ITパスポート 2011年 秋期 問11
問題文
電化製品などに組込みシステムを採用する利点として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:PCとはソフトウェアの構造が異なり、ウイルス感染の危険性がない。
イ:システム設計において、ハードウェアの制約を受けない。
ウ:製品の改良に当たって、ソフトウェアの変更だけで一定範囲の機能追加が可能となる。(正解)
エ:フェールセーフを担保する環境が提供されており、システムごとの対策が不要である。
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組込みシステムを採用する利点【ITパスポート 解説】
正解の理由
ウの「製品の改良に当たって、ソフトウェアの変更だけで一定範囲の機能追加が可能となる。」は、組込みシステム(embedded system:家電や機器に組み込まれ、特定の機能を実行するコンピュータ)を採用する大きな利点です。ハードウェア(機械や回路などの物理部分)を変えずに、ソフトウェア(プログラム)を更新することで機能を追加・改善できます。これにより開発コストや製品の改良速度を抑えられます。
解法ステップ
- 問題文で確認するキーワードは「組込みシステムを採用する利点」。
- 各選択肢が組込みシステムの性質に合っているかを一つずつ検討する。
- 組込みシステムは一般にハードとソフトが密に結びつくが、ソフトの差し替えで機能改良できる点がメリットであることを思い出す。
- それ以外の選択肢が事実と異なる点を順に排除して、ウを正解とする。
選択肢別の誤答解説
- ア: 「PCとはソフトウェアの構造が異なり、ウイルス感染の危険性がない。」
- 誤り。PC(Personal Computer:汎用のコンピュータ)と組込みシステムは目的や設計が異なりますが、組込みシステムでもソフトウェア(ファームウェア)に脆弱性があればコンピュータウイルス(computer virus)や不正アクセスの影響を受けることがあります。絶対に安全というわけではありません。
- イ: 「システム設計において、ハードウェアの制約を受けない。」
- 誤り。むしろ逆で、組込みシステムはハードウェア(CPU性能、メモリ容量、電力消費など)の制約を強く受けます。その制約の中で最適化することが設計のポイントです。
- ウ: 「製品の改良に当たって、ソフトウェアの変更だけで一定範囲の機能追加が可能となる。」(正解)
- 正しい。ソフトウェア差し替えで機能追加やバグ修正が可能なため、発売後の改良が比較的容易です(ただしハード依存の機能は除く)。
- エ: 「フェールセーフを担保する環境が提供されており、システムごとの対策が不要である。」
- 誤り。フェールセーフ(fail-safe:故障が発生しても安全な状態にする仕組み)は組込み機器で重要ですが、全ての製品で自動的に担保されているわけではありません。設計ごとに対策が必要です。
よくある誤解
- 「組込みシステムはウイルスに感染しない」
- 誤解です。証明書管理や更新機能が不適切だと攻撃対象になります。セキュリティ対策は必要です。
- 「ソフトウェアで何でもできる」
- ハードウェアに依存する機能(センサーや通信チップの性能など)はソフトだけで変えられません。あくまで「一定範囲」の機能追加が可能という点を誤解しないでください。
- 「フェールセーフは自動で備わる」
- フェールセーフは設計の一部です。法律や用途(医療機器・車載など)により厳格な設計が求められる場合があります。
補足コラム
- 組込みシステムで使われるソフトウェアはしばしば「ファームウェア(firmware:ハードウェア上で動く組込み向けソフト)」と呼ばれます。最近はOTA(Over-The-Air:無線経由でソフト更新)で機能追加やセキュリティ修正を行う製品が増えています。
- 例:スマート家電(冷蔵庫・洗濯機)、車の制御ユニット、医療機器の制御部分などが組込みシステムです。これらはハードの上でソフトが機能を司ります。
- 組込みシステム設計では、リアルタイムOS(RTOS:リアルタイム動作を保障するOS)やマイクロコントローラ(小型のCPUと周辺回路が一体化した部品)がよく使われます。
FAQ
Q1: 組込みシステムとPCの一番の違いは何ですか?
A1: 目的の違いです。PCは汎用(いろいろな作業をできる)なのに対し、組込みシステムは特定の機能を長時間・安定して実行するために作られます。設計は省リソース・信頼性重視になります。
A1: 目的の違いです。PCは汎用(いろいろな作業をできる)なのに対し、組込みシステムは特定の機能を長時間・安定して実行するために作られます。設計は省リソース・信頼性重視になります。
Q2: 組込みシステムは後でソフトだけ更新して機能を増やせますか?
A2: 多くの場合は可能です。ただし、ハード(センサーや通信回路)が限界だとできない機能もあります。また、更新機能が安全に設計されている必要があります。
A2: 多くの場合は可能です。ただし、ハード(センサーや通信回路)が限界だとできない機能もあります。また、更新機能が安全に設計されている必要があります。
Q3: フェールセーフはどうやって確保しますか?
A3: 冗長化(同じ機能を複数置く)、異常検知と安全モードへの遷移、設計レビューや試験で確認するなど、製品ごとに対策します。自動で備わるものではありません。
A3: 冗長化(同じ機能を複数置く)、異常検知と安全モードへの遷移、設計レビューや試験で確認するなど、製品ごとに対策します。自動で備わるものではありません。
関連キーワード: 組込みシステム(embedded system)、ファームウェア(firmware)、OTA(Over-The-Air)、リアルタイムOS(RTOS)、マイクロコントローラ、フェールセーフ、セキュリティ、アップデート、省電力設計

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