ITパスポート 2011年 秋期 問10
問題文
自社の保有する特許の活用方法の一つとしてクロスライセンスがある。クロスライセンスにおける特許の実施権に関する説明として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:許諾した相手に、特許の独占的な実施権を与える。
イ:特許の実施権を許諾された相手が更に第三者に実施許諾を与える。
ウ:特許を有する2社の間で、互いの有する特許の実施権を許諾し合う。(正解)
エ:複数の企業が、有する特許を1か所に集中管理し、そこから特許を有しない企業も含めて参加する企業に実施権を与える。
🔒 解説は解答すると表示されます
クロスライセンスにおける特許の実施権に関する説明【ITパスポート 解説】
正解の理由
- クロスライセンスとは、互いに保有する特許の実施権を相互に許諾(ライセンス)し合う契約です。
- 特許(発明を一定期間、他者が無断で使えないようにする権利)
- 実施権(特許を使って製品を作ったり販売したりする「許可」)
- ウは「特許を有する2社の間で、互いの有する特許の実施権を許諾し合う」と述べており、これがクロスライセンスの定義に合致します。
- 他の選択肢は「独占」「サブライセンス」「集中管理(特許プール)」など、クロスライセンスと異なる概念を説明しているため不適切です。
解法ステップ
- 問題のキーワードを確認:クロスライセンス、実施権。
- 用語をかみ砕いて考える:クロス=「お互いに」、ライセンス=「許可」。
- 各選択肢が「互いに許諾し合う」ことを示しているかをチェック。
- 最も短く・明確に「相互許諾」を表す選択肢を選ぶ(ウ)。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 許諾した相手に、特許の独占的な実施権を与える。
- 誤り。これは「独占実施権(exclusive license)」の説明であり、クロスライセンスの一般的な特徴ではありません。クロスライセンスは相互の許諾が中心で、必ずしも独占的ではありません。
-
イ: 特許の実施権を許諾された相手が更に第三者に実施許諾を与える。
- 誤り。これは「サブライセンス(sublicense:許諾を受けた側が第三者にさらに許可を与えること)」の説明です。サブライセンスの可否は契約次第で、クロスライセンスの本質説明ではありません。
-
ウ: 特許を有する2社の間で、互いの有する特許の実施権を許諾し合う。
- 正解。クロスライセンスは相互の実施権許諾を意味します。
-
エ: 複数の企業が、有する特許を1か所に集中管理し、そこから特許を有しない企業も含めて参加する企業に実施権を与える。
- 誤り。これは「特許プール(patent pool:複数企業の特許をまとめて管理・供給する仕組み)」の説明であり、クロスライセンスとは異なります。
よくある誤解
- 「クロスライセンス=必ず無償」
- 誤り。互いの特許価値に応じて金銭の授受やロイヤルティが発生することがあります。条件は交渉で決まります。
- 「クロスライセンスだと権利移転(所有権の移動)が起きる」
- 誤り。クロスライセンスはあくまで実施権の許諾であり、特許そのもの(所有権)の移転とは別です。
- 「サブライセンスは常に可能」
- 誤り。サブライセンスの可否は契約で明確に定められます。クロスライセンス契約で禁止されることもあります。
補足コラム
- クロスライセンスの利用場面:互いに必要な技術を持つ企業同士が訴訟リスクを下げ、相互利益を得るために使います。特にハイテク産業で見られます。
- 変形例:一方が相手に多くの特許をライセンスし、相手は少額で返す「片務的ライセンス」や、複数社が参加する「特許プール」といった別形態があります。
- 実務上の注意点:範囲(どの製品・地域で使えるか)、期間、サブライセンスの可否、競業禁止条項、対価(ロイヤルティ)などを契約で明確にします。
FAQ
Q1. クロスライセンスは必ず対等ですか?
A1. 多くは相互許諾ですが、対等とは限りません。特許の価値や交渉力によって条件が異なります。
A1. 多くは相互許諾ですが、対等とは限りません。特許の価値や交渉力によって条件が異なります。
Q2. サブライセンスは標準でできるのですか?
A2. いいえ。サブライセンスの可否は契約条項で定めます。許可されていなければ第三者への許諾はできません。
A2. いいえ。サブライセンスの可否は契約条項で定めます。許可されていなければ第三者への許諾はできません。
Q3. クロスライセンスと特許の売買(譲渡)はどう違いますか?
A3. クロスライセンスは「実施する権利を与える」契約で、所有権は移りません。譲渡は所有権そのものを移す手続きです。
A3. クロスライセンスは「実施する権利を与える」契約で、所有権は移りません。譲渡は所有権そのものを移す手続きです。
関連キーワード: クロスライセンス、実施権、特許、サブライセンス、特許プール、独占実施権、ライセンス契約

\ せっかくなら /
ITパスポートを
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

