ITパスポート 2011年 秋期 問38
問題文
財務システムの機能追加プロジェクトのプロジェクトマネージャに任命されたAさんは、プロジェクトのリスクチェックリストを作成するために、過去のプロジェクトで使用したリスクチェックリストを手に入れた。リスクチェックリストに関する記述のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:過去のリスクチェックリストは過去の情報や知識を基に作成されたものなので、新たに作成するリスクチェックリストの参考にする。(正解)
イ:過去のリスクチェックリストは過去の情報や知識を基に作成されたものなので、これに載っていないリスクの検討は不要と判断する。
ウ:プロジェクトごとにばらつきが出ないように、過去のリスクチェックリストをそのまま使用する。
エ:プロジェクトごとにリスクは変化するので、過去のリスクチェックリストに載っていないリスクだけで新たにリスクチェックリストを作成する。
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リスクチェックリストの扱い【ITパスポート 解説】
正解の理由
リスクチェックリスト(過去のプロジェクト等で洗い出されたリスク項目の一覧)は、過去の知見を整理した有益な「参考資料」です。過去の情報は新しいプロジェクトで役立ちますが、プロジェクトごとに条件や環境が異なります。したがって「参考にして、現在のプロジェクトに合わせて追加・修正する」という扱いが適切です。
(用語補足:リスク=将来発生する可能性があり、プロジェクトに悪影響を与える事象。プロジェクトマネージャ=プロジェクト全体の管理責任者)
解法ステップ
- 問題文のキーワードを探す:「過去のリスクチェックリスト」「新たに作成する」「参考にする」など。
- リスク管理の原則を思い出す:過去の知見は活用するが、プロジェクト固有のリスクも必ず検討する。
- 選択肢を比較する:過去のみを完全に信じる選択肢(イ・ウ)や、過去を無視する選択肢(エ)は現実的でない。
- 最も現実的で安全な運用を示す選択肢を選ぶ:過去を参考にしつつ現状に合わせるアを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 正しい。過去のチェックリストを参考にし、そこに載っていない可能性のあるリスクも検討・追加するのが適切。
- イ: 誤り。過去のチェックリストに載っていないリスクを検討しないのは危険です。プロジェクト環境が変われば新たなリスクが生じます。
- ウ: 誤り。プロジェクトごとに目的・範囲・技術・メンバーが異なるため、過去のチェックリストをそのまま使うと見落としや無駄が生じます。
- エ: 誤り。過去に発生した(あるいは想定された)リスクも重要です。過去の項目を無視して新しいリスクだけで作るのは不合理です。
よくある誤解
- 「過去のチェックリストがあればそれだけで十分」
- 誤りです。チェックリストはスタート地点として有効ですが、プロジェクト固有の検討(スコープ、技術、外部要因)が必要です。
- 「チェックリストは固定のもの」
- 誤りです。チェックリストはプロジェクトを通じて更新する生きた資料です。発見したリスクや事後の学びは反映しましょう。
- 「類似プロジェクトなら何も変えず流用して良い」
- 類似性が高くても微差(法規制、担当者、納期など)が致命的なリスクを作ることがあります。必ず点検・調整してください。
補足コラム
-
使い方の実務ポイント
- 過去のチェックリストをベースにまず項目を洗い出す。
- ブレーンストーミング(複数人で自由に意見を出す手法)や利害関係者ヒアリングで「漏れ」を補う。
- リスク登録簿(リスク登録簿=リスクの識別番号、内容、発生確率、影響度、対策、責任者などを記録する表)に整理して、優先順位を付ける。
- プロジェクト中に新しいリスクを見つけたら随時チェックリストと登録簿を更新する。
-
優先度の付け方(簡単な考え方)
- 発生確率 × 影響度 で評価し、高いものから対応を検討します。完全に数式化する必要はありませんが、目安があると判断がブレません。
FAQ
Q1: 過去のチェックリストはどこで手に入れる?
A: 社内の「レッスン・ラーンド(Lessons Learned:過去の教訓)」やプロジェクト管理の資料、同僚の共有フォルダなどから入手します。
A: 社内の「レッスン・ラーンド(Lessons Learned:過去の教訓)」やプロジェクト管理の資料、同僚の共有フォルダなどから入手します。
Q2: チェックリストだけでリスク管理は完了しますか?
A: いいえ。チェックリストは「初動の助け」です。詳細な評価や対応策の計画(リスク対応)が必要です。
A: いいえ。チェックリストは「初動の助け」です。詳細な評価や対応策の計画(リスク対応)が必要です。
Q3: チェックリストに載せるべき項目例は?
A: 例:要求変更、要員不足、外部ベンダー遅延、セキュリティ問題、法規制変更など。各項目に対して発生確率・影響度・対応策・責任者を合わせて記載します。
A: 例:要求変更、要員不足、外部ベンダー遅延、セキュリティ問題、法規制変更など。各項目に対して発生確率・影響度・対応策・責任者を合わせて記載します。
Q4: 更新頻度は?
A: プロジェクト開始時に精査し、その後は主要マイルストーンやリスク発生時、定期リスクレビューで更新します。
A: プロジェクト開始時に精査し、その後は主要マイルストーンやリスク発生時、定期リスクレビューで更新します。
関連キーワード: プロジェクトマネジメント、リスク管理、リスクチェックリスト、リスク登録簿、リスクアセスメント、ブレーンストーミング、レッスン・ラーンド、優先順位付け

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