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ITパスポート 2011年 秋期 18


問題文

製造物責任法によって責任を問われるのはどのケースか。

選択肢

再販売価格を維持することを条件に小売店に製品を販売した。
実際には無い機能をもっていると誤解される広告をして製品を販売した。
取扱説明書に従った使い方をしていても過熱してやけどするなどの危険がある製品を販売した。(正解)
兵器として転用可能な製品を担当省庁の許可なしにテロ支援の懸念がある国家に販売した。

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製造物責任法によって責任を問われるのはどのケースか【ITパスポート 解説】

正解の理由

製造物責任法(PL法:Product Liabilityの略で、製造物責任を定めた法律)は、製品に「欠陥」があってその欠陥により人が被害を受けた場合に、製造者などが損害を賠償する責任を負うことを定めています。ここでの「欠陥」とは、通常期待される安全性を備えていないことを指します。
選択肢ウは「取扱説明書に従った使い方をしていても過熱してやけどするなどの危険がある製品」を示しており、使用方法が正しくても危険が生じるため「製品の欠陥」に該当します。したがって製造物責任が問われます。

解法ステップ

  1. 問題文で対象となる法律を確認する(ここでは「製造物責任法」)。
  2. PL法の核心を思い出す:「製品の欠陥」による被害に対する責任(過失の有無に関係なく問える場合がある)。
    • 「欠陥」は設計上、製造上、表示(警告・取扱説明)の欠陥を含む。
  3. 各選択肢がどの法律の問題かを当てはめて排除する:製品の安全性・欠陥に直接関係するものを正解にする。
  4. 選択肢ウは「指示通り使っても危険が生じる」=欠陥そのものなので正解と判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 再販売価格を維持することを条件に小売店に製品を販売した。
    • これは独占禁止法(反トラスト法、英: Antitrust law)の問題です。再販売価格の維持は競争を制限する行為で、PL法とは無関係です。
  • イ: 実際には無い機能をもっていると誤解される広告をして製品を販売した。
    • これは景品表示法(不当表示の規制)や消費者契約・民法上の表示による問題です。虚偽表示による契約上の責任や行政罰の対象で、PL法の「製品の欠陥」とは別です。
  • ウ: 取扱説明書に従った使い方をしていても過熱してやけどするなどの危険がある製品を販売した。
    • これが正解。使用が適正でも被害が出る=製品自体の欠陥で、PL法による賠償責任が争われます。
  • エ: 兵器として転用可能な製品を担当省庁の許可なしにテロ支援の懸念がある国家に販売した。
    • これは外国為替及び外国貿易法(外為法)や刑事罰・輸出管理の問題です。安全保障や輸出規制に関する法的責任であり、PL法の範囲外です。

よくある誤解

  1. 「PL法は製造者が必ず悪い(過失が必須)」と思う誤解
    • PL法は基本的に厳格責任(strict liability)の性格があります。つまり、必ずしも製造者の過失(注意義務違反)を証明する必要はありません。ただし、一定の免責事由(当時の科学で欠陥を発見できなかった等)が認められる場合があります。
  2. 「ユーザーの誤使用でもPL法が成立する」と考える誤解
    • 正規の使用や通常予見される使用、あるいはそれに近い誤用については責任が問われ得ますが、極端な故意の改造や予見不可能な誤用については責任が否定される場合が多いです。
  3. 「説明書があれば安全だ」との誤解
    • 十分な警告や取扱説明がない(表示上の欠陥)場合もPL法の対象ですし、説明書があってもそれに従って被害が出るなら製品自体の欠陥です。

補足コラム

  • PL法の対象となる「製造者等」には、製造業者だけでなく輸入業者や場合によっては販売業者も含まれます(被害者が比較的簡単に救済を受けられるようにする趣旨)。
  • 具体例:スマートフォンのバッテリーが異常発熱して火傷や火災が起きた場合、設計や製造の欠陥、または十分な警告(「高温での使用禁止」など)がなかったかが争点になります。
  • 覚え方のコツ:「PL法 = 製造物の欠陥で人が傷害・損害」をセットで覚えると見抜きやすいです。

FAQ

Q1: 誤表示(うそ広告)で被害が出たらPL法ではなくどの法律?
A1: 景品表示法(不当表示の禁止)や消費者契約法、民法に基づく詐欺・不法行為責任が中心で、PL法とは別です。
Q2: 小売店もPL法で責任を問われることがありますか?
A2: 状況により問われ得ます。PL法の「製造者等」に該当するかどうかや、販売者責任の有無は具体的事情次第です。
Q3: 製造者が最新の科学知見を知り得なかったら免責されますか?
A3: 一定の条件下で「当時の科学的知見では欠陥を発見できなかった」と免責が認められる場合がありますが、簡単に免れるものではありません。
Q4: 被害の補償内容は何ですか?
A4: 医療費や入院費、慰謝料、場合によっては逸失利益(働けなかった分の損失)など、損害賠償が一般的です。

関連キーワード: 製造物責任法, PL法, 欠陥, 表示上の欠陥, 不当表示, 独占禁止法, 外為法
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