外注:別段の定めがない限り、作った側(外部の制作者)が著作者。
    • フリーソフトの改変:元の著作権者の権利は残る。改変者は改変部分に対して著作権を持つ場合があるが、ライセンスの条件に従う必要がある。
  4. 選択肢と照らし合わせ、例外や契約の有無を考慮して答える。

選択肢別の誤答解説

ア: 改変が認められているフリーソフトウェアを改変した場合、改変部分も含めてその著作権は、別段の定めがない限り、元のフリーソフトウェアの著作者だけに帰属する。
  • 誤り。フリーソフトウェア(free software:利用・改変・再配布を許すソフトウェア)を改変した場合、元の著作権は元著作者に残りますが、改変した人も改変部分について著作権を持ち得ます。ライセンス(例:GPL、BSDなど)が定める条件に従う必要があります。改変部分すべてが元著作者のものになるわけではありません。
イ: 外部のソフトウェアハウスに委託して開発したプログラムの著作権は、別段の定めがない限り、委託元の会社に帰属する。
  • 誤り。委託開発(outsourcing)では、別段の定め(契約)で著作権の譲渡や帰属を定めていない限り、作った側(外部の開発者やソフトハウス)が著作権者となります。委託元に帰属させたいなら、契約で明確に著作権譲渡や利用許諾を取り決める必要があります。
ウ: 派遣社員が派遣先で、業務上、作成したプログラムの著作権は、別段の定めがない限り、派遣元の会社に帰属する。
  • 誤り。派遣社員(dispatched worker)は雇用契約上は派遣元に雇われていますが、実際の指示命令や業務の発意が派遣先にあることが多く、著作権の帰属は単純ではありません。職務著作になるかどうかは「誰の発意で」「誰の指揮の下で」「どの契約関係か」等を見て判断します。つまり派遣元に自動的に帰属するとは限りません。契約で明確化することが重要です。
エ: 法人の発意に基づき、その法人の従業員が職務上作成するプログラムの著作権は、別段の定めがない限り、その法人が著作者となる。
  • 正解。上に述べた職務著作の規定が該当します。

よくある誤解

  1. 「外注すれば著作権は発注側に当然移る」
    • 誤りです。外注では作成者(受注者)が著作権者になります。発注側に権利を持たせたいなら、契約で明確に著作権譲渡や使用許諾を取り決めます。
  2. 「フリーソフトは自由にすべて使って良い」
    • フリーソフトウェアは「自由」が付く一方で、ライセンス(使用条件)が必ずあります。ライセンス次第で改変や再配布の仕方が制限されます。
  3. 「派遣社員はいつも派遣元の著作権になる」
    • 状況に依ります。発意や指揮の主体、契約内容によって帰属が変わるため、契約で整理するのが現実的です。

補足コラム

  • 著作権の種類:
    • 著作者人格権(moral rights:公表権、氏名表示権、同一性保持権など)は原則として譲渡できませんが、行使の方法を制限すること(利用許諾)は可能です。
    • 財産権(著作財産権、economic rights)は譲渡や契約で移せます。実務では「著作権譲渡契約」や「使用許諾契約(ライセンス)」で取り決めます。
  • 実務ポイント:ソフトウェアを外注する、または派遣社員に作業させる場合は、著作権の帰属・利用範囲を契約書で明確にすること。後のトラブルを避けられます。
  • フリーソフトのライセンス種類(代表例):
    • GPL(強いコピーレフト):改変した場合も同じ条件で公開が必要なことがある。
    • BSD/MIT(寛容):比較的自由に利用・再配布できる。
      ライセンスの違いで配布や商用利用の可否が変わります。

FAQ

Q1: 委託開発で作ってもらったら、すぐに自社のものになりますか?
A1: いいえ。別段の定めがない限りは作った側が著作権者です。発注時に「著作権譲渡」「使用許諾(独占か非独占か)」を契約で明確にしてください。
Q2: フリーソフトを改変して販売したい場合、注意点は?
A2: ライセンスを確認してください。GPLなら元のライセンス条件を守って配布する必要があります。改変部分の著作権はあなたにある場合もありますが、元の著作物の条件に従う必要があります。
Q3: 派遣社員が作ったプログラムの権利はどうすれば確実ですか?
A3: 契約で明確にします。どの法人が発意・指揮しているか、著作権の帰属や利用条件を派遣元・派遣先・本人の三者で取り決めることが重要です。

関連キーワード: 著作権、職務著作、委託開発、フリーソフトウェア、派遣社員、著作者人格権、著作権譲渡
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